NARIAGARI皇治 人生の成功者インタビュー
自主イベントNARAGARIを目前に控える皇治インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)
――格闘技イベントNARIAGARIを開催する皇治さんの成り上がりぶりについてうかがいにきました!
皇治 ほんまですか? ジャンさんいっつも俺の変なことばっかりツイートしてるでしょ?(笑)。
――皇治さんのリング外のニュースが大好きなんです。朝起きて真っ先にやることは皇治さんの記事探しですし。とくにFRIDAY記者とのやり取りは最高です!
皇治 勘弁してくださいよ(笑)。
――昨日あたりからNARIAGARIボックス(以下Nボックス)が話題になってますね。
皇治 あー、なんだかなってますねぇ。ジャンさん、どうせだったらNボックスに入ってみてくださいよ。
――えっ、ボクもNARIAGARIファイターに!?
皇治 そして、ちゃんと取材していってくださいよ。Nボックスが危ないだのなんだの勘違いしているヤツが多いんですよ。
――このNボックスのモチーフはロシアのイベントの……。
皇治 そうそう、ロシアのテレファンボックス。あれ、おもろいなと思って。でも、あっちのはちょっと広すぎるんすよね。広いからパンチがクリーンヒットする距離になっちゃうんです。だから危ないなと思って、こっちはちっちゃくしたんですけど。ちっちゃすぎて、殴りにくそうやなっていう感想もあるんですけど。打撃系格闘技でいちばん危なくない距離って、くっつくことじゃないですか。
――いわゆるクリンチ状態ですね。
皇治 お互いが至近距離になったら、打撃で倒すことって100パーセント無理なんすよ。クリンチしたらもう無理。殴ることができないからレフェリーが「離れろ、離れろ」って割って入るわけです。俺もNボックスに入ってみたんですけど、倒そうと思ったら絶対無理。実際オーディションでは、リングでの試合はKOが何回かあったんですけど、NボックスではKOが1回もないです。いちばん安全ということですよ。
――ダメージが蓄積するんじゃないか?って指摘もありますけど。
皇治 Nボックスの試合時間は30秒なんですよ。30秒なんでクリーンヒットは、ほぼしないです。青木(真也)も言ってたんすけど、ほぼ当たらんなって。この距離で当てることはもうまず無理です。だからジャンさんにもぜひ入ってほしいんですけど。
――どうしても入らないといけないですか(笑)。結論としては「うるさいぞ平本蓮」と?
皇治 ハハハハハ。彼はNボックスになんか言うてましたね。彼はかわいいですよ。彼は俺の広告塔みたいなもんですよ。
――青木真也と平本蓮を受け入れてるのは皇治さんくらいですよ!
皇治 み~んな俺の味方ですよ。
――大人ですねぇ。皇治さんがK-1を離れてRIZINに参戦した2020年頃は、駒沢のフィットネスジムを間借りして練習されていたじゃないですか。その頃と比べると、立派な事務所やジムも構えて社員も増えて、事業の規模が大きくなってますね。
皇治 あの頃は天心くんや五味(隆典)さんとやったぐらいですね。
――五味ちゃんから「いい金玉、持ってるよ」と言われた頃ですね。
皇治 「このままフィットネスジムで練習しているようじゃ終わるな」って。もう1回真剣に頑張ろうと思って、ここの3階建てのビルを借りたんですよね。1階2階はジム、3階は事務所ですよ。
――場所は桜上水と経堂のちょうど中間地点。ジムとしてのアクセスは決してよくないですよね。
皇治 場所ここしかなかったというか、事務所も構えれる3階建てを探したら、ここがぽっと出てきたんで。最初は自分専用のジムだったんで、場所とか何も考えずに。
――プライベートジムですね。
皇治 そうなんですよ。でも、あまりにももったいないなっていうことで一般開放したんですけど。集客するためにここを選んだっていうわけじゃないんですよね。
――皇治グループの従業員は何人ぐらいいらっしゃるんですか?
皇治 いま社員は6人ぐらいで、バイトを含めたら全部で30人ぐらいいるんじゃないですか。大阪で焼肉屋もやってるんでね。そうだ、4月には運送会社も開いて。
――運送会社!
