日記 231126

2回土日働いて、土曜働いての、久しぶりの日曜日。バスで河原町まで出て、北野武の「首」を見た。首がボンボン落ちた。バカヤロー、と愚痴るビート武。頭がぼんやりしたので、喫茶店で珈琲を飲んでぼーっとした。帰りに気になっていたバーに行ってみようと思ったが、閉まっていた。

今週は大学の学祭があった。僕の研究室がある構内でも出店が出ていて、お祭りを楽しむ人で賑わっていた。韓国料理やカレーの店の前を通ると唐辛子やスパイスの香りがした。何年か前までは音楽のサークルに行っていて、そこでほぼ祭りの全てを過ごしていた。だけど、サークルにはもう行かない。集団の中で自由で堕落したモラトリアムを前提にされていると話が出来ない。嫌いじゃない。ただ、”学生だから”という前提がある空気で駄弁る事ができない。私が変わった。一対一なら大丈夫。友達に会いたいけど、あの場所ではもう会えない。どちらにせよ実験があるので、僕は軽く昼飯を買うぐらいで今年の学祭は終わった。研究室の中で、研究の話を後輩としていた。

覚悟を持っていない人のことを好きになれない。適当に過ごしているだけの人にはなりたくないし話が合わない。自分が変わったから、もう友達と話しても昔のようには話が合わない。他者から肯定されるような証明を獲得して一人で不自由なく生活したい。やりがいに満ちた、創造的で独創的な仕事で精神的に充足したい。

家に戻りたくない、と思っている。あの家でもう一度暮らさなくてはいけなくなったら、多分死んでしまう。思い出を塗りつぶしてしまう程に苦しかった。あの家の人と意思疎通ができたのは大人になってからだと思う。年末年始に帰らなくてはいけないのでさえ辛い。意思疎通できない弟、情緒不安定な兄、ヒステリックな母、無責任な父、頑固で視野狭窄な祖母。僕は心を押し殺していた。だから独立心。

沢山働いた。疲れた。静かな所へ行きたい。宝ヶ池のほとりにあるベンチに座って、鴨の群れを眺めながらコーヒーを飲みたい。山へ行きたい。大文字の火床へ登りたい。遠くまで見渡せるあの場所へ行きたい。空気が澄んでよく晴れた日がいい。今は紅葉も見頃なはずだ。それか、懐中電灯で足元を照らして、夜の山道を登りたい。廃墟を見にいくのもいい。保津峡から清滝あたりの渓谷を歩きたい。時折電車の音が聞こえてくる、人気のないあの場所。

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