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2022年に観た中国ドラマ(古装劇編)

2023年になってしまいましたが、去年観た中国ドラマをまとめておきたくて記事を書きました。現代劇はまとめ切らなかったのでまた追々。
日本で配信されている古装劇は男女がクルクル回って抱き合ってキス〜みたいなラブがメインの史劇が多くやはり人気な印象ですが、その辺はあまり好みではないので色々選びながら観た作品です。
同じような好みの方にはお役に立てるかも。良かったら読んでください!

「琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~」

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私のなかで、別格の作品。
本当におすすめですが、できるならば古装劇はじめての視聴作品ではなく、ある程度の下地…耐性というのもなんですが、古装劇なんぞやがまあなんとなくわかる、「古装劇筋肉」がついてから見て欲しい。その方がより楽しめるはず。
とは言え、お好みのタイミングでぜひ。個人的には春から夏に見るよりも、秋から冬の長期休暇に視聴がおすすめ。
作品については下記の記事で既に書いたので割愛しますが、とても良い作品です。アマプラやU-NEXTなど各所で見放題になっているという素晴らしさ。
過去の記事は以下のリンクから。


「慶余年〜麒麟児、現る〜」

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Cinem@rtの特集記事がおすすめ。
1話につき4回ずつは観たし、その度に面白くて面白くて…大満足な作品でした。1点だけマイナス点を挙げるとすれば「完結していない」こと。

現代の大学生が自身の研究を教授に認めてもらうため、研究内容を小説にして教授の元へ持ち込むところから話が始まります。その小説は、“難病の青年が現代の記憶を残したまま、別の世界へ転生する”という内容で、この小説の内容が展開していくという流れ。
転生、ミステリ、朝廷の権力争いあり、武侠もの要素もあり。コミカルな場面はとことん面白く、ずしっと重い展開がありつつもメリハリが効いていて、何度膝を叩いて「面白い!」と言ったことか。私はもう1話から面白くて夢中になりました。緻密なストーリーに要素も多いんですが、その割に間口の広い作品な気がする。好きなジャンル傾向に関わらず、色々な方におすすめできるかな。
キャラクターがいい上に、演じている俳優もことごとくいい。女性陣も大好きだけど、やっぱり慶余年はイケてるおじさんに注目して欲しい。
特に、陳 道明(チェン・ダオミン)と呉剛(ウ-・ガン)の演技は国家一級演員の重みを感じます。とにかくすごい。そして主役を演じる張若昀(チャン・ルオユン)をイチオシします。彼の演技、大好きだ。
OP曲もED曲も、流れる映像(作中のシーンを再編集したもの)全部が好きで、毎回絶対に飛ばさず観てました。
重ねて言いますが、完結していないことだけがマイナス。
ちなみに肖戦も出演している(一部、陳情令と撮影時期が重なっていたらしい)のですが、私が大好きなED曲「余年」も肖戦が歌っています。彼の歌声は素晴らしいので、ぜひ曲だけでも一度聴いてほしい。肖戦は歌手としても、ほんとうに素晴らしいと思います。
歌詞がまたいいのです。中国語なので何となくしか理解できていませんが、慶余年の作品の奥底に見える切なさを掬い上げているような、素敵な曲です。


「成化十四年~都に咲く秘密~」

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中華BL界隈にはお馴染み、梦溪石老師の小説を原作としたドラマです。
また、アクションで有名な成龍(ジャッキー・チェン)が初プロデュースしたWebドラマとしても話題になりました。横店(中国のハリウッドとも呼ばれる浙江省東陽市の巨大撮影所)にも自ら赴き、アクションの指導をしたそう。
成龍率いる成家班(スタントマンチーム)が参加したアクションは確かに重厚でキレもよく、魅せることにも重点が置かれています。個人的には剣でのバトルだけでなく、体術の下に重心を置いたカメラワークが印象的でした。カッコよかった。各キャラクターもコミック的でキャラが立っているので、中国ドラマを何か観たいなと思っている方でも入りやすそう。