皇治 「ノコノコ運送」っていう会社なんですけど、俺は、決してウサギではなく、亀のようにノコノコここまでやってきましたからね。そういう意味も込めて。最初は5台から始めるんですけどね。
――もはや実業家ですね。
皇治 それが目標やったんで。
――もう社長と呼ばせていただきます!
皇治 大阪の天満にジムも出すんですよ。それは2月の後半。「世界の田中ビル」って名前なんですよ。
――社長、正気ですか!(笑)。
皇治 ほんまですよ。そこのビルのオーナーと話し合って「ビル名に世界の田中を使っていいですか」と。1階がオシャレなクラブカフェで、そこは自分が経営するんじゃないですけど。そこの3階と4階は自分のジムになるんです。
――そこまで事業が広がると試合への意欲はなくならないですか?
皇治 というか、もともとメイウェザーしか頭にないですよね。
――このあいだ大晦日で芦澤竜誠から対戦要求されていましたけど……。
皇治 あの子はね、昔から俺のあとにくっついてワイワイ騒いでいた子なんで。やるのは面白いかなとは思ってますけど。久しぶりに階級も一緒ですしね。
――そういえば、ここ最近の皇治さんの試合はずっと異種格闘技みたいな感じでしたね。
皇治 そうなんですよ。俺もなんの選手か、もう自分でもわかってないんで(笑)。
――そういう意味で、K-1を飛び出して、ここの物件を借りて、変則試合を重ねたことに博打に勝った感はありますか?
皇治 いや、そんなことないですよ。全然勝った気はしないですよ。
――ホントっすか?
皇治 まだまだ悔しい思いいっぱいしてますよ。
――ビジネス的にはもう成功者じゃないですか?
皇治 いやいや、そんなことないっすよ。俺のライバルは孫正義ですから(笑)。
――ハハハハハハ!じゃあ電話会社をやらないと。
皇治 だからNボックスなんですよ~。
――社長、またうまいこと言いますね(笑)。そのNボックスは批判の声が多いんですけど。
皇治 賛否両論あるのが自分なんですけど。Nボックスに関してだけは、それがいいとは言えないですね。自分のことに関しては賛否両論でいいじゃないですか。でも、NARIAGARIは格闘技界をちょっとでも盛り上げたい気持ちでやってるんで、そこに対して賛否両論がありすぎるのはよくないから、批判に関してはちゃんと聞き入れようと。
――どこがよくないか考えるわけですね。
皇治 ごちゃごちゃ言ってる奴に何がイヤか、何を改善すべきかって聞こうかなと。そういう意見を聞き入れて、改善していって、いいもんを作りたいですよね。ただ、日本という国はやったことないものや挑戦してる奴を叩くクセがあるんで。このテレフォンボックスを実際やってる奴は日本にいないじゃないですか。俺も海外の試合を見て「これは危ないな」と。ちょっとちっちゃめにしすぎたところはあるんですけど、これはいちばん安全やと思うんですよ。
――Nボックスは世界に届けられるものだと。
皇治 究極の安全です。リングなんかで防御の仕方も知らん素人がおもいっきりフルスイングして殴り合ってるほうがよっぽど危ないですよ。あとやっぱり俺たちはプロ格闘家じゃないですか。何年も汗水流してRIZINとかプロのリングに立っているわけで。プロじゃないのに同じリングで戦うというのは、俺はちょっと違うなと。たとえばですよ、こうやってジャンさんに取材していただいてるじゃないですか。ほんで俺の言葉で素晴らしい記事を作ってくれはるじゃないすか。
――煽りますね!(笑)。
皇治 それを知らんド素人が「俺のほうがいい記事を書けるんちゃうか」って言われたら「何を言うとんねん」ってなるじゃないですか。
――なるほど。まあ軽く思われるほうが気が楽なところはありますけど(笑)。
