見出し画像

「個人サイトへの回帰」を読んで思った「『自分の書いたもの』のマーケティング管理をする」という考え方。

◆SNSが巨大ショッピングモールへの出店なら、個人サイトは自宅を改装したカフェのようなもの。

Twitterに代わる移住先を探すという流れで、「個人サイトへの回帰」が案として上がっているという話を読んだ。
SNSと個人サイトは導線を初め、造りがまったく違うので代替という意味ではネタなんだろうが、「自分用のギャラリー、倉庫として個人サイトを作る」という考え方がいいなと思った。

SNSが大規模なショッピングモールへの出店なら、個人サイトは自宅を改装したカフェのような感覚だ。
SNSを初め、他プラットフォームのように人は来ない(いない)かもしれないが、プラットフォーム側の仕様の変更に左右されない、サイト自体を自分の世界観で統一できるというメリットがある。
利用しているプラットフォームが閉鎖されたりする可能性のリスクヘッジとして保管庫を持っておく、という考え方もある。


◆自分の書いたもののマーケティング管理をする。

AIが文章も絵も描ける時代に、ネットで書(描)き続けていくには、
「誰に、何を、どれくらい読まれて、どうなりたいか?」
に基づいて自分の作ったもの、書いたものの露出する方法や方向性を管理することが大事ではと思う。
商売で言えばマーケティング管理だ。

「誰に」は、「なるべく多くの人に読んで欲しい」という人もいれば、「趣味がまったく合わない人に読まれて『面白くない』と言われても困る」という人もいると思う。
「何を」は、「わたジャン」の麦さんのように、「バトコアの二次創作を書く」ということが最優先事項で、他のジャンルならもっと読まれるとしても「それでは意味がない」という人もいるだろう。
「どのくらい」は「とにかく読まれる総数が多ければいい」という人もいれば、「そこそこの人数の人に末永く読まれたい」という人もいそうだ。
「どうなりたいか?」は、「書いたものを読まれること」ではなく「それを読まれることで自分を知って欲しい→有名になりたい」要するに「書くこと」が目的ではなく手段だという人もいる。
まずは読まれるものを書いて有名になってから、自分の書きたいもので勝負するという考え方もあるだろう。

誰もが「なるべく多くの人に、自分が書きたいものを好意的に読んでもらって有名になって金を稼ぎたい」と思っていると思いがちだが、意外と自分に当てはめて細かく考えると、「たくさん読まれても、自分の意図したことが伝わらなければ嫌だ」「結果的に有名になっても、自分のやりたくないことはしたくない」など譲れないポイントや優先順位、また意外とそこにはこだわりはない、むしろこうなると面倒くさいと思っている点が出てくると思う。

ネットがない時代は、自分の作ったものを公表するには、公募に応募するしかなかった。自分の目的や優先順位に合わせて「書いたもののマーケティング管理」をすることは出来なかった。

今は「誰に、何を、どれくらい読まれて、結果的にどうなりたいか」を細かく考えて、公表の仕方や方法を自分の希望に合わせて管理することが出来る。
そうやって自分の目的やモチベーションを維持することが、息長く活動するコツのひとつなのかなと思った。


◆ちなみに自分は。

ブログ(note)は「自分と同じくらい対象に興味がある人」、創作は「自分と同じような趣味嗜好の人」がターゲットで、その人たちに多少なりとも「面白いな」と思ってもらえればそれで「書いた甲斐があった」と思える。
逆に「言及した対象に興味がない人」や「自分とは趣味嗜好が違う人」に読んで欲しい、面白さを分かって欲しいという希望はほぼない。
「可能な限り多くの人に読んで欲しい」のではなく、「読んで欲しい人像(読者像)」が自分の中に明確にある。

「誰に、何を、どれくらい読まれて、結果的にどうなりたいか」で言えば、「誰に」「何を」が譲れない部分だ。
読まれる読まれないは結果論なので考えても仕方がないし、活動し続けた結果自分がどうなりたいかという目的は特にない。
「自分の好きなことを、自分と同じくらいその対象に興味を持っている人に向けて書く状態を末永く続けたい」
が希望なので、今の状態がベストだと思っている。

書いているものが各プラットフォームに分散しているので、統合したインフォメーション+ギャラリー+倉庫的なものが欲しい。
個人サイトは敷居が高いから、はてなブログの余っているブログで作ってもいいかなあ。


◆麦さんが好き。

タイトル画は「私のジャンルに神がいます」の麦さん。超過疎ジャンル「バトルコアジャスティス」で、8年間、毎年一冊ずつ同人誌を出し続けている。

この麦さんが凄く好きなんだよね。
過疎ジャンルで余り読まれなくても、毎年書いたものを一冊ずつ着実に積み上げて行く活動姿勢がいい。
麦さんの話を読むとモチベーションが上がる。

(「私のジャンルに神がいます」1巻 真田つづる KADOKAWA)
(「私のジャンルに神がいます」1巻 真田つづる KADOKAWA)
(「私のジャンルに神がいます」2巻 真田つづる KADOKAWA)

こういう自分の世界観を手作りで積み上げて構築していく感覚が、たまらなく好きなのだ。
麦さんみたいな人は、個人サイトに向いているんだろうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?