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東洋占術の種類

 占いと言うと胡散臭い目で見らますが、運命学と言ったらどうでしょう。言い方によって印象が全く異なります。それは、根拠もない迷信に近い物と、何世紀にも渡って積み重ねられた理論に支えられた物とが、無数にあり、分類されずに一緒に取り扱われてしまっているからです。

現在巷で流布されている占いには、手相、人相等の観相学、方位学、九星術、家相、地相、生命判断、数秘術、タロット占い、易学、四柱推命、占星術、など多種多様です。しかし、その占い方には共通点があり、その原点は宇宙の動きに基因します。宇宙があってこそ、運命学は存在することになります。例えば、天体の動きを主体とする占星術を取得することは、宇宙を学び取ることと同じとなります。

 現在の占いは、大体4種類に分類することが出来ます。


1.現象のみをとらえる占い(手相、人相、骨相、足相、毛相など)

 学問的な裏付けや論理的な面は殆ど無く、統計や鑑定者個人の勘に頼る例が多いです。手相、人相、骨相、足相、毛相などが入ります。手相は中国、インド、ドイツ発祥と大きく分けて3種類あります。日本はこのいずれかで行われています。人相と骨相はほぼ中国発祥で、毛相は珍しい占いですが、漢方医学と共に渡来したとされます。

2.偶然性を捉える占い(易占、サイコロ、タロット占い、六壬神課など)

 東洋占術では、易占(えきせん)が有名です。筮竹(ぜいちく)と呼ばれる細い50本の竹の棒を使用して八卦(はっけ)を作り出します。竹の棒の代わりにコインやサイコロも使われます。易占は運命を当てはめるという事よりも、一つの迷い事に対して本人が取るべき道を教授するという目的があります。その根幹には、易経と言われる古代中国の思想書があります。

 易経は、儒教の教えに基づいた四書五経の四書のうちの一書です。四書は「論語」「大学」「中庸」「孟子」、五経は「易経」「書経」「詩経」「礼記」「春秋」を言い、五経は四書よりも高しとする、と言われます。よって、易は占いよりも哲学として捉えた方がその真髄を知る事が出来ます。
 タロット(トランプ)占いは、中国の占い専用の花札を使う物は日本ではほとんど姿を消しており、現在トランプ占いと称している物は、ジプシーが作り出したタロットカードで西洋から渡来した物です。トランプ占いは占う方法や解釈の方法は天体の動きと直結していますが、その答えは統計による判断のみで、理論的な物ではありません。中国の花札も同じです。
 六壬神課(りくじんじんげ)は現在の時間をもとに四課三伝(しかさんでん)という課式(かしき)を計算し、現在~未来の状況予測をします。日本ではあまり見かけない占術ですが、中国では大六壬と呼ばれ人気のある占術です。

3.宿命をみる占い(占星術、推命学)

 病気の時は、精密検査をしてから治療方法を考えますが、東洋占術でも同じ事をします。まず宿命を判断してから、運命の改良を試みる必要があります。この宿命判断の占術に、占星術や推命学があります。
 占星術は、西洋のホロスコープが有名ですが、東洋の占星術(七政星学:日本では殆ど見かけません)も歴史があります。どちらも天空にある星から算出するため、自分に与えられている役目(天命)を知る、つまり自分の運命を天体の動きから推し測るという事です。
 推命学は日本では四柱推命が一番有名ですが、現在の形式が日本に伝わってから150年ほどしか経っておらず、日本では比較的新しい占いです。中国本来の推命学と別の形で進化し、流派により解釈が異なり難解であるため、日本ではその全容が分かり辛くなっています。

4.改良としての占い(方位学、九星気学、奇問遁甲学、姓名判断など)

 先述の宿命をみる先天占術に対し、後天占術があります。これらの術は、自分の未来を自分の思い通りに動かそうとする人間の精神欲が最も顕著に表れた占い方です。現代人は、占いと言えば、この後天占術をイメージする人が多いと思います。後天占術は、運命改良のみ目的としているので、大変重宝する占いですが、宿命には重きを置きません。そのため、使用方法を間違えると、宿命から外れて後で大変な事になります。自分の目的や役目、自分の器量を前提とした上で、運命改良方法を検討していく事が大事です。これらの占いを、専門的には先天占術に対する後天占術と言います。

 以上が4つの大別になりますが、これらを活用するには、理論(学問)と実践(経験)が必要不可欠になります。その違いも、折を見て記載していきたいと思います。


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