皇治 俺としては努力してる奴が上がるリングを作りたい。かと言ってですよ、ここがまた重要です。格闘技に関してはド素人でも、ほんまに成り上がりたいってめっちゃ思ってる奴もいるわけですよ。たとえばYouTubeの登録数を増やしたいと。オーディションなんかでも、めちゃくちゃ熱くて泣いて喋る奴がいるんですよ。そんな格闘技の素人の力に俺はなりたいんですよ。そうなったときにやっぱり素人だと見せれるもんって根性しかないわけですよ。そんな奴らをリングに上げるほうが酷やなと。ならばその機会を作ろうと思ったときに出てきたのがNボックスなんですよね。ここで見せれるのは殴り合うことだけど、ちゃんと安全面を考えてる。ここで戦うことを覚えて、練習してリングに上がるような道を作れたら、これはこれで面白いかなって。とにかくNボックスはめちゃくちゃ安全ですよ。
――サブミナル的に「安全」を繰り返しますね!(笑)。
皇治 ウチの飯田トレーナーおるじゃないですか。「こんなんで倒せる奴いねえよ」って言いますもんね。
――皇治さんからすると、そこまで格闘スキルが高くない人にとっての救済措置的なところがある。
皇治 と俺は思ってるんすけどね。実際戦ったみんなは「気持ちいい!」って言ってますよ。ここで経験を積んで、格闘技の練習をして、ある程度のレベルに達したらリングに上がってくれたらいいですし。
――皇治さんとしては単なるケンカ自慢なイベントにする気はないわけですね。
皇治 ケンカ自慢はあんまり好きじゃないです。好きじゃないけど、批判する理由がない。たとえばブレイキングダウンも正直な話、出ている人たちは一般人なわけじゃないですか。素人なわけじゃないですか。中にはね、格闘技経験がある人もいるけど、ほとんどが素人ですよ。そんな奴らに一夜にして知名度を抜かれてるようなプロが悪いわけですよ。どこがプロなん?っていう話であって。プロってチケットを売ったり、人を呼んで試合を見せてなんぼなんで。言ったら、朝倉(未来)くんやメディアの方の力ももちろんありますけど、自分の試合を注目させることにおいて、いくら素人だろうがちゃんと仕事してるわけですよ。だから、再生数も取れるわけじゃないですか。そのブレイキングダウンを批判しまくってるプロ格闘家はその仕事をやってないわけやから、一夜にして抜かれるんですよ。だからブレイキングダウンに対して文句を言ってる格闘家がいちばんダサいなと俺は思いますけどね。だって、いまキャバクラ行ってもブレイキングダウンの話ばっかりですよ。
――キャバクラで皇治さんも「ブレイキングダウンに出ないの?」と言われたり。
皇治 それはさすがにないけど(笑)、「ブレイキングダウンって強いんですか?」とか聞かれるわけですよ。ブレイキングダウンからRIZINや格闘技に入ってきた人もいっぱいいると思うんで。格闘技の層を広げる窓口としては全然ありなんじゃないかなって俺は思いますね。
――格闘家の中には試合で結果を出すことにしか頭がない人もいるじゃないですか。ブレイキングダウンを批判するどころか関心すらないというか。
皇治 ああ、それはそれでもちろんいいんじゃないですか。そういうファイターがいるからこそ俺たちが目立つところもあるし、俺たちみたいなエンタメファイターがいるから、そういう実力派が目立つこともあるし。いろんなキャラがおっていいと思うけど、実力派ファイターばっかりやとしたら、もう業界がないです。この格闘技というジャンルはなくなってると思うんですよ。すべてが必要ですよ。だから俺はあんまり否定することしないです。
――皇治さんは他のファイターはあんまり否定しないですね。
皇治 そうです。一番ミジメなのは、戦う可能性のない相手をいじるとか、いじめてる奴。これほど虚しいことないですよ。それじゃあ自分の力で上がってくださいよっていう感じなんですよね。
――階級の違う平本蓮選手は皇治さんに対戦要求していますけど、彼のキャラクターはどう見てるんですか?
・皇治の平本蓮評
・NARIAGARIで儲ける気はない
・K-1は温室、RIZINは弱肉強食
・究極の皇治が榊原信行!?……インタビューはまだまだ続く!!
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