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三浦大根の9月末まき、土寄せ栽培で年末年始~大寒猛寒波に対応する?

この間、地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケットで大根をお届けしました。

9月29日に種まきした三浦大根が最低気温-7.1℃を記録した1/26の猛寒波にもめげず、生き残っていました。

収穫しながら思った事は、三浦大根のような「中ぶくら系」は遅まきして土寄せしながら、育てると寒波を耐え忍びやすいのではと言う事です。

いわゆる青首大根は、葉の付け根から根の先の手前まで「真っ直ぐ」な形状をしています。

これに対して、中ぶくら系は、葉の付け根はほっそりしていて、根の途中が膨らんでいます。

このため、中ぶくら系は抜くのが大変で三浦大根の産地・三浦半島でも育てる農家が減っているそうです。

また、僕自身も、大きくなった三浦大根について、主婦の人から重いのでまな板の上に乗せるのが大変、次から遠慮したいと言われた事があります。

しかし、9月末まきだと、1月-2月にはあまり大きくなりすぎず、「まあまあの太さ」に留まっているので、抜くのがメチャ大変と言う事はありません。

また、重すぎるとお客さんから文句を言われることもないようです。

一方、葉の付け根部分がほっそりしていることは、寒波にやられやすい部分が少ないと言えます。

大根は根が太ってくると、「抽根」と言って地上に根が張り出します。
この地上に出た「抽根部」が寒波にやられやすいのです。

凍害を受けた抽根部はスが入ったようになり、売り物になりません。

この冬は、9月末に種まきした三浦大根や聖護院大根、ストレート系等の大根を12月に土寄せしました。

8月末~9月初にまいた大根は、大きく抽根しており、少々の土寄せでは、根を全て土の中に埋めることはできません。

しかし、9月末まきの大根の場合、抽根が少なく、土寄せすると、葉の付け根まで土中に埋めることができました。
特に三浦大根の場合、付け根部がほっそりしているので土寄せで根を埋めやすかったと言えます。

そして、土中に葉の付け根まで根が埋まっている限り、10年に一度と言われた猛寒波の時も凍害を受ける事がなかったようです。

凍害を受けた大根もいくつかありました。根がよく生長したものほど、受けやすかったようです。
つまり、土寄せ後に根が大きくなり、地表に根が露出するようになると、寒波の標的になってしまうと言うことです。

次回から、2週間予報などを活用して、寒波の到来時季を考えながら、土寄せを繰り返すと、寒波よけに役立つのではと思いました。

このように考えていって、青首大根を9月初まき⇒年内取り、三浦大根のような中ぶくら系を9月末まき⇒年末年始に土寄せを繰り返しながら保温⇒1~2月取りと言う形で、大根の供給を継続できるのではないかと思いました。

10月まきの大根は、この時季まであまり根が大きくならず、抽根しないので、寒波にやられることはほぼありません。

そして、3-4月頃に収穫期を迎えます。5月頃になると、2月まき大根を収穫することが可能です。

かくして、三浦大根・9月末まき・年末年始複数回土寄せ栽培が秋から翌初夏までの「大根供給リレー」を継続させる有力手段として浮上してきました。

なお、昨年は抽根の少ないとされる亀井戸大根をマルチ栽培しました。マルチ栽培だと、土寄せができません。亀井戸大根は小ぶりで地面にあまり根が露出しないので冬どりに向くとされています。

しかし、多少は抽根し、抽根部は凍害を受けます。
もともと小ぶりな大根のため、凍害を受けた部分をトリミングすると、「食える」根の部分は極めて小さくなり、宅配セットに入れた時、「大根一人前」分とはとても言えない大きさになってしまいます。

ただ、マルチをしないで、土寄せ栽培すれば、小ぶりなりに根をまるごと提供できるような状態に保てるかもしれません。

(今年は資材高騰を受けて、脱石油農業を展望して、できるだけポリマルチをしない形で秋冬栽培を進めた事が、功を奏しました。)

亀井戸大根や三浦大根などの地方品種栽培をしてみた事でいろいろな観察結果を得ることができた事が、今後の栽培方法への手がかりをつかむことにつながったとも言えます。

この辺、今後も各種野菜の地方品種栽培をしていくことが大事だと感じさせました。


2週間予報は、曇・雨・雪の日をのぞいて、2月中旬は最高気温10-15℃の範囲で変動、2月中旬末~下旬には15℃以上になっていく傾向を示しています。

明日はみぞれの予報が出ていますが、ドカ雪の心配もあります。

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