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『閃光のハサウェイ』感想とお気持ち表明

こんちわ。斎藤です。

先週公開の閃ハサを見てきました。

本記事はその感想と、「なにこれ?有識者おしえてください」って点について述べていきます。これが目的です。



ちなみに、本作品の事前に得ていた知識はEXVSシリーズと、Twitterで見聞きしたほんの少しの情報で得られたものくらいで、あまり持ち合わせていないまま観に行きました。ガンダム作品自体はちょいちょい観てます。

そのため、お気持ち表明の内容は劇中で登場した情報のみに焦点を当てるものとします。ただの映画評論()みたいなものです。




視聴直後の感想

これでエンディングか、面白かったなあ。

戦闘の描写かっこよかったなあ。

ってカンジでした。しかし多くの疑問を抱えていたため、その時に点数をつけるとしたら、6~70点でしょうか。


友人と観に行ったので、劇場を出てすぐに感想を。


友人「なんか、微妙じゃなかった?」


おお、意見が合ってよかった。もし「最高だったねえ!」なんて言われたらどうしようと考えていたので。

以下、友人と深堀りして、疑問に思ったこと、微妙だったことについて述べていきます。




お気持ち表明

まずはキャラクターの疑問点とか。


キャラクター1


行動に一貫性がなさすぎる。


・本名でハウンゼンに搭乗していたのは、これから死ぬ人間のツラを拝んでおきたかったから。って、あまりに軽率だけど理解はできる。


・マフティーに深い関係があるなら、なぜハウンゼンでテロリストと自分から交戦したのか。「カッとなったから」って、それは理由にしては幼稚じゃ… ハサウェイが精神的に成長する物語ならまだ、納得できなくもない。マフティーとして存在を許せないって理由があるとしたら、もう少し強調されるべきかなと。


・何歳なんだろう。「若い頃は軍にいた」と言われたり、マフティーを率いて(?)おり内部からの信頼も厚い。ってことは若くはないのか。でも自分のことを青年と言っていたなあ。これは些細な疑問。


・ギギのことをどう思っているのか終始わからない。恋心はなさそうな素振りを見せるが、クェスと彼女を重ねたりしている。 ダバオをお散歩中にマフティーの仲間と接触し、「彼女はスパイにできるかも。でも危険な人物だ」とかなんとか言っていたので、表舞台での親交は深めておきたかった、とか? そしてダバオ襲撃時には彼女を放っておけない。やっぱギギのことが気になるのか? おかげでガウマンが捕まりました。


・ダバオ市街にて、タクシー運転手の「島民が暮らせるだけの資源はある」「明後日のことなんか考えてねえ」といった、今まで自身が触れてこなかった人種からの発言に苦悩するシーンは大好き。マフティーの存在意義とか見つめ直してんのかなあ。


・マフティーに属した経緯とは。地球連邦政府への憎しみからなのか、実は父親が嫌いで反発したのか。自分が設立したのか、ワケあって入隊したのか。 また、指揮官のような立ち位置にいるが、親の七光りなのか、カリスマ性なのか、MSの操縦技術を信頼されてのことか。 まあ、知らなくても本作品を楽しむことはできたが、大きな疑問として残った。続編に期待。



キャラクター2


特になし。何を目的に行動しているか何の想像もつかないことくらいか。


・ハウンゼンで「やっちゃいなよそんな偽物」と言う描写が、なんだかニュータイプ(以下:NT)っぽかったり、相手の嘘を見抜く才能に長けていたり、はたして彼女はNTなのか。ここワクワクポイント。


・関係を持っている伯爵とは何者なのか。軍基地でケネスの調書にサインする折、「アパートは空室だったが?」という質問に対し、伯爵が買ってくれたと答えているが、それは本当のことなのか。実は伯爵とは関係なく、その人物の名を出せば相手が引き下がると踏んでの回答なのか。気になるなあ。


・機内で数人を射殺し脅してくる相手がいるにも関わらず、呑気にウサギの動画を見てケラケラ笑うほどの度胸を持つ。しかしダバオのホテルが空襲に遭うと、一般人並みに委縮し、逃げ出すこともままならない。 そして公園でケネスに回収されると、何事もなかったかのようにハサウェイとイチャイチャ。NTなのかと期待させることもあれば、年齢相応に暴力への恐怖心を見せることもあり、掴めない。


・↑と少し被るけど、ハサウェイに「言葉は人を殺す(うろ覚え)」と言われ、なぜあんなに動揺したのか。精神的に不安定なのは強化人間っぽいかも? でも以降は言葉ひとつで慌てふためくことはなかったね。


