見出し画像

Bromptonをe-bike化した話

最近キャンプに行く時はもっぱらクルマですが、その前は自転車を使ってあっちこっちに行っていました。Bromptonは7、8年前くらいに購入したのですが、とても小さく折り畳めるので電車で輪行したり、北海道まで飛行機で輪行して1週間ぐらい各所を巡ったりしていたものです。

最近は近所の移動のための足として使っているのですが、近隣の釣りスポットに行くときはいくつか橋を渡らなければならず、小径車だとなかなか大変です。公式で電動Bromptonは販売されていますが、日本では売っていませんし、すでにあるBromptonを電動化できるわけではありません。折り畳み性能を損なうことなく、後付けで電動化を行うキットがないかと昨年ごろから色々と調べていました。

Swytch

画像2

最初に見つけたのがSwytchで、海外のKickstarterで販売していた後付けの自転車電動化キットです。通常の自転車用キットの他にBrompton専用の電動化キットを販売しており、バッテリーパックも小さく装着も簡単そうです。
日本でも購入して取り付けた方がおり、レビューがありますね。速度設定ができないため公に公道走行ができないのがデメリットでしょうか。

最初はこちらの購入を考えていたのですが、サポートが微妙といういくつかの投稿を見たのと、情報を調べていくうちに見つけたもう1つの電動化キットの方が良さそうだと感じて購入は見送りました。

Vekkit

画像1

VekkitもSwytchと同じく、後付けの自転車電動化キットです。基本的にはSwytchと同じような構成なのですが、大きな違いがSwytchが中国の工場で製造しているのに対して、Vekikitはポーランドで3Dプリンタ等を利用して全てハンドメイドで製造している点です。また、Swychのペダルセンサーはマグネットを利用した有線方式なのに対し、Vekkitはジャイロセンサーを利用した無線方式であったり、専用のスマートフォンアプリやハンドルコントローラが付属していたりと機能的にも充実しています。

バッテリーバッグのデザインがVekkitの方が好みで、3Dプリンタのお手製感が個人的に気に入ったため、値段的にはそんなに大きな違いもないですし、人柱のつもりでVekkitを購入してみることにしました。

購入

11月中旬に公式サイトで注文。当初は7Ahのバッテリーを注文したのですが、日本には航空便で大きい容量のバッテリーは配送できないとのことで、5.2Ahのバッテリーを注文。これでも30km程度は走行できるとのこと。

翌日くらいにはメールで連絡があり、注文を受け付けたことと注文状況を確認できる自分専用のページのURLが送られます。注文のステータスに3Dプリントやパーツの組み立てなどがあるところに手作り感が溢れています。

スクリーンショット 2021-04-07 13.46.59

当初は1ヶ月程度で製造・発送という話だったのですが、少しずつステータスは進むもののなかなか全工程が完了とならず、結局3ヶ月程度経ってようやく製造が完了して発送となりました。

発送状態になってからもなかなかトラッキングナンバーが発行されず、2週間ほど経ってようやくUPSのトラッキングナンバーが発行されて追跡できるように。そこから1週間くらいポーランドでうろうろしたのちに、5日程度でドイツ→ 深セン→日本に到着し、無事配達となりました。

取付

送られてきた箱にはタイヤ・モーターホイール、バッテリーバッグ、ペダルセンサー、ハンドルコントローラと工具、それとリクセンカウルのハンドルバーマウント、Bromptonのキャリアブロック部分に取り付けられる専用のマウンタ(3Dプリンタ製)が入っていました。工具も入っているのでこのキットだけで取付ができます。(自分は持っているので使ってませんが)

取付は非常に簡単でフロントタイヤを取り外してモーター付きのタイヤに交換して、バッテリーバッグをフロントに取り付け、ケーブルを接続するだけです。

画像3

あとはペダルとハンドルにセンサーとコントローラを取り付けたら完了。10分程度で完了しました。(このあたりのパーツの3Dプリンタで作った感がよいですね)

画像5

画像4

試乗

画像7

コントローラのボタンを長押しすると電源がオンになり、アシストが有効になります(バッテリーバッグやアプリからも電源オン可能)。ペダルの回転を検知してモーターを回す仕組みのため、最初の漕ぎ出しはあまりアシストが効きません。この辺りは市販されている電動アシスト自転車の方が優秀そうです。ただ軽いギアにしておけばそこまで大変ではないです。

コントローラで3段階にアシストレベルを調整でき、最小レベルだと漕ぐのが軽いなーという自然なアシストの効き具合です。中間のレベルや最大レベルだと少しペダルを回すだけで思いっきり速度が上がるのでアシストの枠を超えているかなーという感じ。個人的には近所を移動する時はのんびりスピードでよいので最小レベルだけで十分ですね。

ワイヤレスのペダルセンサーは誤動作が起きないかなと思いましたが、全く問題なくラグもほとんどありません。反対にペダルを回しても誤動作でアシストが効いたりもしないのでよくできています。コントローラやペダルセンサーの充電残量はアプリから確認でき、充電が必要であればバッテリーバッグにUSB端子があるため、そこからMicroUSBで充電することができます。

画像8

バッテリーケースは鍵でロックできるようになっていて、鍵で取り外して充電できるようになっています(バッテリーバッグごと取り外してもいいですがケーブルの付け外しが少し面倒)。バッテリーケースも思いっきり3Dプリンタで作成されています。剛性はまぁ問題なさそう。

画像9

アプリもよくできていて、現在のバッテリー残量の確認やアシストレベルの調整、最大速度制限の設定(24km/hに設定することも可能)やこれまでの乗車ログなどを確認することができます。ファームウェアのバージョンアップもできそうなので今後の改善にも期待できそうです。

画像10

画像11

さらにApple Watchアプリもあり、こちらからもバッテリー残量やアシストレベルの設定を行うこともできます。

Bromptonの最大の特徴である折り畳みですが、折り畳み機構にも干渉なく取り付けることができました。モーターとバッテリー分少し重くなってしまいますが、そこはBromptonお得意のコロコロを使えばそこまで苦ではないかなと思います。

画像12

まとめ

まだ取り付けたばかりでどのくらい走行できるのか等のテストができていませんが総じて満足です。ポーランドの小さいメーカーが全て自家製で作ったとは思えない素晴らしい完成度の高いキットだと思います。

全て自分たちの手で作っているため、注文から手元に届くまで少し時間がかかるかもしれませんが、待った甲斐があると思わせるキットで非常におすすめです。

それでは電動化Bromptonで釣りに行ってきます。🎣