10と9な1213

…ってことがあってさ
やっぱり色んな人がいるから面白いな

どうもそう思ってない連中もいるようだぜ?
お前はそんな連中のことも色んな人の括りに雑に放りこんで矛盾を回避したつもりになるんだろうな!

そんなことはない
オレは本気で多様性こそが素晴らしいものであると信じているんだ

それは、何故?

何故って……………
………
……何故だ?

うーん、俺が思うにな…
自分が「変」だからじゃないかい?

…なんだと?

ハハ、自分が「変」だから、自分も多様性の一部として受け入れてもらいたいのさ!

ふさげるな!
……っといいたいところだが……
そうだな……
そうかもしれない…

ジョン、お前はいつだって自分のことをよく言い表してきただろう

ああデイブ、オレの唯一絶対に自信が持てる部分はそれなんだ…オレにはそれしかないんだ…

ならこんなこと俺が言うまでもなくわかってた筈だぜ?
なぜたい、どうしてさっきは…

わからないんだ。頭が変になりそうだ。最近幻覚をよくみる。

…大丈夫か?

いや、大丈夫じゃない。オレがオレじゃないみたいだ。そこではオレとお前は溶け合っていて一つなんだ。

ジョンすまない、俺はゲイじゃないんだ。

違う!そういう意味じゃない…

なんだよ。ぜんぜんわからねえよ。
わかるように言ってくれ。

ああ、そうだな…

幻覚の中では、オレもお前も結局ただの別人格に過ぎなくて、実は同一人物なのさ。

おまえそりゃあれだぜ、前に一緒に見た映画の影響だ。タイトルは忘れちまったが…

そうだ…観たな、たしかに…そういえば。
もう随分と昔になるが……たしかタイトルは…

思い出した!

Identity!

…ヒヒ、懐かしいじゃねえか
お前がコーラをぶっ倒してよ、俺のバッグを砂糖漬けにしてくれたんだぜ?

よせよ、まだ根にもってるのか?

なに、気が晴れるならなんだってする

デイブ…おまえは本当にいいやつだ

よせよ気持ち悪い
やっぱりゲイか?

おまえこそそこまでだ
今時同性愛弄りなんて誰かに刺されるぞ?

上等だぜ
自分の属性への理解を他人に強要するやつなんかロクなもんじゃない!

…ああ、そういえばおまえは日系の血が入ってたか…

は?今それ関係あるか?
差別は関心しないぜ?

フッ
いや…なんでもないんだ……
……っ

ジョン?

……ああ……

おい、どうした?
またブルーになっちまったのかい?

…思い出したんだ

一体なにを?

幻覚の中でオレたちは…
…日本語を話していた…

なんだいそいつは
第一お前も俺も日本語なんてからっきしじゃねえか

いやそうなんだ…
だけど今もハッキリと思い出せる…
なんなら喋れる気さえする…

よせよ
今日のお前やっぱり疲れてるよ
こんな日はポータスのナチョスでも食って早いとこ休むんだな!

ポータス…?
なんだそれは…?

オイからかってるのか?

いや本当にわからないんだ…

ジョン、悪いことは言わない、家に帰れ

ああ、そうするよ……
悪かった

気にするな
俺とお前の仲だろう?
お前が元気でいつもみたいちバカなことを言ってる方が俺は気楽なだけだ

スッ変な奴

いつも言ってるが、お前の笑い方よりはマシだねあああわあああああああああああああああああおいあジョンどうしあああああああああああああああああああああああああああああジョン!!

違う…

何が!

…笑い方っ……

は?

俺たちは…やっぱり…

ジョン?

デイブ
お前と俺は一緒だ


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