執筆の一助(第2回 小説家って何?)
■執筆の一助
第二回 小説家って何?
●目次
1、はじめに
前置きです。
2、そもそも作家ってなんだ?
小説家を目指そうにも、小説家ってそもそもどんなモノなのだろう?
3、作家への道のスタートラインってどこにあるの?
小説家の道ってどこに存在しているの? 地図に載ってる?
●はじめに
皆様、こんにちは。斎藤 ニコです。
第23回スニーカー大賞を受賞しライトノベル業界に半歩ほど足を踏み入れることとなった新人作家です。
ただし! 新人作家とはいえ下積み……いや、ぐだぐだ蛇行投稿生活が12年と長期にわたる為、胸を張って〈新人作家です! 初々しいです! キャッキャッ〉と言えるかというと、正直なところ見ていて辛い感じです。
( ' v ' ){zzz) ←コイツ
当連載は、私の寸劇に飽きて寝ているこの小憎たらしいマスコットと共に、12年間の軌跡を辿るという構成になっています。
前回をお読みでない方は大変お手数ですが〈第一回 執筆の一助〉からお目通しいただくようお願い致します。
なお、繰り返し申し上げていますが、当連載は全て経験則による私見で記載しております。くれぐれもグローバルスタンダードなどと勘違いされないようにご注意くださいね。
さて。
第二回となる執筆の一助のテーマは【小説家って何?】です。
12年の月日に照らし合わせますと、最初の1ヶ月辺りの思考になります。
ラノベ作家を初めとしたクリエイターに憧れた中学、高校時代。
実際に作家になりたい!、とスタートラインに立とうと決めたのは十代の終わりの頃でした。
皆さんにも、料理をするときなどにご経験がありませんか?
料理をする直前、もしくはしている最中になって初めて問題に気が付くという経験。
たとえば皮むき器がなかったり、そもそも人参に皮ってあったのかよという気づきだったり、調味料が足りなかったり、料理のさしすせそってなんなのだったり、みじん切りの方法を知らなかったり……そもそも料理ってどこからが料理なの? 卵焼きは? 目玉焼きは? 冷ややっこは料理なの? といった疑問にぶつかったことはありませんか。
小説家を目指そうと思ったときも、同じでした。
当たり前のように読んでいた小説を、いざ作ろうとすると、何をしていいのかが分からなかったのです。
これらの疑問を解決しないことには、走り出すことすらできません。
ですので、今回はその時の経過と私個人の解決策とを混在させながら書いていこうと思います。
※本記事は【経験則・私見】であることを念頭においてお読みください
●そもそも作家ってなんだ?
私は2005年の春頃に「ラノベ作家を目指そう!」と思い至りました。
経緯としてはとても複雑で、しかし言葉にしてしまえば呆気ない理由からです。
暗い話で申し訳ないのですが、これは一部の方にとっても他人事ではない進路決定要素ではないでしょうか。
つまるところ私の家庭はお世辞にも正常な家庭ではなく、とにかくお金がありませんでした。
高校卒業後の進路など明白でしたが、以下のように思考しました。
●まずは働いて自立しなければならない。
●大学や専門へ行くにしても貯金を自分で貯めねばならない。
●でも何かしら、人生に目標を持っていたい。
夜が来るたびに考えていた気がします。
自分の人生、どう進んでいこうかーーその時、ふっと昔誰かに聞いた言葉が頭をよぎりました。
紙とペンさえあれば小説家を目指すことができる。
ぼんやりと「作家になりたいかもしれない」なんて思いが芽生えたのはいつからだったでしょうか。
その言葉は、消えることなく脳裏にこびりつき、いよいよ十代の終わりになっても頭を離れなくなり――ならば、と、〈お金がないならば、お金がないなりに目指せる小説家ってやつを人生で目指してみよう! 楽しそうだし!〉という考えに至りました。
しかしそれは具体的なビジョンに基づいた目標ではなく、「なんとなく楽しそうだし!」という安直な考えでした。
( ' v ' ){そんなキッカケで作家を目指していいんですか)
>きっかけって、人それぞれですから、気にしなくていいと思いますよ(棚上げ)
それこそ、もしも今の時代に私が十代として悩んでいたら、YouTubeに動画をアップしてみよう!、とかゲーム実況をやってみるかな!と、考えていたかもしれないぐらい、とにかく楽しいことをしたいな、という気持ちがきっかけでした。
もし今、作家になりたいと思っている方がいるのならば、とにかく悩む必要はないと思います。もちろん色々な弊害は出てくるものですが、進まなければ障害物に当たることすらないのですから。
というわけで、十代の斎藤ニコさんは〈楽しさ〉を求めて、人生初めての執筆に着手する決意を持つこととなったのでした。
どうなることやら、と言えるのは三十代になったからでしょう。
十代の私にとっては、挑戦に不安など存在しなかったのです。
~coffee break~
( ' v ' ){ねえ、斎藤ニコさん。そもそも小説書くのって、楽しいんですか? あんなに書くの、面倒だよ。でも印税はクダサイ)
いい質問ありがとうございます。印税はあげません。
それでは指南書なんかでたまーに見る、コーヒーブレイク的な若干脱線した話をしましょう。
あくまで私見ですが、〈執筆を基準〉とした楽しさには幾つかのパターンがあると考えます(私見ですからね!)
