見出し画像

Satsuki 14と15【いちぶ】

運動会があった。

学校近所に前泊しているはずの高3たちは誰も来ず、責任者の彼を除いて一番最初に来たのは始発凸を決めこんだ私だった。前泊に勝てるんかいと思ってしまった。

朝はとにかく忙しく、会場設営などいろいろなものがあった。そんなこんなで開会式があった。その後中1の子たちのアップに誘導した。

中1教室に「黄組優勝」とでっかく書いておいたのだが、趣が無さすぎる消され方をした。もうちょっと消し方あったと思う。

すごく名前が出ているので消してます

私の担当だった中1の子たちは初戦で敗退した。全部で8組あって一発勝負のやつをトーナメントで行うという形式は、nヶ月の準備が3分で散ることがある。儚い。みんな泣いていた。私だけ泣けなかった。ここまでの逃げ方をしているのにここで涙を見せるのは失礼だと思ったので泣かなかったのかもしれない。

その後色々あった。完全にノーマークだった黄組中2係が圧倒的な差で優勝したり、徒競走系の競技で6学年中4学年が失格して0点を食らったり、高3の棒倒しをやるぞとなったタイミングで雨がガッツリ降ってうちの学年の天気運の異常な悪さを見せつけたり。

棒倒しは何か強かった。最終的に同時優勝というとこまでこぎつけた。主審が試合結果を旗の振り方で示すという伝統があるのだが、誰も同時優勝のサインを見たことが無かったので全員何をやっているのかがわからなくなっていた。中1の頃から引き分けにくい競技でも永遠と引き分け続け、例年の進行を遅延させてきた報いが一番最後の決勝での引き分けによる同時優勝なのかなと思った。良くも悪くもうちの学年らしいと思ってしまった。

その後中1の子たちを、あまりにも遅くなってしまったがために閉会式を待たず帰した。中1の担任が揃っていたため無理にでも返す必要があった。融通の利かない先輩に見えるかもしれなかったが仕方が無い。

その後中1の教室の掃除を惰性でずっとしていたら気が付いたら閉会式が終わった。これは私の悪癖の一つで、夜間に行われる生徒用イベントをことごとく見逃す。閉会式しかり、文化祭の後夜祭しかりをとにかく見逃す。めちゃくちゃ興味があるわけではないので見逃した時はそんなに深いダメージを負う訳では無いが、普通に良い感じの奴を毎度見逃して、記念撮影などに写れないのは良くないのかもなと思う。

運動会が大盛況で終わった。明日は掃除の日である。一応ある8時10分登校がとにかく厳しすぎる。

(つづく)


運動会の後片付け日だった。

本来は臨時休校なはずなのだが、高3は後片付けを行わなければならない。少し遅れて8時25分ぐらいに着いた時には組内第3着だった。やはり皆疲労に対しては無力。

その後中1教室の本格的な掃除をしたり襷と呼ばれる布で作った体に身につける装飾物の三つ編みをほどいたりと、朝のうちから色々やった。中1教室は11時になってもまだ来てすらいない高3の私物が落ちてたりして居て若干イラっと来るところがあった。

私は他のクラスの教室を使用した時になんか痕跡を残すようにしているのだが、今回の運動会はこんな感じで画鋲をはった。”黒板には”メッセージを書かないでと言われていたので何にも悪いことはしていない。


答えは各自で

その後完全に仕事に飽きたので、何故か友人が多い8組へ行った。8組は変わり者が多い印象が強いが、それぞれキャラが立っている。漫画化するならココだと思う。私のただ唯一の親友も8組所属で、彼が編集長を務めた8組のパンフレットを見せてもらうことになった。

色々と感動したページがあったので無許可でこっちに貼ることにする。

まずはあみだくじのページ。何故か理由を聞くのを忘れてしまったのだが、編集長の彼は目次を作りたくなかったらしい。でも内容紹介ぐらいはした方が良いという意見が出たため生まれたものらしい。どこから読んでも良いというメッセージ性があみだくじに込められているという洒落っ気に感動した。これ発案した人と友達になりたい。と思ったが、発案者を聞いたらもうすでに友達だった。新しい友達は増えなかった。

他己紹介と言う高3個人個人を別の人の言葉で紹介するページがある。その中には軽い統一のアンケートや自分で何かしらを書いていいスペースが用意されている。それを8組の他の友人たちと見ていたところ、完全にニコニコ動画:Qとかの時代のオタクがそこにはいた。何をとっても完全にステレオタイプのオタクだった。奴には勝てない。その2次元から出てきたような完璧なオタクに感動し、それを周りで聞いている人に言っていたら「こんな詳細に解説されて初めて気づいた」と言っていた。良く今まで気づいていなかったなと思う。

興奮冷めやらぬまま。周りで聞いている人たちの紹介ページを私が見る流れになった。その中である一人の友人のページが、各文章書く文章全てが超高校級で、この文章を高3で書ける人が現実世界に居るのだとあっけにとられた。私の通っている学校はありがたい事に一応有数の進学校という事になっているが、妄想の中で出てきてしまうそれを凌駕するレベルの一般人は知り得ない学校があるんじゃないかと思った。(彼は一般人の事を面白がって下界に降りてきているはず。)

そんな奴がここには書いていないが知っているだけでも2人もいる8組が異常なのかもしれない。ただ本当に凄かった。

その後帰ろうとしたタイミングで軍手を伸ばして一本の糸にしようとしている友人の挑戦を見届けた。阿保らしいがかなり好きである。結果的にはその階層の廊下2辺分だった。変な実験だったが大変面白かった。

運動会が終わり、高3というものの第一部が終わった気がする。ここからいよいよ、大分長くしんどいかもしれないが、時間は無い第二部に突入すると思う。いよいよ6年間の〆がやってくる。少し怖い。

(おわり)


【本日の無い組み文字のコーナー】

ルーム
シェア


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?