取引先 喫茶店

取引先の喫茶店について話す
取引先に喫茶店がある事は良い事だ
その喫茶店に行っていてもサボリでは無い
仕事である 
と思い、ほぼ毎日行っていた喫茶店がある
コーヒーは豆を選び、サイフォンで淹れてくれる
店全体にコーヒーの香りが漂い、朝から気持ちが休まる
店長も30代で若くて話も合う
聞く所によると、奥さんの実家から応援してもらい商店街の外れだけど店を持ったとの事
30代にして自分の店が持てるのは羨ましい
そして、このお店は朝9時から夜6時までの営業、日曜・祝日は休み
借入が無く、毎日日銭が入る
ましてや、喫茶店という利益率の高い商売だ
この頃から銀行員としこの商売はどれだけ儲かるのか関心が深まる
仕事であるが、興味が先に立った
客席が幾つあるか、一人当たりの単価は幾らか、回転数はどのくらいか、商品の原価は幾らかと、光熱費や人件費、賃貸であれば賃貸の負担等を頭の中で考えて毎日・毎月の利益を計算してみる
これは、後に職業病のようになる 
でも、楽しい
そんな行きつけの喫茶店であったが、店長が若いだけなら問題は無い
しかし、このお店は店長が気さくなのか、女性好きなのか、やたらと女性と会話しているのを目にする
そして、陰でお金の貸し借りを
どうやら何人かの女性と…
嫌な予感がした
仲良くなると小生に借入の相談があった
小生は融資の経験は無い
前述して住宅ローンの顧客も経験が無い事から融資係に丸投げをしてお願いした
というか、大口だったので取られてしまった
融資経験は無いが、収支計算は興味本位で勉強していたので、お金が必要では無い事は分かっていた
どうしても、運転資金で1百万円貸して欲しいと
運転資金とは、一般に仕入をするとお金が必要となり、それを売上金で回収するがそれまでの繋ぎのようなものを言う
お店が自己所有でもあり、返済期限を設ければ勉強の為に借りて貰うかと判断
課長に報告のうえ、初めての融資である査定書を記入
課長からは、この書き方は誰に聞いたのかと言われたが
他の融資ファイルを参考にしましたと言うと
生意気にというような顔だったが
すぐに承認、支店長へ
この課長は融資経験があまり無いと悟る
突っ込まれる可能性のある回答を用意していたが、一つも触れず
ただ、2年前迄は高校生だったのに、大口の預金や借入を取ってくるのが、面白くなかったのか
話は戻るが6ケ月の期限を設けてお金を貸した
6ケ月後には、延長の依頼があったが、約束なので返済をお願いした
その6ケ月後、この店長は失踪
2ケ月後には亡くなった、自殺である
何があったのか
借入の返済後も再度借入の依頼がしつこくあったので、訪問を控えいたが
女性トラブルか、金銭トラブルか
いずれにせよ、何か嫌だなと思う事は深入りしない事が良い事だと悟った
でも、何があったのか…

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