学生時代大好きだった人が結婚した①

あの頃の私は確かにキモかった。

願書提出の日、わたしは電車を乗り継いで、県内でも田舎と呼ばれる場所にある学校へと向かった。

想像通り、駅からは遠いし周辺にはマクドナルドもスタバもない。魅力的なのは校舎だけ。

中学の同級生の誰とも被りたくない。私のことを知らない人たちだらけの場所で、以前の真面目で人見知りなイメージだった私から脱却したいという強い思いだけで受験勉強に励んだ私は、1人で受付へと向かった。

変わりたいという微かな希望を持って足を運んだ矢先、並んだ列の二つ前に、なんとも気怠そうな男の子が携帯をいじりながら立っていた。学ランで単語帳を開いている真面目そうな人だらけの中、ブレザーの彼は一際目立っていた。

後日、同じ教室、同じ列で受験をした彼と私だけが合格したことが判明し、心の中でガッツポーズをした。これが一目惚れってやつなのか?

入学式では同じ学校出身の人がいないため、人見知り克服のために気の合いそうな子に声をかけて仲良くなった。

教室に戻ると、二つ隣の席に彼がいた。

ここからが私の痛い片想いのはじまりだった。

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