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育成カテゴリにおける勝利至上主義を考える

スポーツ界において部活動での体罰事件など、負の部分がメディアなどで多く露出することをきっかけにし、スポーツ界の育成カテゴリーにおける勝利至上主義の問題について語られることが最近多くなってきたように思います。

そして野球界では、桑田真澄元選手を筆頭に現DeNAの筒香嘉智選手といったトップカテゴリーのアスリート達が声をあげ、育成カテゴリーにおける行き過ぎた勝利至上主義に対して警笛を鳴らしています。

本記事では、勝利至上主義について考察を深め、それに代替する新たな主義を探っていければと思います。


勝利至上主義とは何か?

勝利至上主義とは、スポーツ競技などにおいて対戦相手に対して勝つことを絶対的目標(最優先事項)とする考え方を指します。

スポーツは勝敗をかけて戦う以上、勝ちを目指すことが当たり前のことだとも言えます。特にプロスポーツという領域において、アスリートの仕事は試合に勝つことです。この領域において勝利至上主義が存在していることは当然のこととも言えます(もちろん、アンフェアなプレーやドーピングといった違反行為は許されないという前提のもとです。)

一方で、プロスポーツではないアマチュア、特に育成カテゴリーの現場では、勝利至上主義が蔓延し、様々な弊害が起こっているというのが現状です。ここからは『育成カテゴリにおける勝利至上主義』に範囲を絞って書いていきたいと思います。

勝利至上主義がもたらす弊害は何か?

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バレーボールに関する記事を執筆しています。バレーボーラーにとって有益な情報を提供することをコンセプトにしています。