2022年に観た中国ドラマ（現代・民国期劇編）その1

あっという間に2023年も2月に突入間近。いつまで経っても書き終わりそうにないので、とりあえずその1として分けて更新しました。
中国ドラマ、古装劇もおすすめですが現代劇や民国期劇も面白いのあるのでおすすめ！私のように陳情令や山河令から中国ドラマに入った方も、現代劇や民国期劇の扉を叩いてみませんか。
少しでも作品選びのお役に立てたら嬉しいです。
そして、前回記事でも紹介リンクは比較的入会している方が多そうなAmazonプライムに絞って紹介していますが中国ドラマはエンタメアジア枠に入っていることが多いので、観たい作品が合致したらエンタメアジアは入っちゃうのも良いかもしれません。私はU-NEXTで観てることが多いです。

「鎮魂」

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個人的、中国ドラマ内で大人の色気びっしょりかわいい男と男のただならぬ関係を描いたドラマNO1作品。

この作品でイチオシ俳優になった白宇（バイ・ユー）に、風貌だけでなく所作など全てが理想的な沈巍そのものすぎる朱一龍（チュー・イーロン）はもちろん、脇を固めるキャラを演じる各俳優陣も素晴らしいです。現代の架空都市でSF的な要素もあり、雰囲気としては特撮ものが近い気がしている作品。
こちらは以前に別で記事を書いたので、良かったら併せて読んでみてください。
https://note.com/saikoo_yht/n/n0a7a67267e65

「ダイイング・アンサー 〜法医秦明〜」

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こちらは法医学者が事件を解明していく科学捜査ドラマ。

主人公の能力はトップレベルだが偏屈な法医・秦明（チンメイ）役には慶余年から知ってイチオシ俳優になった張若昀（チャン・ルオユン）と、秦明の幼馴染で捜査に協力する警察官。林涛（リン･タオ）にはこの作品で良いなあと思った俳優の李現（リー・シエン）、秦明のもとに配属された新人法医・李大宝（リー･ダーバオ）にはこの作品で初めて知った俳優の焦俊艷（ジャオ・ジュンイェン）。
この3人がチームで動き、事件を解決していく全20話。
潔癖なところがあり、作中あまり出てきませんが洋服を自身で仕立てるのが趣味な秦明。タイトなシルエットのスーツ姿が張若昀のスタイルの良さとキャラクターの潔癖で偏屈な様子を引き立てています。
適当でお調子者なところがありつつ好漢な林涛は秦明が唯一心を許す相手で、そこに新しく加わった李大宝は、初めは女性だからと秦明に役立たずのレッテルを貼られてしまいますが、彼女は類まれない嗅覚の持ち主であり法医としても懸命に仕事をこなす姿に、秦明も偏見があった自身の考えを改め少しずつ仕事のパートナーとして大宝を認めていきます。
そんな秦明の姿に林涛も喜びつつ、3人で協力して事件を解決していくうちにまさにゴールデンコンビと言える関係になっていきます。秦明みたいな突飛なキャラクターが主人公だと、その周りが凡庸になりがちですが林涛は脳筋熱血マンみたいな暑苦しい感じではないし、女性キャラを色気担当にもしていない。それぞれが、自身の持ち場でプロフェッショナルな仕事をしているのが良い。

映像の作りで言うと、日本のドラマでも最新を追いかけてはいないのですがサスペンスは好きでちょこちょこ観ていましたがこの作品の検死場面や事件現場の再現はちょっと違うぞ。という印象でした。
どうやら原作者は実際の法医ということで納得。死体の内臓なんかはモザイク処理されていますが、たまーになぜか次のカットでは同じ箇所なのにモザイク外れてたりもするガバガバさなので、作り物でもそういう映像が苦手な方は少し注意かも。まあでもそういう人はサスペンスとか観ないかな。
個人的に印象に残っているのは、暫く放置された殺人現場のマンションの一室に蝿が大量発生しているという画面。
ここまで凄い絵をドラマなんかで観たことなかったので、凄いドラマだ！と思ったのでした。
あと、3人が遭遇する最初の事件が油で揚げられた人間の手が発見された事件、通称“ドブ油事件”なんですが、町の様子とか事件の背景とかが中国ドラマならではな部分も多く感じてとても良かった。3人で仕事終わりにザリガニ食べに行く場面とかすごく面白くて好きだった。

かなり血なまぐさい展開なんですが、そんな中でも3人のやり取りがふっと気が抜ける感じで和ませてくれたり、いつの間にか林涛と大宝が組んで秦明をからかうようになる姿とか、こうして文字にしてもピンとこないんだけどすごく楽しい。
ストーリーは前半は独立した事件のエピソードが展開し、後半は20年前に起きた秦明の父の死にまつわる謎に焦点が当たった展開になっていきます。
法医秦明はシリーズ化されていてシーズン3とか4とかくらいまであるようで、ストーリーは少し含みを持たせて次回へ続くというような展開で大結局ですが、単一ものとして観ても十分満足でした。脚本、俳優どっちも私の好みにばっちりハマった作品です。
残念ながらこの俳優陣で観られるのはこの1期のみで、他シリーズは恋愛メインになっていたりだとかして私の好みとも外れそうなのでノーチェック。
やっぱり張若昀の演技好きだ！

