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03話-磐梯山と猪苗代湖キャンプ場

みちのくのエスカルゴ号車旅

3日目 2022.04.10

目指すは会津若松

 今日は東進して会津若松に入りたいと思っていた。
 ここからは必成到着時間のない、気まま旅になるはずだ。会津では戊辰戦争と中でも白虎隊のことをこの目で感じたいと。

0605出発

 0605 鵜の浜海岸の温泉人魚館を出、近傍の道の駅で態勢をとり行進開始だ。

鴎ヶ鼻の向こうに平べったい佐渡島が遠望できた

 JR青梅川駅東側の高台道路から柏崎恋人岬「鴎ヶ鼻」方向を見るとその先、水平線の向こうに大きな平べったい島がぼんやり漂っている。むろん佐渡島だ。地上から見る佐渡の島影は初体験。そんなことがこの歳になってもワクワクだ。

地名と地図とドライブ支援アプリ

 だがそれにしても iPad の地図をみると恋人岬だと。最近のどこにでもある流行の命名なのか。国土地理院のデジタル地図にもその名が記載されてあった。もともとなのかそれとも地図の改修が早いのか。
 いやいや調べたら鴎ヶ鼻(かもめがはな)ではないか。国土地理院は迎合しすぎではないのか。
 と国土地理院を疑ってしまったのだが。ごめんなさい濡れ衣でした。

 それはこんな背景があったから。
 私はDAN杉本さんのカシミール地図無料開放時代からの愛用者で、いまは氏の最新作スーパー地図を使わせてもらっている。無料でも十分楽しいが、課金すれば更に用途がひろがるので地図好きな人には超お勧めだ。
 もっとも普段の車旅には Google Map とYahooのドライブ専用アプリを使っている。
 Yahoo Map と compatible なドライブ案内アプリは、Yahoo Map の内部機能として、( Google Map のなかにあるドライブ支援機能と同じ感覚で)、中断することなくシームレスに使えるものが最近追加されたのだが、カーナビ機能としては古くからの Yahooドライブ専用アプリの能力のほうが、Yahooの2製品のなかでは断然優秀だ。だがこの専用アプリは独立しており、 Yahoo Map から飛べない。ドライブ中に専用アプリを使おうとすれば、目的地を設定するのにかなりストレスをためることになる。だからYahooドライブ専用アプリは Yahoo の中でも差別を受けているのではないかと思うほどだ。部門ごとの対立でもあるのではないかと疑ってしまう。

 また Yahoo と Google を比較すれば、カーナビとして Yahoo ドライブ専用アプリのほうが Google より信頼できると思っている。ただ 、YahooMapからの利便性が悪いのは既述のとおりだ。いやこの場合、利便性がないと云ってよい。

 車に元々装備されているカーナビは、更新ままならず汎用性低くなくてよい。そのかわり私は、センターコンソール上部、つまり本来のカーナビスペース付近に 10inch の iPad を、そして運転席前方のダッシュボード右端にスマホをセットし、片方に Google Map もう一方に Yahooドライブ専用アプリを置いて旅をしている。
 今次の東北旅 3500km そしてそれ以前の経験からも、あくまで定性的な感覚だが 6.5 対 3.5 で Yahooドライブ専用アプリに軍配を上げる。

 余談から余談に走っている、一つ前の余談に戻すのだが、柏崎恋人岬だった。DAN杉本氏のスーパー地図は基本的に国土地理院のデータを使っておられる。その地図で確認しても恋人岬と表示されたので地理院を疑ってしまったのだが、DANさんは利便性のため Google Map の地名表示を選択(ユーザーの意志で)して重畳できるよう設計されていた。つまり地理院の地形データ地図の上にGoogleの地名表記が上書きされていたのだった。そうさせていたのは私の選択だった。

 つまりこの一件は落着したのではあるが、でもやたら古来からの地名を変えてしまう風潮には暗澹たる気がしている。
 出雲に住んでいるとき、市町村合併の波に押され、簸川郡の名が消え出雲市に統合されてしまった。古い歴史を持つ出雲國だ。簸川がなければ出雲の歴史を視覚的に語れないではないか。そんな大事な名が消されたと泣けた。地名が消えれば歴史が消える。

 あるいは危険であることを後世に伝えてきた地名、説明は省略するが、蛇崩(じゃほう)、蛇抜(じゃぬけ)、鳴滝、津留、放出(はなてん)、野毛(のげ)等々が、改名されあるいは意味の伝承を怠り、避けられたはずの災害が起きている。そんな事件は枚挙にいとまがないだろう。

