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『レーテーの大河』タイトルのお話

大河っぽい手持ちの写真がないので、画像は近所の多摩川です。大河とは。

さて、僕はいつも作品のタイトルを仮題のまま書き進めて、脱稿後に担当氏とやりとりして直すことが多いです。前作『クメールの瞳』の場合、仮題からは大きく変わって最終的に原型をとどめていません。
ただ今作では物語のテーマ上「レーテー」という単語を使いたかったので、担当氏との相談後も無事に正式タイトルに残ってほっとしました。
レーテーとはなんぞや、というのは若干ネタバレにもなってしまうのでここであえて書くことはしませんが(まあググればわかることですけど)、星野之宣さんの漫画『2001夜物語』に出てきてすごく印象に残った単語で、いつか使いたいなあ、と思っていたものです。
(『2001夜物語』第6夜のラストに、「銀河は壮大なレテの河であった……」というナレーションが入ります。レテと表記されていますが、レーテーも同じ意味です)

タイトルといえば、デビュー作『到達不能極』とそのスピンオフ短編『間氷期』の後は、ずっと『●●の●●』というパターンが続いているんですよね。ちなみに祥伝社さんでの次回作は、まだ正式決定ではありませんが『一千億のif』。
果たしてその次はパターンを崩してくるかどうか? ちょっと先になると思いますがお待ちください。
それにしても『クメールの瞳』の時、『到達不能極』に続けて漢字五文字でしかも同じ字を使っていくのもいいな、たとえば「不」とか……なんて考えたこともあったのだけど、今思えば変な縛りをかけないでよかったわあ。
そのうち枯渇して『言行不一致』とか『情緒不安定』とか訳の分からんタイトルの連続になっていたかもしれません。


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