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【Σリーグ3期】白石太陽自戦記 第6節第2試合

皆様引き続きたくさんの応援ありがとうございます。
Σリーグ3戦目。そろそろトップ自戦記が書きたい太陽です。
というか公式のトップ観戦記が読みたい太陽です。
書きたいよう。読みたいよう。太陽です。


試合前 - 準備万端

不調期を脱する

5月下旬~6月上旬にかけての段位戦(56~85戦あたり)は、技術的にピントの合わない期間でした。ちょうどΣリーグの初登板に重なるころで、最初の自戦記に書いた通りですが、書いた以上に内心では不調と不安を感じ取っていました。

下2行に注目

当日練習でこの成績。Σリーグの強豪の皆さんにとっては、なんてことのない普通の数字。私にとっては明確に好調。育成枠でこれぐらい出せたら上等なのは明らか。
もちろん、目標は育成枠のままで終わることではなく、いつでも狙ってこれぐらいの数字を出したうえで NAGA のデメリットまで把握して自分が納得する手順で打てるように……となります。が、今はその前段階なので段位戦ではニシキに寄せています。守破離の守。

日課。初の満点!

ずっと課題として扱ってきた平面何切る。やっとウナギの目を飛ばすことに成功。継続は力なり。
これは本番も手が入りさえしてくれれば勝てるんじゃないか。勝つための材料があればそれを逃さないぐらいのプレイングはできるんじゃないか。

第1試合はあやねさまがいつものように全員なぎ倒す……と思いきや、Σリーガー60名の誰が座っても回避できなさそうなラス。あれは無理。
「取り返す」と過度に気負うことなく、いつも通り冷静に臨みます。

試合中 - 大物の存在を良い意味で忘れながら

東家 - ラヴィット選手(RIDECAT)
南家 - 鴨神にゅう選手(縁)
西家 - 白石太陽(M kingdom)
北家 - かなた選手(ホープフルA)

東2局0本場

コラッ!

南を切るな! 混一色だ!!
1枚切れのオタ風だし価値は低いかな? と、フラッと切ってしまった。

あーもうめちゃくちゃだよ

よくこういうのを「ヨー○ターに咎められる」とか言いますね。でもやらかしたのは自分だぞ。

事なきを得る

対面のかなた選手の聴牌打牌をとらえて和了。混一色が厳しくなってから中盤で仕方なく萬子をチーしたので、本来あるべき手順で和了できていたかどうかは不明。できていたら満貫もあったな……。悔しい。

東4局0本場

下家 1p ポン打 5s 1枚目、2p ポン打西

何を切りますか?
私は打 3m としました。
今ならまだ下家に東も通りそう。たぶん通るんじゃないかな。いやちょっとは覚悟しておけ。
その東を切るなら、聴牌勝負で中まで付き合いましょう、という意味。
親なのでそこまでやるもありましたが、まだ聴牌までそこそこ遠いのと、筒子を打ち出さないと聴牌しない可能性が結構あるので引き気味の選択をしました。ロンのほかに打 4p でのチーもこのシャンテンからやらせるとプレミに近そう。危険な染め気配の上家になってしまったときの宿命。
4p にくっつく、東か中が重なる、ぐらいのことがあって初めて勝負。そうならなければ徹底的に絞る。もう1牌も「あげません!!」(ス○シャルウィーク)

はいヤメー

無理無理無理。このあと対面のかなた選手から立直が来たので、下家とぶつかっての横移動を期待しましたが、対面の満貫ツモで親かぶり。ちぇっ。

南2局0本場

コラッ!!

東を切るな! 混一色だ!!
15 の 1 は 19 界では優秀な孤立牌。オタ風の方が価値は低いかな? と、フラッと切ってしまった。
これはですね、局後の検討で……

🌞「えーとこれはたしか混一色を見たくて 1s を――うぇっ何コイツ東切ってんの!?!?」
🐳「知らないよwww」

記憶の改竄まで起きていました。

めげずに育ってくれるけなげな手

🌞「チャンスになったので受け入れ MAX で西を切りました」
🐳「当然だね。でも――なんかここ少考したよね??」
🌞「(ギクッ)あ、えーと……巡目がそろそろだし 5m 先切りをチラッと考えました……」
🐳「やっぱりwww」
✌「こんなチャンスで 5m 切ったらビンタだよwww」
🌞「サーセンwww切らなくてよかったwww」

チー!!!