 それらは、我が国の歴史と国体を軽んじ教えず反日本の国や勢力におもねる我が日本の、その行き末を暗示している気がしてならないのだが。

陸も海も地球の地形の中で繋がっている、あたりまえのことなのだが

柏崎からの風景そしてさらに東進す

 閑話休題。
>地上から見る佐渡の島影は初体験。感じるものがある。
と書いた。Google Map を参照すれば、フォッサマグナ西端だった糸魚川の北側に海谷が北に延びているのがわかる。その東西には海の中の山嶺が南北に連なる。その嶺のさらに高いところが、能登半島であり佐渡島だ。すべてが繋がっており、そこに時間軸の繋がりを加えるならば地形が動いてゆく、生きた地球の地殻活動をも繋がっている。その刹那を生きるこの時がいとほし感覚にとらわれるのだ。
 海の谷、山と書いた。
 海溝と云うのは地球規模に深い溝、例えば日本海溝だ。またトラフ、例えば南海トラフ、はもっと浅い溝だ。糸魚川の北の海の溝はもっともっと浅く、トラフにも分類されていないのだろうと思う。

柏崎港から柏崎原発を遠望す
https://twitter.com/saintex_kasuki/status/1512941332360474624?s=20&t=Gv_buJIB0hBTf6rqmrTGYw

 箱崎を後にし東進再開。せっかくの新潟だと、友人へのお酒を購入。私は固有名詞と実態がなかなか繋がらない、もの忘れが多い?執着心がない?、ので何かを物色することが極めて苦手だ。だからお土産購入の段となると、ほとんど間違いなく店員さんの世話になることにしている。
 例えば5年ほど前にその方法のことを書いている。成功率は非常に高い!
        ⇩
  https://www.facebook.com/hishikawaakio/posts/1507818789290915

磐梯山を見つつ猪苗代湖へ

 ともかくも日本海側を北上した新政府軍は、と意識は戊辰戦争に飛んでいる、一進一退のあげく長岡藩の長岡城を堕とし、会津若松を西から逆落としに、二本松城を堕とした主力部隊は猪苗代湖方面から攻め上ってきつつある。仙台藩の北からの圧力。味方であるべき奥羽越列藩同盟各藩の旗幟はどちらを向いているのか。
 そんな情勢を頭に描きつつ東進部隊攻撃軸であるはずの若松・越後街道を経て会津若松に進入した。山岳地帯から抜け出ると前面に会津盆地の緑の平地が飛び込んできた。そこからさらに東進を続けると磐梯山が姿を顕した。神影と云ってよいかもしれない。磐梯山(ばんだいさん)は「いわはしやま」と古来呼ばれていたと云う。天に掛けた磐の梯子ではないか。神々しく感じるわけだ。
「いわはしやま」が近づくにつれその威容はいやましてゆく。やっと車を停めうる側道を見つけ写真を撮った。
 西の地域の人々は古来このような容姿の山のことを「かむなび山」と呼び、神奈備、神名火などの字をあてたが、東北の人々はこの言葉を使ったのだろうか。使っていなかったとしても同じ意識で山に神威を感じていたであろうことは磐梯山としたことだけからでも伝わってくる。

磐梯山(いわはしやま、天に掛けた磐の梯子の意味)

 いま会津若松の北側郊外にいる。1405時。これから会津の街を散策するには遅すぎるし、街中での宿泊ポイントはなかなか見いだしがたい。どうせ郊外に泊まるのなら、どうしても行きたいと思っていた場所がある。そこまで移動し散策し宿泊準備するのなら、ほどよい時間だ。

猪苗代湖南端の秋山浜キャンプ場到着

 磐梯山撮影場所から1時間ほどで猪苗代湖南端の秋山浜キャンプ場到着。車はもう一台あり若者が2人浜でのんびり過ごしている。さあ目前の秋山浜へゆこう。

秋山浜、猪苗代湖北側にくっつくように磐梯山
大正解の宿泊地選択でした
モカ淹れて食事の準備、暗くなったらやすみます

 先客の若者は帰っていった。今度ここで友達とキャンプしようと、その下見らしい。こうした場合、私から声をかける場合が多いのだけれど、若者から話しかけてくれた。いいぞ。
 どこからきたのと尋ねると、「あだち」と云う。東京の足立と思った。そこから下見なんてすごいね、と返すと安達だった。隣の郡だ。郡はこんな環境では「こおり」と読みたい気分になる。そんなことで3人で笑った後は、このひろい地域に私1人だけ。最高の贅沢。
 三時のおやつに、きれいな景色ときれいな空気、そしてモカの薫り。

 贅沢を堪能して飯盒炊爨。なにしろ一番近い店はコンビニで、車で20分くらいかかるのだから。気ままに自炊が、これも贅沢。暗くなったら眠るのです。あんな青空だったから当然のこととして、満天の星々のプレゼント付きで。
 深夜に火の用心を促す消防車が、チンチンと鉦を鳴らしながら、2度ほど見回りに来てくれた。

 本日車移動距離 207km 歩行 1.5km 2717歩

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