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Avatar2.0Projectってどんな箱?

こんばんは。さいたまにすとと申します。
本稿は今迄のまとめも兼ねて、A2Pについて説明しようとする試みです。

1万人を超えたともいわれるバーチャルYouTuber(Vtuber)・バーチャルタレント。もはやその定義を決めることすら難しいほど多種多様な活躍をしている彼ら彼女らですが、その中で筆者が1年半に亘って観察してきたのが、『Avatar2.0Project』というバーチャルタレントグループです。

プロジェクト概要

公式の表記は『Avatar2.0Project』と『AVATAR2.0』がありますが、大文字小文字の差についてはあまり気にしない方が良さそうです。
A2P、にーてんぜろ等の略称がありますが、ここではA2Pと表記します。

A2Pは複数企業による合同プロジェクトで、これはVtuber業界では珍しいタイプです。運営企業は当初ピクシブ株式会社SHOWROOM株式会社株式会社TWIN PLANETの3社でした。
TWIN PLANETが所属タレントの管理育成、SHOWROOMが配信環境の提供、pixivが絵師と3Dモデルの提供を担当したと思われますが、2020年1月からタレントの所属先が株式会社いろはにぽぺと・異世界系譜のvGardenに変更となり、TWIN PLANETは運営協力会社に変更(事実上撤退)となりました。

なお、A2Pの所属タレントはYouTubeよりSHOWROOMでの配信をメインとする(徐々にその構図も崩れていますが)ため、Vtuberではなくバーチャルタレントという呼称を用いています。

現在プロジェクトに参加しているタレントは18人です。うち1人は休止中。
2018年12月に一期生の5人でスタートし、2019年3月に二期生の14人が追加、同12月に一期生の1人が移籍、同月1人が事務所退所・プロジェクト残留、という経緯があって現在の体制に至ります。
※追記: 2020年9月末にて、一期生1人が引退、1人がプロジェクト離脱、休止中の二期生1人が引退します。よって所属タレントは15人となります。

タレント一覧は公式Webサイトをご覧ください。

公式Twitterアカウントはこちらです。

タレントのより詳しいプロフィール等は、非公式Wikiをご覧ください。

沿革

A2Pの最初の仕事は最強バーチャルタレントオーディション極というオーディションでした。
予めバーチャルタレント5人分(それぞれ担当絵師が異なる)のアバターイラストとプロフィール設定を用意し、タレントになりたい参加者をSHOWROOMの配信による公開選考(最終選考のみ非公開)で競わせる形式で、2018年11~12月に開催されました。
この催しがVtuberファンの間で賛否両論の大騒動に発展します。オーディション参加者計61人のうち5人だけが採用されて、残り56人はいくら応援しても消滅してしまう仕組みが『バーチャル蠱毒』と揶揄されました。

2018年12月、選考終了の翌日にオーディションの勝者が『中の人』(※運営の表記)となった5人がデビューしました。
運営が勝者への特典として用意した仕事は、雑誌掲載やテレビのスポットCM、SHOWROOMの公式番組への出演などがありましたが、いずれも単発であったり、また全員に仕事が割り振られなかったりと大変不安定なものでした。
それゆえ、5人は自らを世間に売り込む為に、SHOWROOMで日常的に開催されているイベント(配信者の獲得ポイントに応じて様々な賞品が与えられる。チラシ作成から雑誌掲載、オリジナル楽曲、ライブ出演等)に足を踏み入れます。
そもそもオーディションがSHOWROOMのイベントの一つでしたし、ファンと一緒に育った場所ですので、戦うべき場所はそこしか無かったのです。

また、オーディションが色々と盛り上がったことにより、予選を勝ち抜いた落選者のうち希望者に別の身体を作って提供する『公式転生』が後付けで決定しました。
これに応募した人が二期生としてデビューしました。その数なんと14人。

二期生が加入した2019年3月以降、ようやく運営からの仕事が回り始め、ニコニコ超会議・マチ☆アソビへの出演、DIVE XR FESTIVALへオリジナル楽曲を引っ提げて登場、等の露出が増えました。
しかし現在に至るまで、SHOWROOMのイベントはA2Pのタレントにとって営業の主要なツールとなっています。