舞台は、成化帝が世を治める明朝時代・成化十四年。
都の行政機関である順天府で法を司る推官として抜群の推理力を誇る唐泛(とうはん/グアンホン)は、妓楼で起きた死亡事件を調べることになる。一方、秘密警察・錦衣衛の隋州(ずいしゅう/フー・モンボー)も、皇太子の学友が失踪した事件を調べていたが、偶然にもこの事件が妓楼の一件と深く交錯していることが判明し、共に謎を解明していくことになった二人は、この事件をきっかけにバディのような関係というよりは、隋州がオカンで唐泛が赤ちゃんみたいな関係になって隋州の家に唐泛が居候したり、隋州がごはんをせっせと作って唐泛に食べさせてあげたりする関係になります。
そこに派宦官の汪植が参加して、奇妙な協力体制を組みつつ都で起こる様々な事件を解決していくストーリー。記憶力抜群の子・冬児、唐泛の友人である医者・裴淮(個人的にイチオシ)が捜査の手助けをしたり。異民族のオイラト人との関わりや、没落させられた皇族たちの思いなどが絡みあうストーリは、想像以上に見応えありました。
でもそれを重たくし過ぎないのは、キャラクターのキャッチさなのかも。
個人的には公式サイトが推しているほど「ブロマンス」を感じませんでしたが、知己まであと3歩くらいかな。唐泛がもうちょっと周りを見られるようになれば、知己!という感じ。隋州がんばって…。
すごく面白いのでおすすめです。公式サイトで予告だけじゃなく特典映像とかも観られます。


「射鵰英雄伝 レジェンド・オブ・ヒーロー」

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武侠ファンには言わずと知れた金庸の武俠小説『射鵰英雄伝』を原作としたドラマ全52話。今まで何度も映像化されているようですが、私が観たのは2017年版です。金庸は、墨香銅臭先生が藍忘機(‪魔道祖師)のモデルにしたと言われているキャラクターの生みの親だし、武侠小説を代表する作家だということで翻訳小説を読んでみようとしたものの挫折。武侠への知識もなんとなく深まってきたので、そろそろ金庸作品の洗礼も受けとこうと思って視聴しました。

物語は13世紀初頭、南宋と金が対峙し、北方でモンゴルが台頭しつつある時代を背景に、モンゴルで育った漢人の若者郭靖(かくせい)が、江湖の荒波に揉まれながら人間的に成長していく姿を描いた作品。
まさに武侠作品なので脇役がとにかく多く、「東邪」「西毒」「北丐」「南帝」「中神通」「老頑童」「鉄掌水上飄」と呼ばれる武林の強者たちや、「江南七怪」の異名を持つ武芸者の集団など、毒を操ることに長けた者や武功に秀でた乞食集団(丐幇)といった、まさに今後の武侠作品のベースになったのを窺わせる面々が活躍するので、山河令を観た人なんか楽しめるのではないでしょうか。私は、江湖の最大組織である丐幇の第18代幇主「北丐(洪七公)」が好きでした。唯一まともなこと言ってる気がしてw
三部作の一作なので全体を知るには他のも視聴するべきなんですが、いわゆる元祖だからなのか演出等はコッテリめに感じてしまい、とりあえずこの一作だけで満足かな。
初心者にはおすすめしませんが、江湖とか武林とかもうちょっと知りたいなと思ってきたらぜひ観てみてください。

「風起洛陽~神都に翔ける蒼き炎~」

配信は今のところWOWOWオンデマンドのみなはず。Blu-ray発売が決まったので、今後配信が増えるかも。
王一博(ワン・イーボー)と黄軒(ホアン・シュエン)がW主演の作品。工部尚書(中国古代の役所で、工部は建設などを担当した。尚書は長官のこと)の息子で、ずば抜けて頭がキレるが人心がわからない顔の良いボンボンという「こういう王一博見たかった!」を全力で叶えてくれる作品でした。
セットも豪華で、映像も美しく、陰影を大切にしている画面づくりは映画じゃん…と思うような仕上がりでした。

舞台は武則天が建立した王朝・武周の神都・洛陽。
不良井と呼ばれる貧民街で暮らす高秉燭(ホアン・シュエン)は、5年前、皇太子襲撃事件に巻き込まれて仲間たちを亡くしており、以来彼らの仇を討つことだけが生きる目的になっている。ある日、密告をするために洛陽を訪れた父娘が殺される事件が起きる。彼らが訪れた相手は工部尚書の父親を持つ百里弘毅(ワン・イーボー)だったが、弘毅自身にはなぜ彼らが自分のもとを訪ねたのかわからない。その後、弘毅は洛陽随一の名家である柳家の娘との婚礼の日を迎えるが、その夜、父親が何者かに殺されてしまう。容疑者となったのは、現場に居合わせた高秉燭。宮中警備を担う内衛の武思月は捜査を開始するが、彼に近付くうちに真犯人が別にいることに気付く。それぞれの想いから事件を追う3人は、やがて洛陽全体を巻き込んだ巨大な陰謀に近づいていく。

