春火鉢

わたり雪とけ水のとおからず はこぶ炭焔もながからん
温めし爪先にさはるは夢のつづき もういちど
右が左にうつりいくたび 桟紙に呼ぶは何の声や
梅さくはちの 赤いが音をたてて灰となる

雲のうへ南さりしや冬のうたかえすはしぶきに濡れる砂と靴

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