週に1度の質問で単語を当てるゲームをやったら大変なことになった
0.introduction
どうも、ダブリングです。
皆さん、Akinatorというゲームをご存じでしょうか。
「はい」または「いいえ」が答えになるような質問をランプの魔人が行い、それを元にこっちが考えている人物名を当てるというゲームです。
ここでふと思いました。質問をとても貴重にしたらどうなるんだろう、と。
そこで私は「Weekly」というDiscordサーバーを立ち上げ、Twitterで参加者を募ってゲームの行き先がどうなるか観察しようと思いました。
まさかこのゲームがありえない方向に進むとは知らずに。
※ここから先論理に関する処理が凄いややこしくなるので、分からなくなったら「何言ってんだか分かんねえな」と思いながら読み飛ばしてください。
1.rule-wars
ここで今回のゲーム「Weekly」のルールを紹介しましょう。
ルールは少し複雑に見えますが、要するに簡単に説明すると、
①はいかいいえで答えられる質問をしてね!
②毎週木曜20時に1回質問を、全曜日20時に1回解答を出来るという状態で、③出題範囲が日本語名詞全部のアキネーターみたいなことをしよう!
というものです。(開始日は木曜日)
質問も解答も軽率にできないルールに設定されているので、凄いちゃんと質問も解答も熟考されるんじゃないかという狙いです。
今回正解となる単語はシンプルかつ皆が知っているものにしようと思い、こういう時の強い味方、ランダム単語ガチャで出てきた、
手ごろな単語の「狐」を正解にしました。
サーバー整備も完了してサーバーを公開し、人が続々と入ってきました。
そんな中、公開されたサーバーのルール説明用チャットにこんな質問が投げかけられます。
本家アキネーターにある「わからない」に対応する質問が来ました。確かに最初のルール説明に書くのを忘れてしまったため、このような質問が来ても仕方がありません。なので私は、「はい」でも「いいえ」でもなければ、
「定義不能」とする。と、定めました。
するとプレイヤーの作戦会議用に使って良いように作っていたチャットに、こんなものが投げかけられました。
三分探索だと…!?
読者の方々のために、何言ってんだかをとりあえず図にします。
要するに、正解にまつわる何らかの数字に関する質問をするときには、先ほどの「定義不能」を使って上手い事やると、質問によって数字のエリアを3つに分割できるから、一回で絞れるエリアが増えて嬉しいね。という事です。
初手からこんな発想が飛び出すプレイヤーが居て、雲行きが怪しくなってきました。そんな中、初週の記念すべきWeekly最初の質問が投げかけられました。
2.tsukemono
漬物...?
(あとナチュラルに2要素行ってるな)
ふざけた質問に見えて若干複雑な質問を投げられました。
早くも2度目の図のお時間です。
Q1「それは漬物か、もしくは食べ物以外ですか?」>>YES
質問がややこしいので分解して解釈した結果、正解の単語が、漬物 or 食べ物以外の全てになりました。要するに、万物から漬物ではない食べ物が除かれました。あんだけ三分探索とか言ってたのに何削ってんだ。
これで質問が出来るのはまた1週間後になりました。
ここから1週間、1日1回の怒涛の漬物(とそれ以外の物体)ラッシュが始まります。
もちろん全て間違いという事で、そのままあまり進展が起こらないまま、
1週間が経過しました。(嵐の前の静けさだったという事も分からず。)
3.revolution
1週間が経過し、いよいよ質問を行う日、木曜日がやってきました。
そこで早速ルールに対する質問が投げかけられました。
その質問とは、要するにGM側で何か計算とかそういう処理あったら処理してからすぐに返信くれるん?という事でした。まあそんなフェルマーの最終定理みたいな頭が爆発するような処理さえなければいいよという事にしました。さらになぜか既読リアクションも求められましたが、別に手間では無かったので了解しました。
そんな中、2週目の質問がやってきました。
……
何を言ってるんだ…?
全く何が起こったのかが分かりませんでした。ただ、匙を投げるわけにもいかず、なんとかしてこの質問を解釈した結果、このゲームがとんでもない状況に引きずり込まれた事が判明しました。
またまた、図のお時間です。
何が起こってるかをまとめると、
まず、GMである私には1週間後の未来の予想は出来ません。なので、これがチャットに書き込まれた時点では「はい」とも「いいえ」とも言えないんです。さらに、質問チャンネルに好きな質問を投げてもその答えが「いいえ」であれば、既読のリアクションはつくのですが、まだ「はい」の質問が来る可能性があるので、大元の返信には何も投げることが出来ないんです。
その追加で投げた質問が「はい」だった場合は、大元の質問の答えが「はい」という事になるので、既読+「はい」の返信が来ます。
さらに1日に1回の制限を掛けていた解答にも同じようなことが起こります。
つまり、結局この質問によって何が起こったかというと、
1週間に1度しか質問できないルール・1日に1度しか解答できないルールを、たった1つの質問をすることによって破壊し、秩序を崩壊させたという事です。恐ろしい。
このZ級の質問により、質問チャンネルの方に「はいだったら絞れるし、違っても有用な情報になる質問」が大量に送信され、正解となる単語が「ひらがなで通常3文字以内で表記される哺乳類」という所まで絞られました。ルール上ではまだたった2回しか質問をしていないというのに。
4.animal
そんなフィーバータイムが起こっているさなか、ルールへの質問が大量に届きました。
この質問もルールに明示されていないエリアを突く複雑かつ精密なものなのですが、今回はこの辺の解釈については1つ1つ考えていくと訳が分からなくなるので一度置いておきます。
さて話は戻って「ひらがなで通常3文字以内で表記される哺乳類」についての会議です。ふと戦略会議をのぞくと、どうぶつTierがまとめられていました。なんだ動物のTierって。
それに従い、解答チャンネルでは、Tierの高い動物ローラーが始まります。
プレイヤーたちの動きは止まりません。
ここでさらなる抜け穴を考案します。
矛 盾 塊
確かに解答チャンネルに文字で打てと言ってなかったけど。
そしてそんな発想が爆誕した2022年7月18日の解答の時間がやってきました。そこで送信されたのは、
OH… Animal Roulette…
なんとTier3の動物がぐるぐると切り替わるGIFが送信されてしまいました。これが良い訳ないだろ。どうなってるんだ。
5.correct
このままだと「狐」が入ったAnimal Rouletteが来てしまい、「正解って何だっけ」となってしまうので、ルール追加は心苦しいですが、正解の定義をしました。
2020年7月19日、このゲームは突然終焉を迎えます。突如私のDiscordにチャットが来ました。questionチャンネル...?
私が入っている別のサーバーにquestionチャンネルを作られました。
私はルール説明の時に「questionチャンネル」としか書いておらず、別のサーバーに引きずり込まれてquestionチャンネルを作られたら何も言えません。してやられた。
そこでTier1ローラーが始まりました。そしてついに正解が解明されます。
そんなこともあり、Weeklyは11日で終焉を迎えました。
速すぎる。
6.fox
思い付きで始めたこのゲーム「Weekly」は、プレイヤー達の異常な発想力でルールを破壊しつくされ、わずか11日間で単語を当てられてしまいました。まさかこんな展開になるとは全く思っておらず、人間の発想の狂気を再確認する結果になりました。主に、こんなゲームにマジになってくれた、皆さんには畏敬の念があります。私はこの人たちにいつになったら勝てるのでしょうか。
また、ゲームが思いついてとんでもない方向にすっ飛んだ時にお会いしましょう。さようなら。
おまけ
↑今回のMVP(黒幕)↑
(おわり)
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