満貫リャンメン聴牌。このあと下家のラヴィット選手から立直。

一発目にドラの両無スジ 4m を持ってくる

うるせーーーー!! 知らねーーーーー!!

行きます。ノータイムプッシュ。
このフラットな点数状況、和了できればトップが近い。放銃リスクは受け入れるに十分値する。最終手番までフルゼンツ確定。対面と上家に聴牌がバレる? 知らん知らん。さあ、どこまでも付き合うさ。やり合おうぜ?

「ロン……」

これが鴨神選手よ。自身のトップを見るなら、あのリーチに怯んでいる暇はない。よく見れば私と同様、リーチ一発目に無スジの 2p を押している。私と違うのは 1000 点のかわし手だってこと。それでもここでの和了は点数以上の価値があると理解したうえでのプッシュでしょう。お見事でした。

なお、このときの私の偽らざる心境は
「1対1の勝負に水を差しやがって」でした。
麻雀は相手の嫌がることをするゲームです。同卓者からの賛辞と受け取っていただければ。

南3局0本場

運命の局です。最初に、最終手番の形を載せます。

打北での3面待ちはフリテンです。北 or 8p

何がどうなってこうなるのか。それでは序盤から見ていきましょう。

最初の分岐。何を切る?

🌞「打 4s としました。正直、この手は良くはないなと。特に横の手はもうだいぶ薄い。スパッと 7s が入れば良し、そうでなくとも最終待ちが 7s ならこの巡目で 4s が河にあるのは強い。4トイツになったので、うっすらメンツ手を残しつつ七対子メインで見たい」
🐳✌「「わかる。4s でいいと思う」」
🌰「僕は 98s 落としてそう。タンヤオをまだ見ていく」

2p 暗刻

🌞「打 8s。89s 両方1枚見えた一方で、自分の手は縦が強くなったので七対子 or トイトイ本線で 89s を落とす」
全員「「「わかる」」」

なぜか打 8p とした局面。なぜ??

🐳「これ打 8p はさすがに 4s がいいよね。七対子に向けて2枚切れから切るにしても、一回切ってる 4s を残す理由にはならないし」
🌞「他家の河で 8p 2枚切れは見ていたのに、自分の河に 4s があることを見落としていました……またやりました、うっかり……」
🐳「見落としかぁーーーーー」

ラヴィット選手執念のリーチ。回って回ってここ

🌞「35m は通るのでまだそっちで回りましたが……」
🐳「8s が4枚見えた。この瞬間に 9s 行ける」
🌞「仰る通り」

ポン!!!

🌞「3m は通る、聴牌勝負で 8p or 北は行っていい範囲かなと」
🐳「いいね。ここで声が出たのは偉い」

最終局面。冒頭の画像再掲

🌞「はい、思考を話します……

8p を残す打北はフリテン。打 8p は北単騎。残るツモ番は下家ラヴィット選手の海底のみ。リーチ済みのため和了以外はツモ切り。

打 8p の場合
北が残り0~2枚。王牌と合わせて 0~2/14 で和了(ラヴィット選手が北を掴むパターン)。さっき上家の鴨神選手が生牌のドラ發をプッシュした。あそこに北はなさそう。対面はわからないけど、少なくとも1枚は残っている気はした。
放銃率は北より高い。とはいえ、自分が 7p 3枚持ちのためワンチャンス。8p も3枚見えていて、シャンポンは無し。当たるケースはリャンメン・カンチャン・単騎がそれぞれ1パターンずつ。無スジの中では相当マシな部類。

打北の場合
8p よりはまだ穏便。1枚切れのオタ風、ちょっと変則的な手でない限りはあまり当たらない。河底ロンの機会は失う。

決断の決め手はこれ

ドラは自分で使えている。字牌なので残り1枚は使われない。また、自分の手に赤が1枚、河にも赤が1枚。残り不明なのは1枚だけ。下家の打点ってどんなもの?
自分の手が發ドラ3河底の満貫なら……