・なぜハサウェイがテロ組織と深い関係にあると知っていながらも、傍にいたのか。目的が気になる。



・あまりに謎めいていて評価に困る。続編に期待。



・私服すき。



キャラクター3


こいつは女のケツを追いかけることしか頭にないのか。


・友人も言っていたが、アタマがチンコすぎる。ギギを口説くのはいいけど、最後までナンパ師を貫いていたのは正直かなり嫌い。見た目が好みなだけにガッカリ度が高くなってしまった。


・なぜこんな人間が司令なのか。捕虜にしたガウマンをペーネロペーに乗せ盾にする策は好きっちゃ好きだけど、そんな冷徹さを垣間見せたことあった? ずっとギギや客室乗務員口説いてただけだし… 豹変しすぎだろ。若くして(?)指令にまで登りつめたことを踏まえれば、このしたたかさも少し納得できるか。


・自身で捕虜を拷問したり、マフティーとの交戦時に部下(?)が市街地に向けて撃ちまくっているが、何らかの処分はないのだろうか。次回作で降格や左遷といった処分が下ったらうれしいなあ。


・ハサウェイがマフティーと深い関係にあると知ったとき、激昂するなど、これといって感情を露わにしなかったが、淡々と仕事として処理しようと思ったのだろうか。落ち着いているキャラには見えないが… ←ということもあり、性格がわからない。(コケにしやがって野郎ぶっ殺してやる!みたいな発言なかったよね?)


・もしかしてケネスはまだ本気を出していないだけなのだろうか。本作では終始飄々とした様子であるが、続編からめっちゃ本気出し始めてマフティーの連中を追い詰めるのかもしれない。そう考えると、今のチャラ男っぽいケネスが好きになれそう。でもチャラ男のまま終わったらマジで嫌いになりそう。




とまあ、ここまでがキャラクターの疑問や感想。

総じて、主要キャラクターらの考えていることや矜持が理解できず、知ることもできないため共感もできず、あまり好きになれなかったかもしれない。映画としてはちょっと微妙かなと思ってしまった理由のひとつ。




ストーリーの展開についても話したい。



常々思っていたのだが、これから先に何が行われるかが分かりづらい。

作戦行動の目標や手段を把握できないまま進むことが多々あった。(これは私の理解力不足かもしれないが)



例えば、ダバオ市街襲撃や、捕虜となったガウマンの救出作戦。

どちらも作戦内容を確認する描写がなく、登場人物らがそれぞれ口頭で言い放つだけで、何のために何をするのか、なんとなくでしか分からない。


書きやすいので後者で説明する。


ガウマンが捕虜になったのち、モブが「助けに行きましょう!」「空中補給がー」みたいなことを言う。

赤髪の姉ちゃんが不安そうにする。こいつは殉死するのかなあと思った。

宇宙に行く。(どっからそのお金出たんだろうって疑問に思った。意外と資金力あるし、連邦を打倒しようとするお金持ちが背景にいるのかなあ)

ポッドみたいなのを掴もうとする。それわざわざMSでやらなきゃだめ? もっと便利な機械ありそうだが…(ただの野次)

あ、これMSを取りに行ってたんだ。へー。

このまま基地に凸るの? 正面から?



というかんじで、見たものを見たままに認識していくだけで、「基地には敵がいるけどどうやって仲間を救出するんだろう」と想像を掻き立てられるような、ワクワクする感情は一切湧かなかった。

ダバオでの戦闘もペーネロペーとの戦闘も、映像は綺麗だしそこは大好きだが、行動の目標と手段が理解しづらく、こういう描かれ方は苦手だ…



ここで触れたいのは、何が起こるかを予想できるか、ではない。


これは個人の趣味かもしれないが、何が行われるかを把握し、それに際して立ちはだかる問題や脅威に、登場人物がどう立ち向かうのか。それを予想し、その予想を超えられることが大好きなのだ。それこそがストーリーを面白いと思える所以かなと。


じゃあどんな作戦会議ならいいんだよ、という話だが、ユニコーンやナラティブで例えるなら、


「ラプラスの箱ってのがスゴイらしいから、手に入れたい。そのためには座標に行く必要があるみたい。バナージくんよろしく」

「不死鳥を捕えたい。全身がサイコフレームらしい。この宙域にいる。サイコジャマーを使って鹵獲できるかも」


みたいな。


『エヴァンゲリオン』の時に話題になったが、何もかもを説明する必要はない。しかし、作戦概要を教えてくれる尺が少しあるとうれしい… 本作においては、マフティーのみなさんはモブがちょこっと喋ってすぐ実行だったのが…



