芸術 「人間」 ロックンロール


さっき自分のギャラリーのオープンについての動画を発表した。

ついにこの時がきた。

ずっとこのnoteを更新したかったが、この間noteを更新してその時にすでにギャラリーをやると決意していたので、6月から今までかけ走ってなかなか更新できずにいた。noteは自分がロンドンでどん詰まりの時に始めたもので、ここでわざわざ記事を買ってコメントまでしてくれるオーディエンスのみんなに本当に助けられてた。改めてありがとう。

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ついに明日から自分の人生で初めて自分だけのギャラリーを始める。

こんなことにロンドンにくる約1年前は思わなかった。こういうことをしようとも思ってなんかなくて、ただやりたいから。といういつも通りの気持ちで来てみたものの、コロナが広がりすぐロックダウンで6ヶ月は画材はおろか洋服や雑貨も手に入れることが難しい状態になって、ゴーストタウンのように人が全然歩いていなかったり、コロナのことがありかなりの頻度で差別的なことを直接言われたり、直接殴られたり、ものを投げられたりすることがあった。

英語はいまだにままならないし、言い返す勇気もなくて、いつも逃げるように家に帰る。1日何時間も英語の勉強しても上手くならない自分に腹が立ったり、こっちで春ごろ頼まれた仕事は途中でダメになったり、どん底だった。「もうどうでもいい。」という気持ちに春になり、部屋で横になってる時間が多い時間を過ごす日々だった。SNSが全く見れなかった。更新がこんなにできなくなったのは今までの作家人生の中で初めてだ。どうしていいかわからなかった。

せっかくイギリスに来たのに、何もできない。

英語できない。

買い物するのも緊張する。

外に出るのが怖い。

また何か言われたらどうしよう。

もうやだ。

SNSを見ると誰かが友達と会ってるのがみえる。それだけでどうしようもなく孤独になるのはどうしてだろう。

こんな真っ黒な気持ちを抱えながら生きるのは初めてだ。イギリスでの1年は正直今までで一番過酷だった。「イギリスでぶちかますぞ!」と意気揚々にでていった自分死ね。と日々思ったりしてしまった。というか自分が情けない。気持ちで毎日が過ぎる。



ベッドにこんな自分の肉体が転がってる。

自分の気持ちはこんなボロボロなのに、毎日髪の毛も爪も伸びる。なんだか不自然だ。もう「どうでもいい人生。」なんて思っても体は生きてるなんてボロボロの気持ちのまま実感してしまう。ぼんやりそんなことを思いながらただベッドに転がってはいろんなことを考える。今までやってきた10年を考える時間が多かった。

そこで出会えた人々のことを考える。

出て来るのは現代美術に関わる人間じゃなくて、いつも自分の絵を愛してくれた「ファン」と言ってくれる人々だった。その人たちは美術のことをあまり知らなくても、ただ私の絵が好きでいてくれて応援してくれる、貴重な存在だった。10年間さほど大して売れないアラサー独身女の俺になぜか付いて来てくれてありがとう。ファンだと言ってくれる人たちが自分の給料をためたお金で絵を買ってくれるのが、嬉しかった。わざわざ展覧会に来てくれるのが嬉しかった。あの子がバイト代を頑張って貯めたお金で青森県から、東京までの新幹線の切符を買ってくれたのが嬉しかった。その想いが忘れられない。

多くの人が美術品を「今の価値」でだけ見てワンクリックで買うような人じゃなくて、毎日、こんなクソ毎日をやりこなしたお金でやってきてくれた気持ちが伝わる瞬間がたくさんあったから、俺はまっすぐやりたいことをできてるんだと思う。

じゃなきゃ正直10年いまだに毎日絵なんて描けない。自分の信じたことだけど、自分だけじゃ弱過ぎる。ロックンロールはどん底だったら聞けなかった。芸術だって、学歴とかオークションでの価格とか、経歴とかそんなもんで見られてクソが。展覧会に誘われてもこんなブログ読まない、経歴ばっか見る高学歴な奴らに誘われたところで。とうんざりする。メンヘラとかサブカルとか簡単な四文字で片付ける「世間」にうんざりする。ヘドが出る。ああ。叫びたい。気持ち悪い。ロックンロールと芸術だけじゃ足りない。できない。続かない。自分の足で、ここまでこれたのはこんなクソ長いブログを読んでくれて、俺の誰が見ても綺麗なんかじゃないぐじゃぐじゃで下手くそな絵に共感してくれるあなたのような「人間」がいてくれたからだ。と心から思う。

ボロボロでぐしゃぐしゃの時に俺を震えさせてくれたのは「芸術「人間」ロックンロール」だよ。

世間なんかで見るからつまんねえ。たった一人の「人間」から生まれるんだよな。たった一人の人たちの後押しで、ちゃんと自分の信じた、これがかっこいいって思える芸術だけをやってこれた。たった一人の人間がどこまでできるか試したい。そんなことを思えて、ボロボロからの大逆進に賭けてやると預金残高を全てギャラリーにぶちこむぜ。といつもの熱い気持ちがよみがえって、自分に血が通ってるのがやっとわかった。

人種とか、言語とか、日本とかイギリスとかそんなもん超えて、たった一人の人間で勝負したいから「さいあくななギャラリー」と自分の名前をつけた。

こんなぐしゃぐしゃな一年があったらから、イギリスにいれるあと一年。やっぱり自分はやらかしたい。自分の信じた、芸術「人間」ロックンロールで進みたいんだ。人間なめんな。と今日だって中指たてて俺は行く。

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