春猋

沓む鹿の鈴ふたつ、わすれた山路をゆくとき
巌おりる又三郎の ふじのほをゆらす
うちなびく 梢に露ムラサキがあたらし、と
つまむ草が夢見あと 泣く雲雀や声のみに高し

えりにすくみ埼のさきの風の声ひく夜の弓はいずれにか

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