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【一日一捨】 墨汁

物を擬人化し、感情移入し過ぎるきらいがある。
愛着のある物だけでない。特に愛着などなくても、ただ長く家にあったというだけで擬人化し、感情移入してしまう。

物を捨てられない理由には二通りある。
もしかしてまだ使えるかもしれない、もったいない、という思いと、もうひとつ。捨てたら可哀想、という感情。

たとえば、ふたつ揃いのカップなんかのひとつが割れたとき、残されたもう片方が可哀想とか考えてしまう。あるいは、ゴミ捨て場に置かれた物の気持ちなんかも考える。うちのマンションは24時間ゴミ出し可で、収集日に管理人さんが収集場所に出してくれるのだけど、それまでゴミ置き場にずっと放置されっぱなしになるのがなんだか可哀想に感じてしまい、なるだけゴミ回収車が来るギリギリで出したいとかまで考えてしまう。ここまでくるともう病気だ。

今年のお正月、小学生のとき以来、書き初めをした。
書いた言葉は、『一日一捨』。
物を捨てられない癖をなんとかしようと思ったのだけど、しかし。
頑張ったけど、そろそろ限界かもしれない。

今日まで70アイテム捨てた。
まだまだ捨てられそうな物は部屋にたくさんある。旅先で引いたおみくじや、お土産に貰ったけど多分この先使うことはないであろうケータイストラップ(そもそもケータイストラップって時点で時代がひとまわりしている)、買い換えて使わなくなった度の合わない眼鏡、5年以上も袖を通してないコート、玩具の空き箱、旅の勢いとノリで買ったよくわからないお土産、美術館・博物館のチケットの半券。
なんでもないものなのに、捨てるのにものすごいエネルギーを要してしまう。

書き初めをするために買った墨汁は、当分、使うあてもないし、まだ擬人化もされてない。今なら大丈夫だ。捨てる。

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