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企業アンケートから見る。インボイス制度の実態

こんにちは、彩創アセットの太田です!

確定申告もいよいよ大詰めとなりました。
そんな時期も相まって、話題となりがちなのが、令和5年10月1日より導入されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)。
インボイスとは適格請求書とも呼ばれ、消費税に深く関わってきます。

仕入税額控除を受けるためには、インボイスの保存が必須条件です。
そのため、インボイスが発行できない事業者から仕入を行うと、仕入税額控除が受けられず、納入する消費税が増額する可能性も考えられます。

また、仕入税額控除の減額と並んで懸念されているのが、経理業務の煩雑化です。
インボイスに登録したら終わりではなく、これまでの経理業務と異なる請求書の作成や管理といった業務が発生します。
インボイス導入により経理業務の負担が増えることで、人的リソースが不足しがちな中小企業の事務部門に重い負担がかかることも少なくありません。

今回はインボイス導入で、経理業務がどのように変わるのかを解説します。


インボイスに関して、企業の約9割が「懸念あり」

2023年10月に帝国データバンクが、企業に対し「インボイス制度への対応状況および懸念事項」という企業アンケートを実施し、1,494社から回答を得ました。

出典元 : 帝国データバンク「特別企画:インボイス制度に対する企業の対応状況アンケ―ト」(2023年10月13日)

その中で、インボイス制度に「順調に対応できている」企業は約65%と、3社に2社は順調との回答が返ってきたのです。
始まってすぐのアンケートに対して、3社に2社がスムーズに対応をスタートできていると読み取れます。

ところが、下記のグラフで読み取れるように、現在または今後に「懸念事項あり」と回答した企業が9割にも上り、先行きを不安視している傾向が強く見られました。
また、懸念事項としては「業務負担の増加」がトップとなっており、回答の7割を占めています。

出典元 : 帝国データバンク「特別企画:インボイス制度に対する企業の対応状況アンケ―ト」(2023年10月13日)

この調査によって、インボイス制度導入で、経理業務の負担増を心配する企業は、非常に多いと考えられます。

インボイス制度によって変わる経理業務とは?

それでは具体的にインボイス制度を導入することによって、経理業務がどのように変わるのでしょうか?
大きく分けると、以下の4つの業務があります。

  • 請求書の記載項目

  • 適格請求書の保存

  • 消費税の計算方式

  • 取引先の管理

それでは、一つずつ詳しくみていきましょう。

1.請求書の記載項目

インボイスでは、請求書に記載する項目が追加されます。
追加される項目は「インボイス発行事業者の登録番号」「適用税率」「税率別に分けた消費税額」です。

これらは決まったフォーマットがありません。
そのため、仕入先によって、それぞれの項目の書き方が異なってきます。
仕入先の請求書がインボイスとしての要件を満たしているのかを確認しながら処理を行っていく必要があります。

2.適格請求書の保存

インボイス制度では、適格請求書の保存と帳簿の保存が必要です。
適格請求書は、紙または電子データで7年間の保存が義務化されています。

取引が多くなれば多くなるほど、適格請求書を紙で保存することは難しくなるため、電子データで保存するケースも多いでしょう。
そこで関連してくるのが、電子帳簿保存法(電帳法)です。
適格請求書を電子データで保存したい場合は、電子帳簿保存法の保存要件を満たす形で行う必要があるのです。

電子帳簿保存法における保存要件には、以下のようなものがあります。

  • 改ざん防止のための措置をとる

  • システムの概要や基本設計を記載した関連書類を常備する

  • 取引年月日や取引先、取引金額で検索できるようにする

これらは、これまで発生しなかった追加業務なので、経理業務の負担になる可能性は非常に高いと考えられます。

また、この電子帳簿保存法も、2024年1月から始まった制度のため、まずはこれがどのような制度なのかを把握し、社内に認知していく手間も生じるでしょう。

3.消費税の計算方法

インボイスでは、適用税率と税率別に分けた消費税額の記載が決められています。そのため、請求書の作成にあたり、端数処理を行いながら、消費税を算出することが必要です。

現在は、個々の商品ごとに消費税の端数処理が可能です。
しかしインボイスの場合は、税区分ごとに1回端数処理をおこないます。
端数処理の選択は定められておらず、事業者の任意となるため、社内及び取引先への周知も行わなくてはなりません。
商品ごとに端数処理されている請求書は、要件を満たさないため、注意が必要です。

4.取引先の管理

インボイスは、取引先が適格請求書発行事業者である必要があります。
そのため、取引先が適格請求書発行事業者として登録しているのかを確認しておかなくてはなりません。
もし未登録の場合でも、登録があった際に素早く対応できるように、きちんと管理・準備しておくことが重要です。


freee導入で会計・経理業務を効率化

インボイス制度の導入で、経理業務への負担がかかる可能性は高いです。
特に中小企業の場合、事務職員が経理のみでなく、複数の事務業務を担当されているケースも見受けられます。
企業としてインボイスにきちんと対応していかなくてはならないものの、負担増大のために不安である場合も多いでしょう。

そこで、会計・経理業務を効率化するために、freeeの導入をおすすめします。
freee経理はインボイス制度はもちろん、改正電子帳簿保存法にも対応しています。
請求書の作成から取引先の管理、領収書等の電子データ保存まで、一貫して行えます。
法律改正などによるアップデートでの負担がかからないのもクラウドの利点です。


freee導入なら彩創アセットにご相談ください

今回は、インボイス導入で、経理業務がどのように変わるのかを解説してきました。
経理業務の負担削減のために、freeeを用いて、業務の効率化を図ることで、法律改正に振り回されず、業務を常にスムーズに進めていけます。

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