寒靄

紫草姫うす衣 けぶる水墨の湖にたち
月影はまことに届かず、ただ笠に垂るるのみ
竿さす老舟の波あと、いちびきの涙となりて
さぐり想ひ出づらめや、桃色の宴のことも

五白なみ塵だつ江戸の華や咲かしむ

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