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菜園起業大学受講生の気づく能力を見て将来の可能性を伝える。

見沼菜園クラブの菜園教室でみんなで麦刈りをしました。
その様子は、以下の通りです。

楽しいひとときだったのですが、
ここで菜園起業大学の受講生の方の「能力」について、いくつも「気づき」がありました。

つまり、麦を脱穀するのに、踏み犂を「千歯こき」代わりに使ってみたら、けっこううまく行った、

その後、受講生の人が「手でしごいても出来る」と言い出したわけです。

どうも、麦の茎が「柔らかくなっている」というのです。
麦が色づいて、いわゆる「小麦色」一色になったのは、6月1日頃です。

その後、二十四節季の「芒種」になりました。
芒種の「芒」は、ノギ、つまり、穀物のトゲを意味します。
ノギヘンのノギです。

麦は実に細いトゲのようなものがついています。
麦が実った様をそのまま言い表したのが「芒種」で、
6月5日頃を二十四節季で「芒種」とするのは、
麦が実る頃と言う季節感を表現したものなわけです。

話が飛びましたが、麦刈りをしたのは、この芒種から2-3日経った6/8です。

麦が「小麦色」に色づいてから約1週間です。

その間に、麦の茎は「硬い」状態から「柔らかい」状態になり、手でしごけば実が落ちるような状態になったものと思われます。

受講生の人の「気づき」が非常に重要なのは、麦の茎も硬さが時間とともに変化すると言う指摘になっているからです。

この指摘を二十四節季の移りゆきの中に置いて考えてみて、僕は、ああ、芒種を過ぎれば、麦の穂を手でしごくやり方で脱穀可能なのだと理解したわけです。

この後、麦の実と「ノギ」を分離していくのに、この受講生の人は、「トレーを使うといい」と言い出しました。

収穫物を並べるのに使っている普通の青いトレーなのですが、トレーの底に無数の穴が開いていて、その上にノギと一緒になった実を置いて篩うとある程度、ノギと実が分離できます。

「3-4mmの穴のものだともっといいのでは?」と言うのが、この受講生の弁でした。

実は、このへんも貴重なものです。

つまり、畑で自給用にちょっと穀物を育てると言う活動を考えてみた時、例えば、今回のような「麦」の脱穀をどうするかと言う「壁」があるわけです。

その壁を越えて、麦を育てる輪を広げていく場合、

「芒種(6/5頃)を過ぎれば、麦の茎が柔らかくなっているから、手でしごけば穂が落ちる」
「3-4mmの穴が開いているもので篩うとよい」

と言うのは「伝達可能なノウハウ」です。

初心者の人でも、「芒種過ぎに麦の茎を手でしごいて、3-4mmの穴があるもので篩う」と言うのは、その通りやれば、麦の実だけを穂やノギから分離できるわけです。
(ノギについては、この段階では、ある程度、バラバラになったノギが残っていますが、完全に茎に実がついているような状態に比べれば、かなり「利用可能」な状態に近づいていると思います。)

つまり、この受講生の人は、ある基本操作(脱穀なら脱穀、ふるい分けならふるい分け)について、手でしごいても出来るとか、3-4mmの穴があるものでやればよいとかと気づく事ができるわけです。

この気付きの形が、他人に伝達可能な形になっていることが重要だと思ったので、

この受講生が、新規就農後に子供たちを集めてなにかやりたいみたいなことを言っていたのを思い出して、

将来、子供たちと一緒に何かやる時、今みたいに伝達可能な形で気づきが出来る事は、非常にプラスだと伝えました。

今回は、僕自身が、試しに麦刈りしてみるか程度のノリで始めた事に受講生や菜園教室の参加者の方々が、興味を覚え、あ、この方法でも出来るなどと、みんなが言い出して、結果的に脱穀まで成功したわけです。

他人の動きに自分も乗る、自分が乗った結果の動きに、また別の人が乗ると言う「乗り乗りゲーム」の連鎖の中でいろいろな気づきが出てきたわけです。

ただ、それを単なる楽しいひとときの体験に終わらせず、更に、その人が持っている可能性があると言うことを伝えると言うこと、

そこまで出来たことは良かったと思っています。

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