特徴

A2Pの特徴としては、タレントの活動がとにかく自由であることが挙げられます。
全員が自身の生活スタイルに合わせた活動を行い、他の運営で時折聞く活動ノルマのようなものも伺えません。皆非常にのびのびとしていますが、逆に言うと”箱”としてのまとまりは少ないです。
その代わり、キャラクターの担当絵師が同じタレントが2~4人で集まって活動することが多くあります。

A2Pはpixivが開発する3Dキャラクター制作プラットフォーム『VRoid』の宣伝も兼ねている為、一期生の5人には最初からVRoid製の3Dモデルが与えられました(逆に2Dモデルは支給されません)。これによりタレントはフルボディトラッキングを使用した配信や、Leap Motion+Luppetを用いた簡易的な配信を行うことができます。
但し二期生については、デビュー自体が当初予定に無かった為3Dモデルの制作が間に合わず、未だに全員分の3Dモデルが行き渡っていません。
一部タレントは自腹で外部のモデラーに3Dモデルを発注し使用しています。Live2Dモデルの提供を受けている者もいます。

Vtuber界隈はまだまだ若い業界であるため、運営企業と所属タレントとの間のトラブルが有名無名を問わず頻発しています。
A2Pもご多分に漏れずなのですが、まずオーディションの時点で運営の不手際が多すぎたことから、ファンの運営に対する期待値が低すぎて多少の問題では炎上すらしない、という残念な特徴があります。
つい最近でも、公式Webサイトが運営開始から1年半以上経った2020年7月になってようやく開設される等、ネタには事欠きません。

著名な所属タレント(筆者主観)

九条林檎(一期生)
吸血鬼と人間のハイブリッド・ハイティーン。魔界の一部を治める領主の娘が人間界に来て、HMDを被りながら配信や裏方作業を頑張っています。
元々Vtuber関連の作業実績が豊富で、Live2Dモデルの制作が得意ですが、ここ最近はVR方面で一層活躍の機会が増えています。
10点トラッカーをフル活用したダンス動画や、複数の声色を操り新たな人格を作り出すなど何でもござれ。まさに”上位存在”であり続けるタレントです。
※追記: 2020年9月末にてプロジェクトを離脱しますが、現在と全く同様に活動するとのことです。

結目ユイ(一期生)
歌手志望ですが、営業の為にTwitterにて面白発言とエゴサ・一見さんへのリプライを続けた結果、すっかりTwitterマーケティングの女王として界隈に広く認知されてしまいました。Twitterフォロワー数はグループ内で断トツの1位です。
雑談配信はYouTubeとSHOWROOMでオンとオフを使い分けています。YouTubeでは「草」のコメントが絶えることがありません。
繰り返しますが、歌手志望です。

水瀬しあ(二期生)
結目ユイの妹分です。面白すぎる姉に苦労することもままありますが、姉妹の結び付きは大変強く、その輝きは時に感動を与えてくれます。
音楽に親しい芸術肌で、可愛いイラストも描けます。
活動スタイルは一般的なVtuberに近いです。特にゲーム実況配信にて苦戦している時の口調が面白いと評判です。

菜花なな(二期生)
ウクレレVtuberを自称するほんわかしたお姉さんです。しかし本業で土日でもお構いなく出勤する為、定期配信を朝6時30分からに設定しています。
ほんわかどころかだいぶ危険なうっかりのエピソードが豊富で、ファンのみならず両親に心配されることも。
ウクレレはデビュー前から練習を続けており、弾き語り動画を多数配信しているほか、外部のWeb上のコンテストにも参加しています。

おわりに

A2Pについて調べてみましたが、よく分かりませんでした。
いかがでしたか?

実は非公式Wikiを最初に作ったのも筆者なので、同じ内容を二度書いているようなものですが、こうして一つの記事にまとめておいた方が知らない方の目に触れるかな?と思い、書きかけの記事を丸一日かけてブラッシュアップしてみました。

大手事務所による人気の寡占化が進むVtuber業界ですが、A2Pが界隈に一定の地位を築き、皆様に笑いと感動を提供し続けることができれば、筆者としても本望です。
いや筆者は運営でも何でもないただのファンですのでお間違いなく。

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