待春

ならおちばたき しも芝原が白煙のみち
夕暮れゆく鳥のくらき影も、今はなき巣にかへりぬ
羽の袖のつくろひて春 まつ雪の落ちかかり
けしかけ燈の残り火にゆれ 細に丸めた肩のよる

たちうかびし水母か月かこごる潮なに

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