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これまで、二回に渡り、この間のニンジン価格の変化について考察してきました。

2020年3月以降、価格上昇気味のニンジン

産地の栽培暦と産地リレー

現在、ニンジンの価格が上昇気味であること、東京23区には、千葉・徳島・北海道の産地リレーによって、ニンジンが年間を通じ供給されている事を報告しました。

では、この間のニンジン価格上昇の原因はなんなのでしょうか。

大田市場が出している市況概況情報は、2019年6月と2020年6月のニンジンについて、以下のように述べています。

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2019年6月第1週
 千葉県を中心に埼玉県等から入荷したが、前年同期比12%の減少となった。千葉県産の価格は前年同期比で強保合となった。
入荷量270 卸売キロ単価1231

2019年6月第2週
 千葉県を中心に埼玉県等から入荷し、前週比6%の増加となった。雨で一時的な出荷停滞もあり、荷動きが鈍いまま、千葉県産の価格は弱含みとなった。
入荷量285 卸売キロ単価1188

2019年6月第3週
 千葉県を中心に埼玉県等から入荷した。関東後発産地、青森県、北海道からの入荷に移行し、前週比5%の増加となった。週前半は降雨で入荷量が減少し、引合いは出ましたが、後半は荷動きが鈍くなり、千葉県産の価格は保合となった。
入荷量300 卸売キロ単価1188

2019年6月第4週
 千葉県を中心に埼玉県等から入荷した。青森県産、北海道産の出荷数が徐々に増加しているため、前週比5%の増加となった。荷動きは鈍く、千葉県産の価格は弱保合となった。
入荷量316 卸売キロ単価1015

2020年6月第1週
 千葉県を中心に埼玉県等から入荷し、前年同期比9%の増加となった。千葉県産の価格は前年同期比で強保合となった。
入荷量294 卸売キロ単価1440

2020年6月第2週
 千葉県を中心に埼玉県等から入荷し、前週比4%の増加となった。千葉県産の価格は強保合となった。
入荷量307 卸売キロ単価1836

2020年6月第3週
 千葉県を中心に埼玉県等から入荷したが、前週比20%の減少となった。一部では学校給食の再開もあり太物中心に引合いが出た。不足感があり相場は上昇し、千葉県産の価格は強含みとなった。
入荷量245 卸売キロ単価1922

2020年6月第4週
 千葉県を中心に埼玉県等から入荷したが、前週比5%の減少となった。全体量の少ない状況が続いているため相場は上昇し、千葉県産の価格は強保合となった。
入荷量232 卸売キロ単価2419

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入荷量と卸売価格を表にまとめてみると以下のようになります。

大田市場のニンジン入荷量と卸売価格の変化

明らかに卸売価格があがっています。

6月第3週、第4週は、入荷量が昨年より少なくなっていますが、昨年なみか昨年より多かった6月第1週、第2週も昨年より価格があがっています。

市況では、6月第3週、第4週については、昨年は北海道や青森からの入荷があった事にふれていますが、今年は千葉・埼玉産についてのみが記されています。

ですから、今年6月のニンジン価格上昇について、第3週、第4週についてのみなら、昨年は、千葉・埼玉から以外に北海道や青森からも入荷していたのが今年はなくなった。入荷量が減って価格が上昇したと言えるかもしれません。しかし、第1週から昨年より価格が上昇している事はこれでは説明がつきません。

つまり、ニンジン価格上昇には、他の要因も関係していると思われます。

引き続き、このテーマを追いかけて調べていきます。


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