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「猫のチャックと少女と不思議の国」

うちには二匹猫がおります。スコティッシュフォールド(♀)と白の雑種(♂)です。シャム猫はおりません。そこは他記事で説明しております。

猫たちだけを残して出かける時、いつも玄関で切なそうな視線を投げかける猫に後ろ髪をひかれながら「ごめん」と詫びながら家を出ます。猫の表情を切なそうと思うのもこちらの誤解釈でなんとも思ってない可能性も十二分にあるのですが、猫ら二匹とも10歳をとうに越え老年期とも言える年頃になり妙に甘えん坊になってきており、余計にそう思うのです。
うちは(それはそれはささやかな)マンション住まいでありますので、外で遊べない猫らに不憫な思いをさせているのでは思ったりもします。がやはり私の住んでる街では車の往来も多く外に連れ出すこともできません。もし外に連れ出そうものならスコティッシュは好奇心旺盛が過ぎるし、白の雑種は臆病者が過ぎるとこがあるので、いつ飛び出すか心配でなりません。
マンションのまぁまぁ高い階に住んでいるですが、よく夢の中で猫がベランダから飛び出てしまい、あーもう助からないと嘆いたところで目が覚めるということよくあります。

冒頭が長くなりました。前回個展の「Chack and the Girl」の続編そしての展示を計画した時、猫と共に外に出かけていく少女を描きたいと思いました。が、前述のとおり自分の中でどうしても猫を外に連れ出すことがリアリティがなく、描くとしたらずっと猫を抱きしめてるイメージしか思いつかないのです。であるなら猫と共に空想の世界へ出かけるのはどうだろうと思い至ったわけです。まさに異世界転生。

この絵本は挿絵がアーサー・ラッカム版のアリス。

“家猫のチャックは学校へ出かけていく少女をいつも玄関で見送るばかり。扉の向こうはどんな世界なのだろう。いつも少女が読んでくれる「不思議の国にのアリス」のお話を聞いて、扉の向こうに想いをはせながら見る夢とは……。”

チャック視点の作品です。

期日が迫る中、個展のメインビジュアルをどうしようか迷ってました。”不思議の国”感のある作品って考えてましたが、4月の中旬ごろですね。世界情勢もどんどんおかしなことになっていたときです。メインビジュアルは「涙があふれる」というタイトルの作品にしました。原作でアリスは小瓶の飲み物を飲んで体が大きくなってしまい、困って洪水になる程泣いてしましました。「Chack and the Girl」の少女はなぜ泣いたのでしょうか。大きくなってしまった体のせいか。不思議の国を見て感動して泣いたのか。この現実世界を思ってか。鑑賞してくれる人によっていかようにも見えるかもしれません。私自身その時の心持ちで変わって見えてきます。絵ってそういう一面もあると思います。

この作品をメインにしようかなと迷ったり。
前回同様DMとタイトルロゴのデザインは高熊俊介さん。

今回のシリーズ作品は自分の中の今までNGにしてきたことをふんだんに盛り込みました。そこはあえて説明はしませんが、作者は自由に楽しんで描いたのは間違いないのでお気軽に楽しんでください。

「どうぞ、心にいつもモフモフのおっきな猫を!」

サイトウユウスケ個展
『Chack and the Girl in Wonderland』
2022年5/31(火)〜6/12(日)
11:00〜19:00/最終日のみ〜17:00
*6/6(月)休廊

会場:
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〒150-0001
東京都渋谷区神宮前2-3-24


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