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オリジナルな技法について。
◎オリジナルな技法とは何か。
今の自分の制作の中核になった技法の話です。
こうやって自分の経験やテーマと結びつき、新たな技法が生まれることを目の当たりにし、自分自身が驚いたので、ここにメモしておこうと思います。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21176592/picture_pc_6f8e35b1f1b6a12a4df63757a552da99.jpg?width=800)
◎脱学生
プロアマ問わず、絵に興味がある人の中でも「技法」に興味がある人は割といて、絵画教室は盛況です。他者から習えることは山ほどあります。
しかし、誰かから教えてもらったことの出来で右往左往しているうちは、”学生”の意識から脱することは生涯出来ないと私は思いました。これは年齢や経験値とは無関係な話です。そこでは常時上下の評価に晒され、同技法で上手い人のフォロワーになるような意識に陥ってしまいます。
追いかけるものには手が届かないのが世の常。もう既に知っている“スゴイモノ”を目指しても、描いても描いても常にそこに至っていないと、誰よりも作者自身が感じてしまいます。これは悲劇でしょう。そして他者から見ればちっぽけな喜劇かもしれません。
◎表現の本質は、上下ではない。
誰でも絵を描く最初期から、他と比べられない独自の世界を持っています。全く同じ人間が存在しないのと同様です。その人にしか当てはまらないその人にとってぴったりくる技法はあります。誰もやったことがないから、誰も教えてくれないだけです。
「独特な技法で面白いなぁ。」
そう感心させられた、これまで見てきた作家たち。彼らに共通するのはそのテーマに先んじて、あるいはほとんど同時にその技法に出会い、導かれるようにテーマも深化しているとしか思えないことが多かった。
彼らの技法自体を真似ることに意味はありません。そうではなく、その表現との向き合い方、考え方を学ぶことは出来ないだろうか。
◎私の技法
私の技法は、
「多層ガラス絵」です。
誰もやらない描き方なので、オリジナル技法ということになります。
これは言葉だけの表層的なラベリング(キャラ付け)や、単なる思いつきから生まれたものではありません。“オリジナル技法を作らなければ“などと頭を悩ませたわけでもありません。制作していく中で知った3つの古典技法が、ある時に自身の経験やテーマと結びついたものなのです。
その時、「上手く」という意識は霧散し、「もっとこうしたい」という意志が湧き出てくるのを感じていました。そしてその不思議な心地は今もずっと続いています。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21176844/picture_pc_29e34714b6b84c33168feb5bd1195dd6.jpg?width=800)
次回に続く。
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