2021/10/15(金)

 朝引っ越し屋が下見にくることになっていたので、二日酔いの身体をおこしてがんばってシャワーを浴びる。引っ越し屋が来て、家の中に入ってきて話をしている。クローゼットの前に立って。いすを出そうか迷う。うちには客人をちょっと座らせるような場所はない。話の中盤で、引っ越し屋に、どうぞ座って話を聞いてくださいと言われたので、わたしはソファに座り、引っ越し屋にいすを出す。いすが揺れて座りづらそうなのを見る。
 引っ越し屋が去り、段ボールは引っ越しの一週間ほど前にもらうことになったので、それまでにものを減らそうと思う。こちらに来てから本棚がふたつ増えたから、まずは本。1/3にせねばならないということか。ここ数年で暇を持て余して中古書店で買った思い入れのないまんがをほとんど出す。いちばん多い文庫は、どれを手放していいかわからなくて手がつけられない。全体で1/3なんてとんでもない、7/8くらいにはなっただろうか……というくらいだ。どうせ読みかえさないのだから、とてもすきな作家のもの以外手放していいような気もする。雑誌は手放したら手に入らなそうだから捨てられない。高校の時のバンドスコアもまだ本棚に入っている。捨てられない。一生持って生きるつもりなんだろうか。
 それから、洗面台下のいらないものをごっそり捨てる。買って使ってないブリーチ剤とか、なんであるんだろう。もうセルフブリーチはきっとしないから、捨てる。
 そういえば後輩とお昼を食べる約束をしていたのを思い出して、連絡する。二日酔いがしんどいので、申し訳ないねと思いながら家の近くを指定して、来てもらう。仕事のことで相談があったので、話しこんだ。問題がありすぎて、ふたりで黙りこむ。ままならない。
 解散して、わたしはもうやることがなくて、やりたいこともないことに気づく。休みにただ寝ているだけでは精神衛生的によくないことはわかっているので、楽しいことってなんだっただろうとがんばっておもいだして、カラオケが思い当たり、一瞬で家を出てカラオケに向かう。家からいちばん近いところは休業中で、すぐとなりの店にも行ってみる。誰もいない暗い雑居ビルのエレベーターのボタンを押して、やってんのかなここは……と思いながら乗り込むと、うしろからひとり女の人が乗ってくる。あ、居酒屋のスタッフさんとかかな、やってなかったら恥ずかしいな……と思いながらカラオケの階につきとびらが開くと、明るく営業していて、その人も後ろから降りた。フロントの人に「ひとりです」というと、「最短で17時ですねー」とかえってくる。マジか、超やってんじゃん、と思ってすぐ踵をかえしエレベーターのボタンをおすと、うしろの人も「17時ですか? ひとりでもですか?」とたずね、すぐこちらにきた。ふつうに同じ状況の人だった。エレベーターが来たので乗って、どんなテンションかなと気になってしまい、「混んでるんですね」と話しかけてしまう。すると、ほかに近くにないですよね? と聞かれたので、徒歩5分のところを案内して自分は去る。わたしは5分歩いてもう一店舗ためす気力はなかった。スタバに来てこれを書いている。帰って青椒肉絲を作ると思う。

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