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Kisaragi 19【かえす】

平日、ということは日中家に親が居ない日々がまたやってくる。だからと言ってやる事は変わらない。

自室のベッドの掛け布団の中身がしっちゃかめっちゃな事になっていたので、掛け布団を覆う布を取り外し、中の綿の詰まった布団のズレを解消して、掛け布団を覆う布をかけ直した。

書いてみたが伝わる気がしない。まず私の掛け布団の構造として、綿の入った布団状の物体が厚い物と薄い物で2枚存在しており、それを内側に括り付けておける紐がついているチャック付きのカバーで覆うという構造になっている。

眠いので、(それどころの問題じゃ無いかもしれないが)文もしっちゃかめっちゃかな事になっている。私の掛け布団はそんなに複雑な構造では無いはずなのだが、文字にすると私が得体の知れない物体を掛けて寝ている事になりそうになる。

だいぶ変に追い込まれているというのもあり、今日は家族からのメッセージに一件も返信できなかった。「昼食用の昨日の余りのドライカレーのルーは足りてるか。」などのたわいも無いメッセージに私は何も返せなかった。

父親が家に帰ってきた時、何故何も返信をしないのかと叱られた。スマホを封印しているんだったら言ってくれとか、もうメッセージ鬱陶しいなら送らないぞとか言われた。

スマホを封印している訳でも、メッセージを疎んでいる訳でも無いが、ただ私が返信できなかった。「ごめん。」としか言いようが無く、また神妙な顔をしていたようで「またその顔して。」と言われた。

メッセージを極端に返さない時がたまにあり、その度に親に叱られる。叱られる時に神妙な顔をして重ねて叱られる。私も叱られたく無いが、どうしたらいいのか分からない。メッセージを返せない原因が全く分からないし、叱られている時にする表情でさらに叱られるのはもっと分からない。叱られている時の表情がバリエーション豊かだった方が良いのか。

でも、元々は私がメッセージを返さないのが悪い。いつもやってしまう。何を返信しようか、どうしたら角が立たないか、いろいろ考えているうちに送れなくなってしまう。結果最悪の方向に転んでいるのがとても良く無い。

とある言葉が思い出せなくて困っている。凄く良い概念を指す言葉だと思ったので記録していた筈だったのだが、思い出そうとしてもその文字列が見つからず、検索しても全然出てこない。【元々は源氏物語に登場した言葉で、当時でもそんな言葉は存在せず、転じて得体の知れない物につく様な言葉になった言葉】というものなのだが、《幽霊語》とかで調べても日本の古典由来のそういったものは見つからないし、色々調べても何もそれらしき言葉が見当たらない。

随分と再起的な言葉探しになっている。要は幽霊語概念を指す古典由来の言葉なのだが、それ自体が雲隠れしている。

もし知っていたら教えて欲しい。気になって仕方がない。

此処まで書いて急に思い出した。【しろうるり】だった。

すっきりした。

(おわり)

【本日のプッシュポップ川柳】
じてんでは
おなじことばに
しろうるり
《push:こ,て,ろ pop:あ,い,か》

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