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【ちょうちょ 結び】

どこから、始めればいいんだろう。
どれだけ、整えればいいんだろう。
どこが、正解なんだろう。

この目の前の
ただの直線が、
奥行きのある
あの 柔らかい 立体になるなんて、
誰が運んできた魔法なんだろう。


効率良く 役に立つ だけを求めてたら、
きっと、生まれてなかったこの結び。

身体が勝手に動くまで
無意識に落とし込まれて
生まれた子どもへ
必ず継承され続けた技術。
世界中の全ての人が知ってる魔法。

これは、
なんでもない日常に
ほんの少しだけ
「彩り」「潤い」「癒し」を求めて、
生まれ落ち、
今日まで受け継がれ続けてきた魔法。


*

両方を
柔らかく掴んで、
大きな輪を創る。

その中を通って進むと、
自然と停止する場所がある。

来た道を振り返ると、
もう交わっている。


締めすぎず、
緩めすぎず、
力まず、
滑らかに、
ふわっと。


美意識に任せて、
出来るだけ左右対象になるように、
輪を大きく見せたり、
裾を伸ばしたり、
向かい合ったり、
少しでも 喜んでもらえるように、
ちょっとでも 見てもらえるように、
キレイにバランス良く整えていく。

左右で全く違う道を進みながらも、
最後は、
対になる同じ形を形成できますように…。


でも、ときどき、
どうしても、
上手くいかなかったり、
こんがらがったり
納得できないときもある。

そういうときは
全て ほどいて、
なにもなかったときの、
直線に戻せばいい。

今まで費やした時間なんて
くだらない事は考えず、
また、0から始めればいい。

それでも、
私は結びたいと思ってしまう。
あなたと何度でも…。

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