ナイフを手放すのが簡単なら争いは1/10だっただろうこと
依存症というものはタチが悪い。
やめようやめようと思っていてもついつい「今回だけ──」「もう一回だけ──」「プロとして──」などと手を出し結局元の木阿弥である。
あれだけ「閃いた!」かのようなノリで意気揚々と頭の中で構築した「こうすればいいのでゎ?」を完遂することがどうしてこうも難しいのか。
しかし同時にこの歳にもなると類似の体験が幾重にも蓄積されている為、そういった一種の「気づき」に蒙が啓かれるような感覚のそばにはちゃんと常々鼻で笑っている自分がいてくれるのであるから、人間