以下に列挙してみます。
①お話を考えるのが面白い人(執筆は作品を形にするための手段)
②執筆そのものが面白い人(手段そのものが好き。完成品は……)
③完成した瞬間の達成感が面白い人(執筆は達成感を得るための手段)
④作家であることが面白い人(執筆は、作家であるための条件)
いかがでしょうか。もちろん複合タイプもいらっしゃると思います。
クリエイターの方、当てはまるパターンはありましたか?
まあ、言葉遊びのような思考ですから、へー、ぐらいで読み飛ばしてください。
なんとなくお伝えしたいことは、〈執筆自体を楽しいと思っている人が100%ではない〉ということです。
作品は著者の数だけあります。
作家を目指す理由も人の数。
何に満足を得るかというのも、やはり作家の数だけあるということです。
そこに〈普遍性を求めても仕方がない〉ので、あなたはあなたの理由で動くことが一番良いのではないでしょうか。
かくいう私も、執筆は嫌いではありませんが、完成形が欲しいが為にがんばるタイプなので、3番タイプになりますね。
( ' v ' ){zzz……ハッ?! そうなんですね!よくわかりました)
絶対に寝てたよね。
●作家への道のスタートラインってどこにあるの?
本題に戻りましょう。
紙とペンさえあれば作家を目指すことができる――それは要するに〈国家資格〉が必要なわけでもなく、〈学歴〉(必要な賞もあるのかもしれません)が必要なわけでもないのです。
自由なのです!
フリーダムinフリーダムなのです! 姫八学園なのです!
( ' v ' ){宣伝はやめなさい)
してません。
※気になる方がいる場合は〈こちら〉をよろしくお願いいたします。
忘れそうになりますが私はコメディ作家です。
さあ、話は迂遠でしたが良かったです。答えにたどり着きました。
つまるところ〈そもそも作家とはなにか〉という疑問の答えは一つです。
紙とペンを使って作品を書けばいいのです。
作品を書けば誰でも作家なのです!
わあ、すごい。天才だ俺、となりました。
そうして「じゃあ小説を書こうっと!」となるわけですが、実際書こうとなると、「あれ? 何からすればいいの?」となるわけです。
筆が止まるどころか、筆が見つかりませんでした。
( ' v ' ){天才はどこへ)
ベッドで頭抱えてます。
整理しましょう。
①私は小説家になろうと決めました。
②ですからまずは小説を書かねば話になりません。
③では、どうすれば小説を書けるのでしょうか
これが、当初の問題です。
もしも作家(小説家)を目指している方がいらっしゃる場合、「作家 どうやって」とか「作家 なり方」とか「作家 学校」などと検索したことはあるのではないでしょうか。
まさしく私もそれを検索しました。
当時は未熟だったものですからなかなか答えに辿りつきません。
(もちろん指南書やハウツーサイトなどはあるのですが、なんだかストンと腑に落ちる感覚が得られなかったのです)
とにかく考えました。
二日ぐらい考えた気がします。
お風呂のなかで鼻歌を歌っていた時、「そうだ。なんとなくだけど5W1Hに照らし合わせて考えてみるか!」となりました。
( ' v ' ){悩み……? 鼻歌……?)