リーグ戦では上振れを引きに行け

ラヴィット選手「ロン。裏は……無し。2000」

はい。

🌰✌「最後は北を切りそう」
🐳「8p でいいと思う。上振れを引きに行けと言ったのは僕だ」

北は対面のかなた選手が1枚抱えて降りていたので、残り1枚でした。

南4局0本場

正念場。親。4着目と微差で迎え、もはやノーテンも許されない。もちろんまだ上も見える。

5巡目。6ブロック継続か、それとも

打 1m。この局の手順は検討でもノーミス評価でした。5ブロック2トイツ形にして、ツモ 4m も逃さないため 1m から。

8巡目でこれ。苦しい……

打 3m。NAGA はもっと早い巡目で先切り推奨でしたが効率 MAX でここまで引っ張りました。ここでツモ 3p を逃さない選択。

4連形に誘惑されそうだが

ツモ切り。瞬間のツモ 8m も逃せない。

鴨神選手「打 2s。鳴くかい?」

🌞「チ……」
かなた選手「ポン」
🌞「……」

鴨神選手「ふぅん。じゃあこれは?」

🌞「………………………………………(ツモ山に手を伸ばす)」

形式聴牌に向かうかどうか。
10巡目。自分の手は2シャンテン。繰り返すがノーテンは許されない。
鳴いた瞬間、和了は消える。加えて「789m 副露」という情報を他家に出す。

🐳「難しい。ギリギリ。どっちもある。この情報を出した瞬間、他家は親への警戒がゼロになる。ガンガン押してくるからこっちの放銃リスクも増える。でも聴牌確率はもちろん上がる。本当にどっちもあるね」

ポン!!

間に合え。間に合ってくれ。

また、また、また、ラヴィット選手から立直。そこに持ってくる無スジ 3m

まだ聴牌できない。残りツモ回数もあと1回。これを押せるか?
リーチ棒が出たことで、4着目との点差は 3100点。
2人聴牌なら3着終了、1人 or 3人聴牌ならラス終了。

押しました。他家の動向に委ねて分の悪いお祈りをするぐらいなら、最後まで自力聴牌を追います。
鴨神選手が 5p をプッシュしていて(本当に強い)、最後の最後でチー材が流れ込んでくる可能性もある。それでもいい。聴牌できるなら何でもする。

来た……っ!!

7p を叩きつける。声はかからない。

伏せても3着終了でしたが

僥倖の(一旦)ラス回避。さあ、前を向いて着順アップを目指そう。トップだって夢じゃない。

南4局1本場

全員、ただまっすぐに

局面はもちろん、和了速度競争。上家の鴨神選手はバラバラの手から無理やり索子の混一色に寄せて全鳴きしていました。前回登板のスーパープレー再現を目論んで、最後までトップを見たのでしょう。
無論私もメンピン一盃口へ向けて全面戦争の構え。
四者、刃を交えながら――

かなた選手「ツモ」

決着となりました。

試合後 - 構想力の反省

今回の課題はとにかく「混一色視点の持ち方」でした。
これのミスが2つあったことで損をした可能性もあり、うち1つは和了に結び付いたので逆に結果オーライの可能性もあり。
選択は多かったので、座った人によって素点の違いはあったと思います。着順まで違ったかどうかは……どうでしょうか。違ったかもしれない。南3局の放銃も避けられたかもしれない。でも、最後まで押すべきを押し、自力での着アップを狙った姿勢に後悔はありません。単純なミスを減らし、トップを狙える運の流れが来たときに逃さずに取りに行けるように、これからも腕を振ります。

白石太陽 NAGA 成績

全体を通しては、明確なミス以外はしっかり打てていました。Σリーグ登板で初めてまともな成績が出ましたね。

かなた選手

麻雀は理不尽。でも、最終的には間違えない人が一番多く勝てる。
ホープフルA は報われない展開が続いてきましたが、この戦いでひとつそれを証明されたと思います。お見事でした。

鴨神にゅう選手

真剣勝負出来て光栄でした。お名前に気圧されずに戦うことが出来ました。
「リーグ戦では上振れを引きに行け」、まさに鴨神選手がそれを体現する強い選択をされていた印象です。
次は私がもっと上達して、もっと味がする戦いがしたいものです。

ラヴィット選手

執念の連続立直、今回は実らずでしたが非常に怖いお相手でした。最後はどちらがどの着順でもおかしくありませんでした。次こそは勝利を願っています。王国と同卓でない限り。

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