さいごに



疑問はまだまだありますが、もう3000字を超えちゃったので、以下、雑に書いて終わりにします。


・マフティーは地球から人類を追い出して何がしたいのか。追い出したら連邦の腐敗はなくなるのか。


・地球連邦政府は、具体的にはどのようにスペースノイドを搾取しているのか。政権の掌握なのか、江戸時代の侍と百姓のような関係なのか。マフティーが正したい腐敗とはなんなのか。これについて、映画では語られなかった気がする。マンハンターには文句を言っても、連邦に不満を持つ一般人はいなかった(?)ような。つまり、連邦の何を嫌悪するべきかがイマイチ分からず、マフティーの活動も不明瞭。共感しづらくて残念。


・クスィーを取りに行った時の仲間はどうなったのか。燃えて死んだ?


・ハサウェイはクスィー単騎(?)で救出しようとしていたようだが、それは現実的な作戦だったのか。度合で言えば頭オルガなんじゃないかと訝しんでしまった。煽り耐性ゼロのレーンくんが捕虜を渡さなかったらどうなっていたことやら…



あと、『閃光のハサウェイ』が3部作ってことを、映画が終わってしばらくしてから知りました。友人と語り合った時は40点くらいだったものの、それを知り、評価は65点くらいになりました。

てっきり「俺たちの戦いはこれからも続く!」って終わるのかと。それはそれでよかったけど。(のちの時代を知っているからこそ、ガンダムを手にしてハサウェイくんがいかに頑張ろうとも無駄だったんだなってオチにもなるので。そういうの好き。)



それから、あくまで友人と深掘りしたからここまで疑問点を洗い出せたのであって、視聴中はここまで考えていないです。見終わった時も「ペーネロペーかっこよかったし観てよかった~。微妙なとこ多いけど。」ってかんじでしたし。



以上、いろいろ疑問はありますので、誰かが答えてくれるといいなあ。続編に備えたいので。

宇宙世紀自信ニキ、よろしく。



追記



この記事を書いた目的のひとつを思い出しました。

公開初日に観に行ったのですが、Twitterや個人ブログで感想を検索したところ、みんな高評価なんですよね。

僕と友人以外みんな「最高だった」って。

探せど探せどいないんで、もしかしたら、「微妙だったけど、TLの閃ハサを楽しみにしているフォロワーのために何も言わないでおこう」とお気持ち表明を自粛している人もいるのかな、と思った次第です。



人気のある作品なので、バイアスがあった可能性もあるのかなと。

そもそも、初日に観に行くようなファンなんだからそりゃそうなのかもしれません。



なので、本記事で微妙に感じた点を言語化することで、「実は俺も…」って人が現れればいいな、と少し期待していたりします。



さらに追記



画像4


なにこれ?

本当に失望しました。



映画自体はまあまあ、いくつか思うところはあっても、映像は綺麗だしペーネロペーはめっちゃかっこいいし、有給使って代金払って観に行った価値はあったかな。って思ってたのに…



私は、ギギが凌辱されながら死のうが、生きたまま四肢を切断されようが、MSに擦り潰されようが、その描写が物語の面白さに寄与するなら描くことに問題はないと思います。

しかし、「エチエチシーンがあります!」と謳い文句にするのは、ガンダムってそういう作品なの?と、それが目的たり得てしまうのではないでしょうか。

実際にそうなることはないかもしれませんが、そういった描写が見たくて『閃光のハサウェイ』を見ていると思われたくないです。

また、性的な描写がある!と盛り上がる連中と同じ作品のファンであるとも思われたくないです。

このツイートは、そういったファンへの侮辱なのではないかと思います。

ファンの多くがそれ目当てに『閃光のハサウェイ』を視聴するとは到底思えませんが、どういった意図でこのようなツイートを…?



少し口が悪くなります。



きしょくわりいオタクどもが当該ツイートに「神!」だなんだと騒いでっけど、本当にやめてくれ。

性的なコンテンツなんか世に蔓延っているだろうに。

深夜に放送されてるアニメ見てみろよ、スマホアプリのセールスランキング見てみろよ。

一昔前の売春婦みたいな格好したキャラクターが星の数ほどいるだろ。

頼むからそっちではしゃいでてくれねーかな。



それから、あのツイートに対する好意的なリプライの多くは、 ”原作にある昨今憚られがちな描写が省かれなかったことを称賛している“ ようには到底見えないんだよね。

性的な描写の予告に盛り上がってるだけに見えちゃうんすわ。

ていうか、オタクどもはまだしも、公式でこの沙汰はないでしょ。

好きなコンテンツに「炎上しないかな」と願う日が来ようとは思わなかったよ。

是正されてくれ。

それほどまでに残念。


以上。