女性が能力に応じて評価されない苦しみや、弱い立場の人たちへの差別や家族内の確執などが、神都を巻き込む陰謀に上手く織り込まれています。とにかく王一博の演技が好きなら絶対観てほしい。黄軒と共演したことにより、より彼の良さが引き出されたのでないでしょうか。黄軒はちょっとキザっちい野性的な男の演技がうまい。女性陣の活躍も良かったです。
不良井出身の高秉燭がスラスラっと文字を読み書き(書いてた場面あったか忘れたけど)しているのにはちょっと不思議でしたが、きっと5年の復讐を願う期間に努力して学んだのかもしれない。そのくらいはやりそうな男だ。
効果音の使い方がよかったし、ED曲の「心念」が大好きで毎回聴いてました。翻訳された歌詞も良い。


「開封府~北宋を包む青い天~」

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中国はもちろん、タイ、韓国など東アジア圏で『包公』『包青天』と尊敬を込めて呼ばれ、あらゆる世代に知られている包拯(ほうじょう) 。その人気ぶりはあの諸葛孔明や関羽にも引けをとらないそうです。北宋時代末期に活躍した役人で、 その清廉潔白で公正無私な姿から中国史上で最も愛されているのだとか。

ドラマはその包拯を主人公に、次々と起こる難事件を"宋王朝の大義"の名の下に腐敗した官界に反撃し、事件の裏に潜む皇族の陰謀、権臣の思惑、奸臣の不正を暴いていく姿を描きます。奸臣の不正を公正無私に裁く一方、自分の身内に降りかかる陰謀に対しても公平を貫き苦悩する包拯。彼を支える義姉や開封府尹の娘との複雑なロマンスや、江湖の南侠も登場して、朝廷ものがメインですが武侠ものとしても楽しめます。個人的には包拯の後の部下になる開封府の捕史、王朝・馬漢コンビが好きでした。
皇族の陰謀がメインなので皇帝(仁宗)やその周辺の人々を好きになれなかったのにはイライラしたりちょっと辛い部分ありましたが、包拯の周辺はそうでなくキャラが立ってて楽しめたので良かったです。
包拯は序盤はかなり大げさな演技演出なのですが、それも彼の心情に合わせてなのか少しずつ変化していくので、彼が人間離れした清廉潔白さであることを表すためなのかなと思いました。肌の色が黒いというのも、どうやら京劇から引用されているようです。中国らしい「家」に重きを置き、大切にする感覚は日本人には完全に理解し難い部分ですが、こういう作品を観ていくと少しずつ掴めてくる気がします。

「風起隴西-SPY of Three Kingdoms-」

配信は今のとこをWOWOWオンデマンドのみ。早くBlu-ray発売のお知らせが聞きたいです!

鎮魂に出演していたのをきっかけに、この俳優の演技もっと観たい!となった白宇が主演の作品です。上陸前から観たくてたまらなかったので、こんなに早く放送してくれるなんて…本当にWOWOWには感謝しきり。
作家、馬伯庸の原作をドラマ化した作品。風起洛陽の原作者でもあり、長安二十四時など他にもドラマ化された作品があります。

舞台は中国の三国時代、西暦228年に始まった蜀による魏への北伐という実際の史実を背景として、曹魏に潜入する蜀漢の間諜(スパイ)など三国時代の動乱の裏で暗躍する間者たちの壮絶な諜報戦を描いた作品。
ノンフィクションの中にフィクションを巧みに潜ませ、歴史に埋もれただろう名もなき人々を描くのが馬伯庸の得意とするところのようですが、この風起隴西は24話しかない、中国ドラマにしては短く軽めの作品に多い話数設定なのに、とにかく重厚で緻密。一瞬でもよそ見したら振り落とされるから、全身全霊で観なければと感じたドラマって経験が無かったです。
本当にすごい作品を観た。
とにかく良かったのでこれは別で記事書きたい!中途半端な内容ですが今日はここまで。


2023年も良い中国ドラマとの出会いがありますように。WOWOWで始まる夢華録が楽しみです。

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