ドビュッシー 亜麻色の髪の乙女

前回に挙げた3曲 そしてもう一つ

亜麻色の髪の乙女


メロディーが終わりそうで続きそうで、続いていく小品です。なんと!晩年の曲なんです。なんともシンプルじゃありませんか??フランスのエスプリはわかりませんが、フランスのエスプリの完成形じゃないでしょうか???


エスプリを私がわかっているとは言えませんが、フランスのオシャレ番長はもう一人 サティ がいます。が、ピアノ曲中心の為、なんでも作曲したドビュッシーが辿り着いた エスプリの形 のこの曲が一つの完成形といえるかなと。



1.終わるようで終わらない理由

ドレミファソ の ソ から始まってオクターブ下のソ だからです。ミクソリディアン 最後の和音は ドミソ です。


難しい話のようで簡単な話のようで。。。


教会旋法の正しい使い方です。

キーがCメジャーで、ドリアンスケール を使用する場合 Dドリアンスケールを Ⅱ度マイナー の和声上で展開しますが。。この教会旋法 モードスケールが使いやすいのですが、

画像1

昔の教会というかそういった音楽では、今の和声がなかったので、ドリアンスケール があって、それに合うキーは C という感じでした。

今の和声がない>>>ドミソがなかったので。ミは不協和音だったそうで。

キーがCに展開するドリアンスケール>>>「君が代」がそうです。終わったぞ っていう感じがないと思います。この おわったぞっていう感じがない事が、神秘性を高めるというか、季節が次につながるというか。「君が代」自体は新しい曲ですがといっても100年過ぎてますが、元となるものは昔の音楽を参考にしていました。


という事で、 亜麻色の髪の乙女 の メロディーと 君が代の共通点を述べましたが、ドビュッシーも そういった昔のメロディーに旅愁を覚えて、この形にしたのだと思います。3分以内に終わってしまいますが、ずっと繰り返されてもいいようなまどろみ感があります。


このシンプルな教会旋法を昔のスタイルで表したこの曲は同時に無茶苦茶ポップです。前回の3曲 実は 鼻歌では歌いにくい曲ばかりです。部分的にはいいメロディーがちりばめられていますが、音域が広かったり、オクターブで飛んでしまったり、何度も何度も繰り返されたりと。。。ドビュッシーは歌心があっていいメロディーなのですが、管弦楽曲は口ずさむのが難しいのです。ここら辺が私が嫌いな理由もあるかもしれません。口ずさめそうで口ずさめない。。。


が、この曲はずっと口ずさんでいられる。ポップになるわけです。


2.エスプリって

エスプリはわかりませんが、音楽に関して言うと、シャレオツなのは必要条件ですが、なんとなく続いていくものをぎゅっと短くまとめている っていうのが 十分条件のような気がしています。楽譜上でいうとCの和音の上に展開される教会旋法 ということです。


で、この曲を晩年に書いた。。。どうしても 海 なんかが対策で後期の作品とおもってしまいますが。。。


和声としては内声の7度ですね。。これがトップノートの7度だとちょっとおしゃれ狙いすぎちゃったねってなってしまいます。。。


当たり前ですが、ドビュッシーの和声はオシャレです。2回目のメロディーで、1拍ずつ和音が変化していきますが、おしゃれです。そして、最後の盛り上がりも 音を書きすぎてない所がオシャレです。


オシャレ番長 ドビュッシー



今回は 1曲に絞ってみました。


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