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花澤香菜ショーケースライブ感想

HANAZAWA KANA Showcase Live 2021 “Moonlight Magic”に行ってきました。会場は『25』ツアーでも実績のある川口総合文化センターリリア大ホール。ポニーキャニオン移籍後最初のライブということでグッズの種類やデザインが一新されており、新しい季節を予感させる物販でした。今更ブロマイドが売り出されるとは思わなかった。かなチャームは続いて欲しかった…。当日券もアナウンスされていましたが、ほぼ満席だったのではないでしょうか。

ライブタイトルにも入っている『Moonlight Magic』で開演。カップリングの「港の見える丘」も含め日中両バージョンが披露される贅沢な時間でした。ご本人も仰っていましたが日本国内で中国語詞の歌唱を聴ける機会は珍しく、メロディに対する乗り方も違うので新鮮な響きを帯びていました。むず痒い台詞パートの「君は私とどうなりたい?」に対する自分の解答ですが(?)「末永く演者と観客の関係でいたいです」。

今回は純粋なリリイベではなく”ショーケースライブ”ゆえにこれだけでは終わりません。再始動した音楽活動がニューアルバムに向かう予感はありましたが、今回正式に6thアルバムの発売が告知され、そこから3曲も(3曲も!)未発表曲が聴けるサプライズ。『You can make me dance』『Miss You』『Don't Know Why?』の横文字タイトル3曲。いずれもこれまでの花澤香菜さんの楽曲でおなじみの渋谷系クリエイター陣によるもので、ダンサブルな印象が強い楽曲が並んだ印象です。未だ耳に残るドン・ノー・ワイ!

もう一つの新曲『SHINOBI-NAI』も初披露。畳み掛けるような曲調や挑発的な歌詞にはポルカみが強く、ダサかわな振り付けも愛おしい。1曲の中で花澤さんの声音が巧みに使い分けられていて、本職の強みが存分に発揮された曲だと思います。振り付けを客席にレクチャーした後にもう一回披露してくれるアドリブが最高でした。終演後に配られたセットリストにも欠けていたので本当に予定になかったのでしょう。両隣がいない今だからこそ憚ることなく振り付けを真似ることができ、楽しかったです。

通訳を交えたトークパート(中国向けにも配信が行われていた)、数々の告知(フィギュア化??)を交えつつ終盤に向かいます。不意に飛び出したのはもはやアニソン界の巨大アンセム『恋愛サーキュレーション』。眼前に広がるペンライトの煌々とした明かりの力強い揺れにこの曲が持つ求心力の大きさを改めて感じました。キャラソンの枠を離れ花澤香菜さんのソロのレパートリーとしてもすっかり根付いたこの曲。”今この同じ瞬間 共有してる実感”が時勢にもリンクして一層強く響いてきます。”私のこと見ててねずっとずっと”心の中でYESを叫びました。余談ですが自分はもう花澤さんの演じるキャラクターやキャラソンの向こうにどうしようもなく花澤香菜さんその人の存在を見てしまっているので軽率に重ね合わせてしまいがちです。

続くはこちらもライブの定番になりつつある人気曲『We Are So in Love』。今回のライブは圧倒的に楽しい気持ちが先行する内容で、湿っぽい空気は皆無でしたが、この曲のイントロにはこみ上げてくるものがありました。先ほど披露された未発表曲のうちの1曲『You can make me dance』はこの曲と同じく矢野博康さんによる作ですが、間奏のギターが『We Are So in Love』を彷彿とさせる質感で、クリエイターの色が感じられた気がしました。

締めは大正義『星空☆ディスティネーション』。この曲が我々を、そして花澤香菜さんをここまで連れてきてくれました。これからの花澤香菜を打ち出した”再出発”ライブの最後をデビューシングルが飾る。来し方を振り返り行く末を示す。これ以上の適役はいないであろう選曲が素敵でした。終わりゆく楽しい時間を噛み締めながら、ただただ感謝の念を携えてサイリウムを揺らすばかり。少し引いた目で見るならば、アニプレックス→ポニーキャニオンに移ったことで既発曲の取り扱いはどうなるのか?に対するアンサーを示してくれたとも言えます。『恋愛サーキュレーション』なんかは特にアニメ作品も絡むわけで、見事に懸念を払拭してくれた終盤3曲でした。

今回のライブは久しぶりに生の花澤香菜さんを拝めたことが最大の喜びですが、北川勝利さんや末永華子さんによるサポートチーム「ディスティネーションズ」による演奏という点も嬉しかったです。北川さんは自分にとって見ることのできなかった花澤香菜さんの過去の象徴だったので、ライブブルーレイの中にしか存在しなかった絵面が今目の前に実現していることが静かに感動的でした。幕間的に披露されたメロンパンメロメロ(ジェームス・ブラウンのあれに乗ってメロンパン!とシャウトするやつ(何))も6年前の武道館公演の再現で、心憎い演出でした。

このまま音楽活動は縮小していくんじゃ…というここ1、2年うっすら感じていた懸念は今や完全に払拭されました。未来志向でやっていきまっせという確かな意志を示してくれた2時間弱のステージであり、来年への切符である未発表曲3曲を聴かせてくれたことそれ自体が前向きなメッセージでした。ライブの告知はありませんでしたが、お誕生日の前後やアルバム発売後には必ずや行われるものと今から確信しております。
総じて前向きで、楽しい時間でした。グッズも買ったし、ファンクラブにも加入したし、アルバムも楽しみです(特典に今回の映像が収録される模様)。フィギュアやアイドルカード(何?)を買うかは…よ、余力があれば…。

セットリスト:
1. Moonlight Magic
2. 港の見える丘
3. You can make me dance(未発表曲)
4. Miss You(未発表曲)
5. Don't Know Why?(未発表曲)
6. SHINOBI-NAI
7. SHINOBI-NAI
8. 心口不一 (「Moonlight Magic」中国語詞バージョン)
9. 没有你的港湾 (「港の見える丘」中国語詞バージョン)
10. 恋愛サーキュレーション
11. We Are So in Love
12. 星空☆ディスティネーション

最後に告知ですが、年末に開催されるコミックマーケットで「花澤香菜ライブアーカイブ2012-2021(仮)」を頒布します。リリイベから単発イベントからツアーまで、花澤香菜名義のすべてのライブデータとセットリストを掲載。そこに適宜解説を加えたペラいコピー本です。ネット上にまとまったデータがないので自分で作ります。おまけとして楽曲演奏回数ランキングなども予定。コミケにお越しの方は一通りお目当てを回られたあとなどにぜひお立ち寄りください。アウェイ極まる声優島でお待ちしております。
12月30日 東K07b サークル金魚警報 で僕と(エア)握手。

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