リアル 日本沈没か?関西には地震はないはず!

 箪笥の下から助けられた私が初めに見た光景は、リビングの異常な有り様…
 テレビは ほぼ反対の壁まで飛び(当時はいまと違って ブラウン管のそれなりに重量のあるテレビ)、ピアノも位置がずれていました。ピアノに後ろには、蝶番がぶつかった跡がクッキリと残っていました(写真参照)。
 一番のショックはテレビの台座の下の物入れに入れていた ブック型の白と緑色のカミュのブランデーが跡形なく割れていたことでした。思わず絨毯を吸いましたよ。
 気を取り直して、ベランダから外を見ると、東側の大阪方面には まだ薄暗い中何本かの煙が高く上っているのが見えました。目の前のゴルフ場のボール避けネットの鉄柱の頂上部を隣同士繋いでいたポールが道路側に何本も落ちているのが見えました。交通量の少ない時間帯でよかったなって思ったのを覚えています。反対側 西側は、マンションのすぐそこで道路はカーブして丘陵地に入って行くですが、そこの電柱は根こそぎ倒れ、車がUターンせざる得ない状況でした。
 関西には、「大きな地震はない」と思っていましたから、『これはリアル日本沈没だ!関東か東海の大地震の余波が来ているんだ!大変だ〜』としか思えませんでした。
 もちろん、電気も水道も通じていません。ガスは怖くて点けられません。マンションの館内放送も、ウンともスンとも言いません(電気が通じていないにですから、今から考えると当たり前なのですが。玄関は、飽きました。こちら側にマンション住人の駐車場があるのですが、何台かに人が乗っている気配が… 何をしているかと一瞬思いましたが、カーラジオを聴いているということがわかりました。
 学生時代からの 深夜放送 ながら族の習性なのでしょうか 寝しなに子守唄代わりにラジオを聞く癖がありました。
 探し出したラジオからは、「近畿地方で大きな揺れ」と連呼していました。リアル日本沈没ではなく、地震の真ん中にいるようだとわかりました。

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