ライブコマースはもっとフリマ感を出せばきっと伸びる
ライブコマース、イマイチ伸び悩んでるなーという印象を持っていて、その理由を言語化したいと思っていた。
ちょうどこの3連休にやっていた「HandMade in Japan Fes」で、結構参考になりそうなヒントをもらえたので、ライブコマースが抱える現状の課題と、今後の発展性をまとめてみる。
ざっくりまとめると
・ライブコマースは「TVショッピングではなくフリマであることを十分理解すること」
・売り手の熱量をしっかり伝えること
・買い物をするための売り場の導線を整えること
の3つが今後のライブコマースの成長に必要だと考えている。
TVショッピングではなくフリマであること
インフルエンサーが、自分の気に入った商品をオススメするような配信は、言ってしまえばTVショッピングと大差ない。
ライブコマースは「フリマをWeb化したもの」だという認識が絶対必要だと思う。
フリマと言っても、不用品を持ち寄ったバザーのようなアレとは違う。
「ご近所物語」で実和子たちがやっていたような、「自分の作品や商品を気に入った人に買ってもらう」ためのフリマだ。
TVショッピング方式だと、結局はインフルエンサーの知名度に頼るしかない。
母数は増えず、せっかくのインターネットを活かしきれない。
ジャパネットたかたからは、ライブコマースのヒントは得られないのだ。
売り手の熱量が何よりも大事
実際のところ、欲しいものが明確であればわざわざライブコマースで買う必要はない。
Amazomなりメルカリなりで検索して見つかったものを買えばいい。
それを敢えてライブコマースで買うのは、何か決めかねる要素があるからだ。
ステキな帽子を探してるけどピンと来ない。人はそういう時にいろんな店を回る。
残念ながら通常のECサイトはそういう商品探しとの相性はあまり良くない。
検索で帽子を探すことはできる。
でもそもそも「決められない人」は色や価格の情報だけで決められないから決めかねているのだ。
本当は実際被った上で、誰かの感想を聞きたいのだ。
ここをサポートするのがライブコマースである。
実際に被ることはできないが、「作り手の熱量」を感じることは、迷った気持ちを後押しする力がある。
配信者が試しに着用したり使っている姿を見ることで、最低限の使用感もイメージできる。
そうでなければわざわざ配信を見てまでして買う意味がない。
つまりはそう言った「購入するのにできれば一押しが欲しいもの」が向いているジャンルであり、単純なオススメではなくその人の温度が伝わるものがいい。
不用品の販売や、広告塔的な配信ではここがちょっと満たせないのでは、と思う。
そういう意味でハンドメイド系はライブコマースにとても向いていると言える。
何より作る過程そのものをコンテンツ化できる点でも強い。
売り場の導線の重要性
あくまで「ライブコマース」からではなく、「フリマ」からどんな機能があればいいか考えてみる。
まずは「買い物をするための人たちが集まる」ということが必須だ。
ここに来ればモノが探せる場所でなければならない。
つまりは「ライブコマースの入り口」が必要である。
続いて、「似たような商品を探せること」である。
きっちり検索できなくてもいい。ただ同じジャンルのものは巡回させて欲しい。
なぜならば迷ってるからライブコマースで買いたいはずなのだ。
ここに無いなら次の店を見たい。それはすごく自然な話だと思う。
そして3つ目。
他の人で賑わってるかどうかが分かること。
実はこれがものすごい重要なことだと思っている。
知り合いでもなんでもない人の店で立ち止まるのは、実は消費カロリーがものすごく高い。
できれば他の人に接客してくれている時に、そっと商品を見たい。
そして自分の探しているものに近いものが見つかったら、そこで初めてコミュニケーションを取りたい。
なので賑わってるのか、閑散としてるのか分からないところには、そもそも入りにくいのだ。
おまけで「お店のロゴ」があると覚えやすいな、と思った。
単に名前がついてるより、ロゴの方が図形で目に入るため覚えやすい。
リアルな体験をインターネットに置き換えるということ
考えれば考えるほど、ライブコマースはフリマから学ぶべきところがいっぱいあると思う。
通常のECとライブコマースと、単に売り方の違いというわけではなく、バックボーンとする文化が違うことを理解した上で、どんな機能が必要で、どんな体験をさせたいのか、それを形にしていくことが重要だと思う。
見失いがちだが、インターネットというものは、リアルの延長や拡張の先に発展がある。
フリマになぜ人が集うのか、なぜ売れる店と売れない店ができるのか、そこの学びはそのままインターネット上でも活かされるはず。
そしてそれはプラットフォームの価値や文化を形成する上でも非常に重要になるはずだ。
おまけ。クレカ決済は競合優位性になる
余談だが、Squareを導入してクレカ決済ができるようにしているブースもあった。
当然会場内にはATMも用意されているが、広い会場の中で1箇所だけ。
あれこれ買って予算が尽きたあとでもクレカで買える、というのはどう見てもプラスでしかなく、同じようなものを扱っているお店と並んだ時に、明らかに優位な立場にいたと思う。
クレカ決済導入は手数料の面でデメリットが多い、という説もあるが、ああいう現状を見るにクレカが使えないことによる機会損失の方がデカそうだな、と感じた。
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