蒼き日々

朝が来るまでは僕らだけが正義。

神様が見ていない雲の切れ目に約束をしよう。

永遠に終わらない約束。また明日。

同じ濃さの血が流れていたらよかったのにね。

僕らばらばらにならずに済んだ。

君の体温が僕よりも少し高いところが気に入っている。

手の届く範囲でしか人やものを守れないんだと気がついたのはいつの頃だっただろう。

風が怖いと思う時がある。すれ違い様の視線が怖いと思う時がある。

何も傷つけたくない。宝物のように、割らずに、柔らかい所へ丁寧に包んで置いておきたい。

傷つくにはあまりにも僕ら幼く、物事を知りすぎるぐらいには知っていた。

朝が来るまでの間は僕らの居場所だ。

月は見て見ぬ振りをしてくれる。

やさしい化け物みたいな僕らのキャンバスはいつも赤い海。

どれが普通かなんて何も役に立たなかった。

隣にある誰かの優しさが、ずっと同じ灯で照らし続けてくれると疑わずにいれる人が羨ましい。

孤独だから誰かを感じられる。
人は人でしか抱きしめられないのは古来から続く僕らのさだめ。


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