朝からドリアンを食べられる幸せ
いつものグエンバンチョイ(Nguyen Van Troi)市場に行って、どっさり買物をしてきた。
今朝、目についたのが、マンゴやマンゴスチンを蹴散らすように、ドカンと山になってかまえるドリアンの群れ。
土曜日で他人に会うこともないし、ちょうどいいと1個買った。
旨いのとそうでないのと区別ができるほど通じているわけではないが、あれこれ吟味した挙句、勘を働かせてエイ、ヤーで選んでみる。
美味しいのに当たることもあるし、そうでないときもある。
外れたら、また次回買えばいい。いくらもしないのだから。
選んだドリアンは2kgのもの。kgあたり5万ドンなので、こいつ1個でちょうど10万ドン(500円)だ。
ぼくが選んだドリアンの一房一房をドリアン売りのおばさんがナイフでこじ開け、中身を確かめるように促した。
「良し」
それで、今日は買物が多くなりそうだし、パック詰めにしてもらう。
おばさんはキッチン手袋を取り出してはめ、ドリアンの殻を割って、房の中身を白いスチロールパックに収めてくれた。
このおばさん、マンゴも売っていて、これがまた大きくて美味しそうだったので、これも2個1kg分を買った。黄色く熟したのにするかと訊かれたが、まだ青いのにした。
家に帰って、屋上で体操をして、シャワーを浴びた後、早速、ドリアンに取り掛かる。
2kgと大きくて、身のある房が5つもあったので、ボリュームは十分だ。
今日1日では食べられないだろうから、残ったのは明日にすればいいと思った。
スチロールパックの蓋を開き、まずは一番大きな塊を一つ指でそっとつまむ。
果肉が非常に柔らかくて、すぐにつぶれそうな感じだ。それを口に入れる。
すると、ほのかな香りのような甘みが口いっぱいに充満した。果肉はとろとろに口の中で溶けていく。
うまい。なんとも言えないうまさ。
さらに、次の塊。
これも、チョコレートの甘みとはちがう、もっとナチュラルな甘みをいっぱいに広がらせながら、口の中でとろけてゆく。
三つめを食べて、でも、まだ食べたくなって、さらに塊を指でそっとつまむ。
そうして、次々に。ついには、400gあった塊の山はなくなってしまった。
これまで食べた中で、最高にうまい逸品だったかも、という思いがよぎる。
きっとそうだろう。
土曜日の朝から最高に美味しいドリアンを食べられるとは、なんてぼくは幸せなのだろうと思った。
しかも、今年最初のドリアンだ。
きっと今年はドリアンを食べるべき年なのだろう。
また次回も楽しみだ。
習得困難な #ベトナム語 を巧みに操り交渉事を纏める「ベトナムの達人」#サイゴン 在住23年を経て2018年から #ハノイ 住まい。本業は #アパレル #生産#ベトナム の今を呟く。