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秋の乗り放題パス「ぐるっと西日本!2日目~小浜・城崎」

2024.10.12(土)

福井の朝は早い。…と書くと、朝市かなにかに足を運んだような書きぶりかもしれないが、駅前のネカフェから歩いただけだ。

彼も眠そうにしている

ここから今日はまた日本海沿いに…、
そうだな、島根に入ることが最終目標だな。

引き続き、ハピラインふくいに乗って敦賀を目指す。今日も始発から終電まで、がんばる。旅であるのだが、がんばるという言葉が正しいのだろうか分からない。

ホームの足跡まで恐竜だった。

実は、昨日は鯖江まで行こうとしていた。
(敦賀にネカフェがなく、最寄りが鯖江だった)
しかし、鯖江で満室、路頭に迷う…は避けたかった。

こうして敦賀行に乗り込んだ。
コンビニで買ったおにぎりを口に突っ込み、福井新聞を見る。旅行先で暇つぶしがてら地方紙を購入するのは、ちょっと面白い。初めて見聞きする地名もあるし、そんな区分があるんだという分け方もあったりするし。

まだ日が昇らない。西へ来たんだなという実感がわく。

武生から乗り込んできた男子中学生?高校生?の5,6人のメンバーが始発だというのに騒いでいる。ラッシュ時なら気にならないのかもしれないが、スマホの動画を見せ合っているようで、車内に音が響く。あと数駅で…とも思ったが、電車は長さ10km超の北陸トンネルに入った。

敦賀では乗り継ぎ時間が短い。
3分しかないが、福井から交通系ICカードで乗ってしまったため、一度改札にタッチしに行かなければならない。新幹線開業前の敦賀駅しか知らないため、改札って遠かったっけ…?と思いながらドア開とともにダッシュ。思ったより長い階段を降り、タッチしてまた戻るころには発車時間ギリギリだった。

小浜線は初乗車。この規模のローカル線には珍しく?電化されている。

2両編成の電車。

日本海というと、どこまでも続く海岸線と砂浜…のイメージが多いが、それはあくまでも東北の日本海側ということであって、ことにこの福井県西部はリアス式海岸…あれれ懐かしい響きだ、となっている。

もっとも、自分の住むリアスとちがう雰囲気は何だろう。山地が海ギリギリまで迫ってきていない圧迫感がないためだろうか。それとも京都に近いための文化の蓄積なのか。あるいは北前船の交易で賑わった交通の要所だった名残なのか。いずれにしても、三陸とはちょっと違う。陽…の雰囲気がする。

同じ鉄道路線でありながら、開業が古い小浜線は長大トンネルではなく、小刻みなアップダウンを繰り替えしながら西へと進む。入江があり、それにくっついた集落があり、そこに駅があり、発車すると高度を上げてトンネルをくぐり、また入江の集落があって…ということを何度か繰り返しながら、路線名にもなっている中間駅、小浜に着いた。

入れ違いに練習試合?に行く中学生野球部が乗り込んできた。
余談ながら、車両運転台同士の連結の時にヘッドライトを付けっぱなしにしている光景を見ると「西日本に来たなあ…」と思う

小浜という町を初めて知ったのは…こち亀だったりする。
漫画なんてほとんど読まない(買ったこともない)自分でも、この町を紹介した回は不思議と印象に残った。海に面した城下町であることを、その回で知った。

朝7時半、観光協会の事務所がやっているということもなく、とりあえず駅前をぶらついてみることにした。駅前の聴覚障がい者向けのメロディー、「通りゃんせ」だったなあ。何年ぶりかに聞いたなあ。

駅前通りを15分ほど歩くと橋に出た。南川という川をまたぐ橋は道路部分が工事中で通行止になっていて、歩行者だけが渡れた。

川の中州のような場所に、城跡の神社があった。

神社のすぐ近くまで市街地が広がり、荘厳な雰囲気というわけではありませんでした。
市民の憩いの場…という感じかな。
このように周囲に石垣が残っています。
海と川に囲まれた城…おそらく築城は困難だったのではないでしょうか。
地盤もだし、物資輸送とか大変そう。
それでもなお、ここに城を築くのが最善だろうという押しが通るほど、
北前船輸送時代の繁栄って凄いものだったんでしょうね…。

城のすぐ脇まで住宅地が迫る。
ここは海に近い、しかも川に囲まれた地区。よほど過去に水害がなかったのだろうか?

