ミュトスの雨<神へ捧げるソネット>#76
佐佐木 政治
神の恩恵に浴するものたちよ
かれらにとってひもじさや寒さは身の不運とはならない
かれらの翼やたて髪の中に 過去や未来の影が行き交うことはない
思い出や夢を封ずる袋を持たない
なんという狂気 あなたの枝枝は、そのままかれらをなぞる
一瞬の光となって 栄誉の重みにはじけるのだ
そして人間だけが帰ってくる
あなたの栄誉を蹴って 意識の海が立ち騒ぐ渚へと
過去や未来が忽然と浮上する
ぼくらの頭上 ほんのわずか ぼくらが差し上げる両手を浸し
ぼくらの髪の森がそよぐあたりから あなたの領土がはじまる
あの蒼い芝生!!よりどころのない歓喜の布を拡げて
歓喜はその蒼い畑の縞となる 煙となる
太陽の黄金の藁に束ねられて なおも蒼い渕でふられる
>>>>>>>>>いつもフォトギャラリーから素敵な写真を使用させていただいています。感謝してます。ありがとうございます。<<<<<<<<
亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。