ストーリーに直接関係ないですが、李大宝がボーイッシュなショートヘアに大きいメガネ（かけてない時もある）でモッズ系のパンツルックですごく可愛かった〜！紳士探偵Lの秦小曼のスタイルが好きな人にも響くはず。
あと李大宝の愛車が二人乗りの車なんですが、これもすごく可愛くてお気に入り。あんな車で公道走ったら大変なことになりそうだけどw
科学捜査ドラマがお好きな方はぜひ！予告編にザリガニも出てる。

「河神-Tianjin Mystic-」

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こちらは民国期の天津が舞台のミステリドラマ。
河神と聞いて私はパッと河童を連想したのですが、作中の天津で皆に「河神」と呼ばれているのは広大な河から死体を引き揚げ弔いを行うという特殊な案件を専門にしている専門家のことを指しています。
河が人々の生活を支える天津。河の神をたたえる祭事の最中に、川底から死体があがり、その死体は天津の埠頭を仕切る漕運商会の丁（ディン）会長だった。

「河神」の師匠の唯一の弟子で、皆に「小河神」と呼ばれている郭得友(グオ・ドーヨウ)が主人公。演じるのは、先の「ダイイング・アンサー 〜法医秦明〜」で林涛を演じていた李現です。
郭得友には、幼い頃から兄妹同様に育ってきた巫女の顧影（グー・イン）がいて、彼女も郭得友と同様に実の親ではなく養母の巫の元で過ごしている。郭得友の師匠も顧影の養母も奇妙な呪術的なものを生業にしており、育てられた子どもたちも同様にいわゆる江湖の世界に住まう者。
それに対して、祭事で死体があがった丁会長の息子、漕運商会の若旦那こと丁卯（ディン・マオ）は家業を継ぐことを拒否してドイツに留学し法医学を学んできた化学的なことで物事を証明していくタイプ。父親の死の知らせを聞き、留学先のドイツから帰国して家業を継ぐことになる。
そして丁卯同様に天津の有力者の娘という立場ながら、深窓のお嬢様であることを拒否して新聞記者をしている肖蘭蘭（シャオ・ランラン）。この4人が中心となってストーリーが展開していきます。

感覚的な郭得友と現実主義な丁卯が衝突しながらも協力して事件を解決していくのですが、丁卯の父親の水死体から始まり、突如100体もの死体が河に揚がったことから天津を我が物にしようと目論む「魔古道」という集団と対峙することに…。
ゾンビと化した水死体（怖い！）や、死体や生きた人間の中に虫を入りこませることで操り凶暴化させたり（でっかい甲虫が口に入ったりしてヒェ〜）、魔古道がとある目的のために人間の子供を使って作り上げた「聖童」や（この魔古道を説明する時にアニメーションが流れるんだけど、不気味でよかった）、河の底に封印されたとあるものなどなど…それを盛り上げるのが各キャラクターの衣装うや全体の世界観。全体的にキッチュでどこかゾッとする不気味さが漂っていて、多国籍で非現実な雰囲気の衣装やセットなど、こういうの大好き！ちょっと前だとトリックとか、そういうの好きな人に刺さりそう。あとは横溝正史や江戸川乱歩の世界が好きな人にもすすめたい。翳りのある大正ロマン的なものが好きな人は堪らんと思います。あと丁卯の検死時の装備だったり部屋に謎のホルマリン漬けや骨格標本など山ほどあるシーンなんて、多分ティムバートン映画好きな人にも刺さりそう。
郭得友は死者の声を聞くことができるという奇妙な能力を持っていますが、その際のトリップ状態とかを表す表現がすごく不気味で良い。一癖も二癖もあって、ストーリーだけでなく画面でも存分に楽しめる作品です。
完全に架空世界なんだけど、きっちり作り込まれてるので没入できてこういうの本当に好きです。
OPの作品で重要になるワードを登場人物に言わせるスタイルの演出も観てほしい！あとEDのテロップ傍にワイプで出てくる小劇場みたいなのも好き！

この河神はシーズン2まで発表されていますが、残念ながら2期は郭得友が李現ではなく他の俳優が演じていまして、この作品なら2期も面白いとは思いつつ李現の郭得友がすごく良かったので私は1期で離脱。
いつか気が向いたら観るかもしれない…李現以外のキャストは変わってないというのが余計に辛い！
しかし1期だけでもぜひ観て欲しいです。癖になる〜。予告でちょこっと雰囲気わかると思うのでぜひぜひ。

続きはまた後日！