人の夢はひとそれぞれ。悩み方も千差万別でいいのです。
5W1Hについては説明するまでもないと考えますので割愛しますね。
さて、当時の思考を再現しつつ、注釈を入れていきましょう。
①いつ(When)
これは、今、です。今書くのです。
②どこで(Where)
家で書きます。
もちろんカフェやファミレスなどで書いてもいいですし、今ならスマホを使って電車の中でもかけますね。
③どのように(How)
当時はボロいパソコンを持っていました。
幸いテキストソフトも入っていましたので、答えはパソコンとテキストソフトということになりました。
プリンターは友達が捨てようとしたものをもらい受けることに成功しました。(今はデータ投稿もできるので便利ですね)
もちろん手書きでも構いませんが、私は字があまり綺麗ではないので選択肢にはいっていませんでした。
( ' v ' ){ペンと紙があれば、って言ってたのに……)
……パソコンも現代のペンと紙の範疇ということにしておいてください。
④だれが(Who)
いわずもがな、私が書きます。
ちなみにかの有名な推理作家、エラリークイーンは、二人で一つのペンネームを使用し、プロットやトリックを考える人間と、執筆する人間とを分けていたそうです。
初めて聞いたときは「え?! いいの!?」等と思いましたが、何も不思議なことはないですね。
たとえば、映画や舞台、ゲームアニメなどを考えてみましょう。
監督がいて、脚本家がいて、演者がいるわけですが、皆で一つの作品をつくりあげます。漫画だって原作と作画が別のパターンはありますから。
作家は一人ですべてを決めると思いがち(実際にはその側面が強いですが)。でも特に決まりはありません。
( ' v ' ){ほんとですか)
いやすみません、もしかしたらあるのかもしれませんが、今は知りません。
もちろん人のアイデアを勝手に使うのは問題ですよ。
ちなみに、作家を目指す理由のひとつに【すべて自分一人で制作することが可能だから小説家を目指す】という理由を目にすることがありました。
確かに複数人で制作すると誰かに足並みを狂わされることもあるかもしれませんから、その考えも間違いではありません。
⑤なぜ(Why)
これは一つ前の内容のとおり、書くことが好きな人もいますし、頭の中のストーリーの完成形を手に入れたい方もいます。
私は〈完成形が欲しいタイプ〉と記載しましたが、作家を目指しはじめたころはとにかく〈作家になるんだ〉という思いが先行していたので、4番タイプになるのかもしれませんね。
執筆は、あくまで手段である、というわけです。
(もちろんこれは年々変わっていくのですが)
⑥ なにを(What)
さあ、やってきました。本題です。
( ' v ' ){長すぎる)
すみません……。
だらだらと書き続けていましたが、ここでやっと一つの疑問ーーそして答えにたどり着いたのでした。
なにを?――そりゃもちろん、小説を、だ。
いや、何か違和感があるぞ?
何をというのは、小説の〈なにを〉ということだろうか。
……そうだ。
そういえば俺は、なんの小説を書くのだろう……??
作家になるとか言ってるが、なんの小説を書きたいのだろう?
5W1HのWhatがそういう意味なのかは分からないのですが、とにかくそんなわけで一つの結論に至ったのです。
つまり……
【何を書くのかを考えるのが、小説家なのだ!】と。
( ' v ' ){え? 書くのが仕事でしょう?)
書くの〈も!〉仕事ですが、
考えるの〈も!〉仕事なのです。
めでたしめでたし。
なんとなーく作家(小説家)を、目指そうと決めた私の指針は、なんとなーくな方向性を、持つことができたのでした。
さあ、これで万全――といかないのが作家道。
もちろん天才相手にこんなことは言えませんが、凡人であれば簡単には作家を名乗ることすらできないのです……。
さて、長くなりすぎてしまった気もするので、ここで一度区切りを入れましょう。
皆様、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
執筆の一助、第三回でお会いしましょう!
さよなら!
( ' v ' ){バイバイ)
( ' v ' ){なんだか当たり前のことばかり書いてますね)
当たり前のことに疑問を持つのが作家の一つの才能なんです。(キリッ)
( ' v ' ){zzz……ハッ。なるほど!)
……もういいです。
●まとめ
1、作家になりたいなら作品を書く! 資格なんて不要!
2、作家とは〈何を書くのか〉を定めることから始まる。
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