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映画にハマった頃 マックス・フォン・シドー

マックス・フォン・シドーという俳優を知ったのは『偉大な生涯の物語』を テレビで観た時だ
あの 超大作俳優 チャールトン・ヘストン様を差し置いて 主演を堂々とつとめておられた
まあ 役柄が イエス・キリストなので しょうがない 
海を真っ二つに割るような男が みすみす磔になるなんて 誰も納得出来ないだろう
チャールトン・ヘストンは ヨハネを演っていたと記憶する
しかし 全世界の苦悩を全て背負ったような マックス・フォン・シドーの印象は 当時 あの ベン・ハー モーゼのチャールトン・ヘストン(ライフル協会の会長だと知り あなたってそんな人だったのね と最近は思っているが)を凌駕した

次に マックス(気安いぞ)に出逢ったのは 『クレムリン・レター』という映画だ
マックスは そこで 冷徹なソ連の将校を演じていた コサック帽をかぶり ジャンパーの襟を立てる仕草は もうたまらんス

さらに『エクソシスト』では 最初に悪魔に殺されるエクソシスト(悪魔祓い師)を演じる
マックス あんた 何者なんだ

その後 わたしは イングマール・ベルイマンの映画で マックス・フォン・シドーを 頻繁に目撃する事になる 
『鏡の中にある如く』の中国の核実験のニュースに ナイーブに反応する男
『処女の泉』で 娘をレイプされ殺され その犯人達に復讐をし 一味の少年を壁に叩きつけて惨殺する父親

そして 圧巻は 『第七の封印』である
中世(たぶん) 戦場から疲れ果てて帰ってきて 海辺で横たわるマックス・フォン・シドーのところに 死神が現れる
マックスは 死神に 命を賭けて(というか 延命をかけて) チェスの勝負を持ちかける
その時の 死神の「わたしは チェスは強いのだ」と言い放つ時のドヤ顔が 実に愛らしい
そんなキャラが立ちまくった死神と 真っ向から対峙するマックス
彼をおいては成立し得ない世界観
例えば ロバート・デニーロでも ライアン・オニールでも ピーター・オトゥールでも ちょっと違うなあ と思うだろう
阪神の岡田監督なら 
「ここはマーやんか ここはマーに決まってるやんか おーん」と言いたいところだ
それで 田中マー君が出てきても困るんだが 

そんなわけで マックス・フォン・シドー
最高!

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