山火

ああ、もう陽が落ちる。
あなたの目は燃えるような炎で出来ていて時折私を燃やし尽くすのだ。
哀しみと憂いを混ぜたその色は、鈍色の過去をそっと慰める。
耳の奥で鐘が鳴り、手を導かれて私はまた旅に出る。
こうした戯言を書き留めては心を正す。
どうかあなたなしの私を許して欲しい。

血と成り肉と成り、私と共に在る。
消えることなんて、ない。
私が死んでも。

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