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『環境省武装機動隊EDRA』マニアックなネタのお話

長編5作目『環境省武装機動隊EDRA』は、当社比でいちばんマニアックなネタ(特にミリタリー。ちょっぴり鉄道)を投入した作品になりました。
過去作をお読みいただいた方は薄々勘づいておられるかもしれませんが、僕はまあそれなりにマニアです。オタクといってもよい。
それにしてもオタクがこれほどまでに市民権を得る世の中が来るとは、30年くらい前は想像できませんでした。
思い起こせば高校生の頃、1991年1月17日。
席替えで、当時気になっていたコの前の席になりウハウハな日々を過ごしていた僕の野望を打ち砕いたのは、F-117ステルス戦闘機の放ったレーザー誘導爆弾……ではなくて、隣のクラスのミリオタS君でした。
彼はこともあろうに授業中、多国籍軍がイラクへの空爆を開始したというニュースをラジオで聴いていたのです。そして、わざわざ休み時間に僕のところに来て「おい始まったぞ!」と。
同好の士とはいえ、お前ちょっとは空気読めよ……。
それからどうなったかは本稿の主旨と異なるので省略しますが、とにかくその頃はミリタリーも鉄道もどちらかといえば日陰者の趣味だったように思います。少なくとも僕の観測範囲では。

それからおよそ30年。世の中はだいぶ変わったような気がします(そこには良い面も、良くない面もあるとは思いますが)。
自分自身もいろいろあって小説を書く立場となりました。その小説を書くにあたり、オタク的知識が一つの武器になっているのだから、不思議なものです。
なお僕の好きな小説、影響を受けた小説は他でもお話ししており、ミステリーやSFについては作者や書名も挙げていますが、ミリタリー系の小説にはあまり触れていなかったかと思います。
この場で言及しますと、トム・クランシーの『レッド・オクトーバーを追え』、『レッド・ストーム作戦発動』、佐藤大輔さんの『征途』、『レッドサン ブラッククロス』シリーズなどは何度も読みなおしたものです。なんかレッドが多いな。

『環境省武装機動隊EDRA』では、狙ったわけではないものの陸・海・空それぞれの兵器が登場することになりました。どれも、あまりスポットライトが当たらない兵器をチョイスするあたりがオタクの真骨頂といえます。
(まあ、空に関しては今をときめくF-35を登場させていますけど。ちなみに作中で描写しているF-35のコールサインは、また違う種類のオタク心を刺激するのではと……)

あ、ミリタリーばかりで鉄道について言及してませんでした。
こちらはお話の展開上それほど多くは登場させられなかったのですが、2038年、海面上昇後の中央線快速は、東京から大月が標準的な区間になっている設定です(今でも大月行きは一部にあるけど、それが標準になっている)。
都心が八王子に移ったことで、運転区間もより西にシフトしたというわけですね。2038年でもE233系を使っているのは、まあそんな大変な時代、新型車両を開発する余裕もないのではと。
それにしてもこの世界、路線図はどうなっちゃってるんでしょうね。妄想が捗ります。

マニアックな話をしているときりがないので、この辺で。
ちなみにトップの画像は、海上自衛隊の輸送艦「くにさき」の一般公開を観に行った時、艦内に展示されていた陸自の汎用軽機動車です。『環境省武装機動隊EDRA』にも登場します。
なお汎用軽機動車とは川崎重工のミュールという小型四輪バギーを元に、陸自がV-22オスプレイにも搭載可能な車両として採用したもので、陸自初の水陸両用作戦部隊である水陸機動団に配備されており……(話が長いのでここで床に穴が開いて落ちる)


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