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勿忘草

やっぱり忘れる。
すぐ忘れる。
まだ二回目なのに。
ただ、深夜は地続き。
だからこれは月曜日アップなのです。
なぜ人間はすぐに忘れてしまうのでしょうか?
忘却の生き物なのか?
などと訳知り顔で言う人がいますが、そういう人には反論したいのです。

鶏なんて三歩で忘れるんだぞ。

そう言いながら、心のどこかではうっすら「それってホンマなんかな?」と思ってたんですよ。
どうやって調べたんかな?って。
二歩でも四歩でもなく三歩で忘却する。
そんなことどうやって調べたのだろう?って思いますよね?
で、ググってみました。
まるっきりの嘘でした。
「三歩歩いたら忘れる」は物忘れの激しい人を侮る際に使われた言葉だそうで、そのイメージの動物が鶏だったようです。
……イメージの動物いる?
では、なぜ鶏が「三歩忘れる動物」とされたのか。
理由は「犬などのように芸もせず、真似も出来ずに物覚えが悪く、人に従うことも無いから」だそうです。

いや、他にもおるやろ。

豚も猫も鹿も山羊もそうやろ。
というか「芸もして真似もできて物覚えがよくて人に従う動物」犬しかおらんやろ。
たいした理由もなく悪口の一部にされた鶏。
あんなに美味しいし、卵も産むし、朝は鳴き声で起こしてくれるのに酷い言われようだと思う。
そもそも鶏は「三歩歩いたら」何を忘れる、という設定だったのだろう?
この悪口を考えた人に会えたらそこを聞いてみたい。
鶏が忘れそうなこと。
「朝、鳴いたっけ?」
「今日、卵産んだっけ?」
「あれ? いつから体真っ白なんやろ? 生まれた頃黄色ちゃうかった?」

全部忘れてもええことやん。
多分、この悪口を考えた人はシンプルに鶏が嫌いだったんだろうな。
近所に養鶏場があって、その人は昼夜逆転の生活を送っていて、まさに今寝入ろう、というような時間に毎日「コケコッコー」の大合唱を聞かされていたのだろう。
いつか、どんな手を使ってでも復讐をしてやろう。
そう考えた男は毎日卵を食べることを思いついた。
男は来る日も来る日もゆで卵を食べていたが、半年も経つ頃にはもうすっかり飽きていた。
この卵を茹でる以外の調理をしてみたらどうだろう? そう考えた男は今までは自重していた生のままの卵をかき混ぜてみる、という暴挙に出る。
そして、攪拌した黄色い液体をフライパンの上で焼いてみた。
美味い。
まさか、ゆで卵以外にもこんな調理法があるとは…。
男の好奇心はさらに掻き立てられた。
さては生のままでも美味しいのではないか? さっそく試してみたが、悪くはないが良くもなかった。
かき混ぜずにそのまま焼いてみた。
これまた大発見。
黄身の濃厚な旨味と白身の淡白な口触りに男は舌を巻いた。
「卵は限りない可能性を秘めた食材なのかもしれない」
男は次々と卵の活用法を編み出していった。
生地のつなぎとして、すき焼きのつけだれとして、さらにはケチャップライスを包みこむ料理まで考案した。
男は卵に取り憑かれ、そして卵に生かされることになる。
彼の名はハンプティダンプティ。
🎵 Humpty Dumpty sat on a wall,Humpty Dumpty had a great fall♩………

あれ? これなんの話でしたっけ?
まったく思い出せないのですが、今日はこのへんで。

では。

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