東大までの人、東大からの人
ブルーピリオドの7巻を読んだ。
ここから、いよいよ東京藝術大学での生活の始まりという感じ。その中でぶつかる壁に対して、もがいたり逃げたり、それでも向き合っていく姿はとても共感できるものだった。
自分は芸大生ではないけれど、それでもそれなりに高い壁を乗り越えたものだと思っている。今振り返るとそんなことはないのだけれど、東大に入学した当時は、知らずのうちに「東大生」という肩書に鼻が伸びていたと思う。
この第七巻を読み終えたとき、入学当初に目に入った立て看板を思い出した。
「東大までの人、東大からの人」
あの立て看板が何の団体の勧誘なのかは記憶していないが、東大に入学し、熱量満載だった自分にとっては、「よし、東大からの人になるぞ」という意気込みをふまえた解釈しかしなかった。
しかし、現実にはそんなに甘くはなかった。
具体的に、自分は何に敗北したのかわからない。
でも、この状況こそが、まさに「東大までの人」なのだろう。
あの入学当時の熱量はどこに消えていったんだろう。
あの頃に戻れたら、なんてことはあまり思わないんだけれど、こんなことを書いている時点で、戻りたいという欲求が自分の中には存在しているんだろう。
そんなことを思いながら、時間は過ぎていく。
明日は開講日だった。コロナウイルスの影響で二週間延期という知らせを受けた。
あの頃の熱量はないけれど、やっていくしかない。
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