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-10℃有効積算温度(日最高気温-10℃の合計値)で考える各種野菜の収穫時期



前回の記事、10℃有効積算温度は、収穫期予測に使えるか?の受けて、今年前半の野菜づくりを振り返りながら、気象データに基づく収穫予想について、考察をしていきたいと思います。

気象観測データと収穫日の記録から「収穫時期予測」を割り出すことにつきまとう難しい点

まず、気象観測データと収穫日の記録から、例えば、「種まきから最高気温の積算500℃で収穫できる」と言った、ある種の「収穫時期予測」の目安を割り出す際に、かなり難しい問題がつきまとっている・・・

それを今回、自分の栽培記録と気象データを突き合わせてみて感じました。

なぜかと言うと記録された「収穫日」なるものは、農作業等の都合で決まったことも多く、本当の意味で、収穫可能になった日ではないと言う事です。

例えば、2月まきと3月まきの大根が畑にあったとします。
3月まきの大根が太ってきて、出荷できそうなサイズになっていたとして、いや、まだ2月まきのものを全部収穫しきっていない、もうちょっと畑に置いておこう・・・

そう考えて、3月まきのものを収穫せずに1週間過ぎたとします。
初夏の時期、最高気温は連日25℃を超えます。
すると、1週間の間に積算温度は、180℃以上違ってきます。

栽培日誌の収穫開始日を用いると、積算800℃で収穫できていたものが1000℃になってしまうことも出てくるわけです。

大根のように、その時、抜いてしまえば、収穫終わりと言う野菜でなく、春菊やモロヘイヤのように、葉を毎回摘み取るタイプの野菜では別の問題が出てきます。

そろそろ、葉を少し摘んでもいいかなぁ、いや、もう少し待とうかなぁ
と畑で野菜の様子を見ながら、収穫するかどうかを決めています。
しかし、このときの「決め方」は、けっこう「気分次第」のところがあります。
ですから、栽培日誌の収穫日の記録をもとに、各種野菜の「収穫予測」を組み立てられるかと言うと、こうした農作業の都合や「気分」によるズレの問題が出てしまうことが往々にして起きると思われます。

こうしたズレがつきまとうことを念頭に起きながら、各種野菜の収穫日までの日数と気象観測データを比較してみます。

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