板張りの外壁が多い。日本海側の特徴なのだろうか。佐渡にも多かったな。
建てて間もないような家にも板が貼ってある。

駅への帰り道、来た道の一本裏手の道に入ってみると、突き当りから漁港に出た。防潮堤などはなく、家の5m脇に船溜まりがあった。

三陸と同じリアス海岸でありながら、この距離感の違いは何なのだろう。

のどかだと思う。だが、この感覚はなんだろう。ふわふわする。
海と人との距離感というのは、もともとこんなものなんだろう。
そこに、コンクリートなんて必要ない。というのは、暴論なんだと思うけど、神代の昔から海とともに生きてきた同じ民族が、ここまで自然との共生について認識の違いを表すのは、何なんだろうと思う。

その漁港の近くに、湧水があった。この距離で真水がこんこんと湧くのは見たことがない。屋根もあり、連休初日の朝だというのに水を汲みに来る人の多いこと。

水を手に掬って、口に流し込む。ほのかに温かい、うまい水の味がした。

調べると、歩いて1分くらいにまた湧水があるらしい。
行ってみた。

海、船、車、住宅街の脇の駐輪場みたいな掛け下げに水が湧く。
きっと温泉のように、さっきの水派とこっちの水派に分かれているんだろうな。
いったいどれだけの小浜市民が
津波のリスクを日常生活の中で考えているんだろう
とか言いながら、こんなもの撮っています。

小浜駅に戻ってきた。どうやら今日は津波避難訓練を行う日であるらしく、防災無線が鳴っている。東舞鶴行の電車を待つ人たちはそんなものに気を留めていないようで、駅前商店街も平穏な様子だった。駅前の消防署だけが慌ただしかった。

東北ではまず見ない、開けっぴろげな改札
駅構内には蒸気機関車時代の給水塔が残っていました。
水に恵まれていた町ならではの産物かもしれませんね。

8時半が訓練開始のようで、駅に電車が着く直前にけたたましくスマホが鳴動する。エリアメールだ。ここでこれを聞くことになるとは思わなかった。

今回、1時間しか小浜にはいれなかったが、もし自分が移住する機会に恵まれたら、まず候補に挙げたいくらい素晴らしい町だった。その理由は、海と町との距離感であるに他ならなかった。

今度は、1泊…、いや、2泊はしてみたい。
温泉という理由でもなく長逗留してみたいと思ったのは初めてかもしれない。

海が近い。天気もいい。

おおい町、原発で名高い町。
上って、下って、海が見えてを繰り返すと、電車は京都府に入り、終着の東舞鶴に着いた。ここからは舞鶴線となり、京都までの特急も発着している。

であるのだが、思ったよりこじんまりした駅だった。高架になっているとはいえ、ホームは2番線までしかなかった。

ここから1駅先、西舞鶴からは天橋立までの京都丹後鉄道が分岐している。大いに魅力的であるが、今回はパスしようと思う。

というか、舞鶴の海軍施設とかも見たかったぞ…
ここから北海道までフェリーが出ていることもあり、港の規模は小浜の比ではない。そして、漁港という雰囲気でもなく、洗練された町の雰囲気がしたのは曲がりながりにも京都府に入ったからだろうか?

綾部から山陰本線に入り、電車は福知山まで直通する。
脱線事故の影響でもろに風評被害を受けた町かもしれん。

駅前には転車台がモニュメントとして整備されていた。
福知山市の案内図、広田半島に似ていたので思わず撮ってしまった。

さて、ここまで1日半、連続して普通列車のみ(快速にすら乗っていない)で乗り通してきたが、ここからやむを得ず「特急」に乗ることにする。

やむを得ない。どうしてもこの先の城崎温泉を満喫したいのだ。そのためには課金するしかない…諦観だった。

あまり西日本の特急車両に詳しくないこともあり、あれ、この形式なんだ?と思った。
北陸にでも行きそうな車両…

特急こうのとり3号は、指定席のみ。
ならばいっそこの1時間を有意義に乗ってやろうと思い、車両の一番後ろ、すなわち背後は壁の席を選択した。ここならば思いっきり座席をリクライニングすることができる。

連休初日の昼というのに、車内はひどく空いていた。不〇…?というような2人組の乗客も数組。まして、終点は温泉地ときたもんだ。

座席の背後、壁側にコンセントがあり、ここぞのタイミングでスマホを充電する。

和田山には古いレンガ積みの車庫が残っていた。
ここからは播但線が分岐する。播但線、未乗なんだよなあ

兵庫県に入った。

和田山から右手に川とともに並ぶ。円山川だ。豊岡からはさらに川が近くなる。川幅が広くなり、河口に近いことがわかる。城崎温泉には昼前に着いた。

湯めぐりをするために特急乗ったんかいと小学生のころの自分が聞いたら呆れそうだ。城崎は外湯めぐりができる温泉であり、宿泊ではない旅行者にも好評なのだとか。

駅を降りて温泉街へは土産物街が続く。
いい感じに景観が整備されているが、歩道がないのが怖かったな…
まずは風呂に入るために風呂屋に行く。
どうせ昼時だから空いているだろうと予想。
温泉・小料理屋、ともに外国人が多かった。
京都や大阪からダイレクトに来れるのがいいのだろう。

風呂を2か所ハシゴ。
日本海に近いこともあり、やはり海鮮料理が多い。

浜坂行の列車に乗り込む。

一駅先の竹野を過ぎると、日本海が再び迫ってくる。

下校途中の高校生が一駅ごとに降りていく。
旅行者の比率もそこまで高くはなく、地域利用の乗客が多い。

俗にいう、「山陰」と呼ばれる地域に入っていく。

香住駅の改札では、乗客をカニがお出迎えしていた。
というより、ホームにもカニのハサミがあった。