手作りの今

僕ら今しか無くて。
生命を全うする時計はあと何周すれば役目を終えるのだろうか。

手作りの不格好な愛を固めて切り取って、貼り付けて、いつからか手の感覚でさえも失いつつある。

限られた時間の中で、暖かい部屋の中に誰かが帰ってくると信じ今日も生き延びれたのだと自分を慰めている。

知るのが怖いのではなく失うのが怖いのです。

どれだけ叫ぼうが手に入れる喜びよりも哀しみの方が勝ってしまうから。

潰れた目から涙を流し、身の回りにあるものでさえ疑って、今日も朝日が眩しい。

生きている痛みに今日もつなぎ止められながら、昨日の誰かの優しさを食べて死なずに死んだわ。

誰も何も神様も邪魔させないぐらい、天国に行きたい。
地獄なら愛している仲間と共に。

宝石みたいな愛が欲しかった、どこでもひとりで眠れる布団が欲しかった。好きな人の好きな人になれるお洋服が欲しかった。

愛よ、尊くあれ。例え何も届かないとしても。

そう願いながらいつの日も死んでいくのだろう。
生きている今は極彩色でけばけばしく、眩く、暗い。

毎年同じ場所に花は咲くのにね。
隣で眠っていても同じ夢は見れないと突きつけられる度に世界の終わりを知る。

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